【 コートの星達に説く人生の授業② 】

ダンスは大好きだけど、
運動とは無縁の生活であったもなが、
小学6年生の冬に中学校の部活動見学で、
バレーボール部に惹かれた。

バレーボール部に入りたい!

ショートヘアーの少女達は、
明るめのユニフォームと鉢巻で、
頰の赤みが可愛らしくて、
みんながみんな
どことなく発するオーラがあった。

明朗活発で笑顔が良い。
何よりもバレーボールを楽しむ姿がはじけている。生き生きとしていて輝いている。

そんな雰囲気をもなも感じたのだと思う。

入学、そして入部まで、
一度は確実に入部の意思を固めたけれど、
バスケットボール部の友達の誘いに揺れ、
バレーボール部とどちらにしようかと真剣に悩んだ末に、バレーボール部に入部を決めた。

既に入部している先輩の話や、
直接顧問の先生への相談の末、
晴れてバレーボール部員になったのだ。

*****

「私は口が悪い、態度が悪い。お母さん達、
娘さんを辞めさせるのは今ですよ?」

保護者会は中華料理店。
和気藹々とした雰囲気の中、
顧問の先生はその言葉を常に強調し、
軽快にユーモアを交え、
何回も私たち保護者に伝えた。

50代後半。
ロマンスグレーで
芸術家のような風貌の先生。
担当科目は美術。
そしてバレーボール部の顧問。

「娘さん達が私を憎むようになったら成功したと思ってください。しかしチームメイトを憎むようになるとそれはいけない。憎まれる存在は私だけで充分。そして娘さん達が私を憎み始めた時に部をやめるように言って下さい。きっと辞めないでしょう。」

そんなこともいつも笑いながら言っていた。

続く…。

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