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新規開拓は計画的に!

広告代理店を辞めて、
フリーのコピーライター&CMプランナー
になってから、

猛烈に忙しい激務の季節がくるまで、
半年ぐらいめっちゃヒマな時期がありました。

昼に起きだしての
散歩も楽しい。
脚本や小説の学校へ通ったり、
ピアノのレッスンだけでは
足りなくて
作曲も習い始めたころのことです。

習い事を詰め込んでも
なお若くて力があまっていたので、
クライアントの新規開拓をすることにしました。

そのままずうーっとヒマっというのも
困るし。。。

広告代理店にいたときは
新規クライアント開拓チームにいたんだから、
やってやれないはずはないやん?

というわけで、

作品集を持って、売り込みに行ってみよう!

と初チャレンジを決めました。

そこは横浜の、
ある大きなサービス系の会社で
宣伝部があります。

まず受付に電話をしてから、
でっかい作品集を持ち、
東横線に乗って行きました。

広いロビー。

受付で「こちらへどうぞ」と通された部屋は、
高校の教室みたいに机が並んでいて、
紺色のスーツの人たちが、ぎっしり座っていました。

私はというとめっちゃカジュアルなスタイルで、
厚底サンダルにミニスカート、
シースルーのバッグだったような気がします。

見た目は派手ですが
超人みしりなので、どきどきしすぎて、
くらくらして、
「売り込みのひと、多いなあ。みんなまじめそうやなあ」
と思いました。

スーツのみなさんに混ざって
座っていると、
試験用紙と原稿用紙が配られました。

「売り込みでも、試験があるん?」
と少し不思議に思いつつ、

夕方まで数時間、
国語や数学の問題を解いて
原稿用紙に小論文を書きました。

テーマはわすれてしまいましたが、
普通に書いても目立たないかもと思って
おもしろエッセイにしました。

試験が終わって廊下で
ウロウロしていると

別の部屋へ呼ばれました。

その部屋には面接官がいて、
なんと。
就活中の大学生の入社試験を
受けてしまったことに、
はじめて気づいたのでした。

「ひとりだけ、へんな子がいる、
と担当者が言うのでとりあえず呼びました。
作文、ユニークですね」
てな感じで笑われました。
私は、
「うわっまちがえましたっ!」と謝って
事情を説明しつつ、
ファイルしていった作品を
「ぜひ見てくださいっ!」と
ひとつずつきっちり見せたのですが、
相手の方は
人事部の人だったんじゃないかと思います。

もちろん新規開拓できず・・・でした。

でも、
帰りに横浜駅の横浜アリーナ方面の
がらがらのカフェでコーヒーを飲みながら、

あー、まちがえちゃった~。
と思いながらも、

なんか、ちょっとおもしろかったな~。
うふふ。という
妙に楽しい記憶となっています。

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