#創作大賞2024 #ファンタジー小説部門 第一話 みるく紅茶色のうさぎ 第二話 あじさい色のカエル 第三話 なつぞら色の羽 あらすじ桜が美しい「さくらみる町」の川沿いに建つ『絵本が読めるこども食堂るるごはん』は、古い町屋を改装した絵本カフェ併設のこども食堂。店長さんは養護施設から引き取った小学一年のまめちゃんと店の二階に住んでいて、店員は迷子のこぐま。さまざまなお客様が通う食堂で展開する少しだけやさしい気持ちになる連作物語。 第一話 みるく紅茶色のうさぎ作 Sum
#創作大賞2024 #ファンタジー小説部門 第一話 みるく紅茶色のうさぎ 第二話 あじさい色のカエル 第三話 なつぞら色の羽 第三話 なつぞら色の羽作 Sumiyo さくらみる町に夏がやってきました。 桜の木には濃い緑の葉が繁って 夏の香りをふりまき きらめく川面には 油蝉(あぶらぜみ)の吐く ジーウ、ジーウ という音が響いています。 『絵本が読めるこども食堂るるごはん』の 窓の外側には何本もの細長い木を並べた 町屋らしい格子がありますが、 それは長い時を経て 深み
#創作大賞2024 #ファンタジー小説部門 第一話 みるく紅茶色のうさぎ 第二話 あじさい色のカエル 第三話 なつぞら色の羽 第二話 あじさい色のカエル作 Sumiyo 『絵本が読めるこども食堂るるごはん』を出て 川沿いの道を数メートル歩くと商店街の入口があります。 アーチ看板には『さくらみる商店街』と書かれており、 それをくぐると両側にかばん屋さん、お惣菜屋さん、 漢方薬局、パン屋さん、文具屋さん、おもちゃ屋さん、 洋服屋さんなどが並び、 文具屋さんとお惣菜屋さん
フリーランスになってから、 打ち合わせの時間に1時間前から スタンバイしていることはあっても 遅刻することはほぼありません。 が、広告代理店に勤めていたときは ほんとうにはよく遅刻をしました。 最初は朝どたどたと駆け込んで、 ギリギリアウト~!な時間でしたが 数年後にはランチ頃にパンを片手に ぷらぷら到着する、という ひどすぎる態度の正社員に。 そんなあるとき、 某雑誌に商品をからめて ラブストーリー連載を書く、 というプレゼンがありました。 第1話のショ-トス
広告代理店を辞めて、 フリーのコピーライター&CMプランナー になってから、 猛烈に忙しい激務の季節がくるまで、 半年ぐらいめっちゃヒマな時期がありました。 昼に起きだしての 散歩も楽しい。 脚本や小説の学校へ通ったり、 ピアノのレッスンだけでは 足りなくて 作曲も習い始めたころのことです。 習い事を詰め込んでも なお若くて力があまっていたので、 クライアントの新規開拓をすることにしました。 そのままずうーっとヒマっというのも 困るし。。。 広告代理店にいたときは
大学生のとき、 出身高校へ教育実習に通いながら、 宣伝会議にも同時に通っていました。 コピーライター養成講座です。 離島の国語教師になりたかったけど 東京でコピーライターにもなりたかったのです。 教育実習でも広告業界な気分を 纏ったまま通っていたので ふつうの授業の進め方だと インパクトがない、 つまらないかもと 有名な詩を読み解く授業なのに 詩から受けた印象を もくもくと黒板に絵で描きました。 校長先生は、とてもユニークだ とほめてくださったので、 これでよいのだ!
