受付嬢ってめちゃムズい

はじめて入社したのは化粧品会社でした。
就職活動では確かに宣伝部を希望してたんです。

コピーライター養成講座の課題で
最優秀賞をいただいたシップ薬CMの
絵コンテを見せたはずなのに
それで内定をもらったはずなのに
配属されたのはなぜか受付でした。

愕然。受付・・・!?って、なんでやねん

しかし正社員だし新入社員だしやらねばなるまい。
宣伝部配属になったのは
見上げるほど背の高い女子。

スリムなぴっちぴちデニム姿。
革ジャンをカッコよく両肩にかけ
サングラスをヘアバンドみたいにして
広告代理店らしき若い営業マンに囲まれて
海外ロケの自慢話を
朝の混んだ社内エレベーターでしています・・・

ちぇっ

いろんな部署があり、
みんな私服なんですが受付だけは制服です。

白いブラウスにグレーのベストと短いスカート。
透明ストッキングにパンプス。

ラブリーな丸襟には、真っ赤なリボン。。。
なんかこっちは想像していた仕事と、
だいーぶ違うねんけどさ・・・

とか思いつつも一生懸命働いたのでした。

の、つもりでしたが、

職種には、向き不向きがあるようで。

無能。

てことで人事で問題児となってるよと、
会社からの帰り道、
こっそり同僚が教えてくれました。

いったい何をやらかしたのか
もはや記憶にないですが
ひとつはっきり覚えてるのは
きちっとしたスーツにネクタイ姿の男性の
お客さまがいらして、

たしか
「日本電気通信機構です。
経理の○○さんお願いします」
と、おっしゃいました。
私は受付らしく、研修で習った通りに
両手を胃のあたりに置いて
45度に頭を下げて、
笑顔で「呼んでまいります」と、
できるだけ上品に言いました。

ふつうは電話連絡すべきところでしたが
経理はなんたって受付の真裏にあり、
呼んだほうが早いで！と判断。

壁のうしろにくるっと回り、
「○○さん～お客さんですう！」と
元気よく言いました。

「だれ？」と聞かれましたが
名前を忘れてしまい、

「たしか‥えー日本通信‥ん？日通？‥
ニッツー・・・
あっ!!そうか、
ペリカン便かっ！!
ペリカン便さん、来られましたっ」
と、大きな声で言いました。

「宅配の？？」
経理の先輩女子が不思議そうに聞き返しました。。。
そのあとの記憶はありません。

3ヶ月後には広告会社に転職。
フリーランスになるまで次々に転職して
トータル5社に勤めることに。

いや、もうこうなると
会社員のスペシャリストでしょう。

いまならもっと上手に
受付できるんちゃうかな～と、たまに思います。