見出し画像

赤プリでラジオCM

広告代理店に勤務していたときのこと。

クリエイティブディレクターに
急ぎのラジオCMコピーを依頼された。

夕方説明を受け、明日の朝提出。
クライアントはコンビニ。

60秒もの、15秒もの含め
20本以上。

すべて違う切り口で。

他社との競合プレゼンは明日。

フリーのコピーライターさんに
外注している時間はなかった。

なんとクリエイティブディレクターは
家に帰ってしまったから

すべて自分で書かねばならない・・・。

会社では当時、女子の残業規定があって
徹夜することができない。

家に帰っている時間も、
食事している時間もない。

どうする?

それならば、と営業の方が

高級ホテルをとってくれた。
いまはもうない懐かしの「赤プリ」。

そこでひと晩かんづめとなった。

まだ駆け出しで
ラジオCMは慣れてなかったけれど
なんとか仕上げて翌朝提出できた。

朝の光がまぶしかった。

深夜、営業の男性がいちごを買ってきて
ちまちまと洗ってくれたのが
なんかすごくうれしかった。

優しいよき旦那様になるだろうなあ、と思ったら
そのあとすぐ結婚式だった。

なるほどなあ。。。

ホテルでかんづめ、なんて
あの頃は日本がものすごく好景気で
夢のような時代だった、とつくづく思う。

そういえば海外ロケもばんばんあった。

しかし

一晩であんな大量なラジオCMの原稿を書くなんて
若いからこそできたのだ、

あんなことはもうできない・・・
と、思っていたのに、

数年前、
一晩で25本のラジオCMを
書いた・・・。

自宅で。

シナリオ教室に8年も通った成果なのか
発表するあてのない童話を
たくさん書いているからか

赤プリの時より、らくちんだった。

現在は、
原稿用紙1000枚の児童小説推敲中。

ラジオCMコピーの原稿は
さらにらくに書けるような気もする。。。

大量のラジオCMコピーを書くのに
若さは関係ないみたい。。。