小さい頃、ラジオから流れてきた 「あの日に帰りたい」。 一回聴いただけなのに、 それからずうっとユーミンが大好きで、 コンサートとなれば、 大阪でも千葉でも逗子でもどこへでも 仕事を早退して行きました。 新譜発売の日は打合せ時間を 調整して山野楽器に並んだり。 毎日CDを聴きながら、 会いたいなあ・・・ と思っていたら、 なんと取材できることに なったのです。 その日は、すべての予定をキャンセルして 朝からそわそわ。 人見知りということもあり、 取材のお仕事はあ
もう10年くらい前のことですが 某スマホの某コンペに参加しました。 すでに数百の企画が出ているというので 気軽に参加してみたのですが、 たまたま採用されました。 そこまではよかったのですが、 内心どきどき。 なぜなら、当時はまだ 実生活でスマホ、というものに ちゃんと触ったことも、 近くでじっと見たこともなかったからです。 何か聞かれたらどうしよう・・・(汗) と思っていたのですが、 とくに何も聞かれずほっとしたと同時に、 やっぱり買お、 ということで、 ついに
新聞広告の中でも、小型広告が好きです。 お酢の「突き出し広告」を 123回くらいのシリーズを 書いたことがあるのですが、 小さいからこそ、チェックが少なく、 自由で楽しかったです。 小さいし、ビジュアルも毎回同じ。 商品のイラストだけ。 だからこそ、読むと必ず、 ひとつ知識が増えるように 情報を盛り込みました。 いまみたいに検索してすぐ 出てくるような便利な 時代ではなかったので 「食の図書館」というところへ 通って資料を集めていました。 当時、料理はまったくで
「染色家になりたい」と 担任に言ったのは高校三年生の時です。 進学校ではない高校の中の さらに進学する人のほとんどいない 「就職クラス」にいたけれど マジメに就職する気などなく、勉強もイマイチで、 絵を描くのは好きだし、京都が好きだし、 いいかな・・・とか そういうふわっとした考えで 先生に進路相談してしまったのです。 先生が本当に 「知り合いの山奥の染色工房の弟子入り先」を 探してくださった時は、結局びびって 「よ、よ、予備校に行って大学を受験します」 と
15秒のCMは 普通にぽーっと見ていたら ほんの一瞬ですが 「消音」すると、 ストーリーの つなぎめがよく見えます。 どこでシズルカットが入るか、 どこで、 キャッチフレーズが スーパーインするか。 同じ制作者、 またはクライアントの担当さんが 同じだと、この リズムやタイミングが 同じことが多いです。 おもしろいですね。 何年もそうして消音CMを 見ていると 絵コンテがどう描かれているか わかるようになってきました。 やがて絵コンテになる前の段階 「企画コ
広告代理店に勤務していたときのこと。 クリエイティブディレクターに 急ぎのラジオCMコピーを依頼された。 夕方説明を受け、明日の朝提出。 クライアントはコンビニ。 60秒もの、15秒もの含め 20本以上。 すべて違う切り口で。 他社との競合プレゼンは明日。 フリーのコピーライターさんに 外注している時間はなかった。 なんとクリエイティブディレクターは 家に帰ってしまったから すべて自分で書かねばならない・・・。 会社では当時、女子の残業規定があって 徹夜する
作曲教室や脚本教室や小説講座に ハマっていたことがありました。 テニスクラブにも通っていたし、 ミュージカルダンスやジャズダンス、 ボイストレーニングにも通いました。 このまま行くと 年寄りになる頃、 鎌倉彫りくらいしか 習うものが残らへんのとちゃう? と友達に言われたこともありましたが、 実はこっそり作詞教室にも 通っていたことがあったのです。 投稿雑誌に、ユーミン崩れみたいな 歌詞を書いて 投稿を繰り返していた時期、 ええい、ならっちゃえ!と あるレコード
コピーライターになりたての時 どこへ行っても 職業がコピーライターだと言うと へえ。かっくいいっ。 と、まぶしい視線を 向けられたものですが、 なんか、最近ではそうでもない気がするので お稽古マニアのワタクシ、 いろんなお教室へは行くけれども 積極的に職業をいうことは あまりありません。 でも。 ご職業は? と聞かれて フリーターでも ニートでも、 プー。 でもないので フリーのコピーライターです。 と言います。 何年も前ですが、 絵画教室へ行
流葉爽太郎、というCM監督がおられます。 現実ではなく、小説の登場人物です。 元コピーライターで作家になられた喜多嶋隆さんの 「CF愚連隊シリーズ」に 登場するディレクターさんです。 「CFガール」は映画化もされております。 アロハ姿で巨大企業にプレゼンに行ったり、 得意のボクシングで悪者からタレントを守り、 たとえ妨害されまくっても、CM撮影をギリギリ大成功に導く、という ハードボイルドテイストな広告業界モノなのですが、 私は昔、この小説が大好きで 「東京行った
はじめて入社したのは化粧品会社でした。 就職活動では確かに宣伝部を希望してたんです。 コピーライター養成講座の課題で 最優秀賞をいただいたシップ薬CMの 絵コンテを見せたはずなのに それで内定をもらったはずなのに 配属されたのはなぜか受付でした。 愕然。受付・・・!?って、なんでやねん しかし正社員だし新入社員だしやらねばなるまい。 宣伝部配属になったのは 見上げるほど背の高い女子。 スリムなぴっちぴちデニム姿。 革ジャンをカッコよく両肩にかけ サングラスをヘアバンド