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スキンケアのジャンヌ・ダルク: The Ordinary

一生ついていく、そう思えるプロダクト

約3年ほど前に出会って以来、もはやこれなしの肌人生は考えられない、というほどに惚れ込んでいるブランド・The Ordinary。The Abnormal Beauty Companyを標榜している、既存業界の破壊者として旗を揚げた企業が手がけるコスメです。

スタメンコスメ2021の記事で、興奮しながらこう書きました。

これはもう人生コスメ。一生ついていく。The Ordinaryのない人生は考えられない。

不要な成分なし、デパコス以上の高品質をデパコスの10分の1の価格で実現しているジ・アブノーマル・カンパニーが送り出す最高の面々です。

https://note.com/millionth/n/nbbbe71e4e36f

いくらでも儲けられる化粧品業界で、消費者目線に立ち、真っ当なことを真っ当にやっている企業が手掛けているコスメです。企業の成り立ち、思想やモットー、プロダクトと、すべてにおいてラブとリスペクトしかありません。

直販店舗があるのはアジアでは韓国と香港でのみ、世界でもカナダ、アメリカ、イギリス、オランダ、オーストラリア、メキシコのみ。

私が出会ったのは韓国にて。日本未上陸コスメが韓国にはあるらしいと知り、ソウルのカロスキルついでに訪れました。1アイテム平均800円ぐらいなので、欲しいアイテムを片っ端からカゴに入れて30点ぐらい買っても15,000円。そんなことある?ドラッグストアでも倍ぐらいいく……!行く度爆買いして、2年弱前に下の写真の4倍ぐらい在庫を仕入れて、向こう1年ぐらいはもちそうです。

The Ordinaryを一躍有名にしたのが、別名「血みどろピーリング」と呼ばれるピーリング。セレブやインフルエンサーが顔に塗った写真をSNSでアップし、またたく間に人気になりました。これは角質を除去する成分・AHAが30%と超高濃度。日本では3.6%以上含まれていると劇物指定される成分です(成分が強すぎて韓国でも販売しておらず、私もまだ未経験)。

どんな企業なの?

まずね、会社の成り立ちからしてぶっ飛んでるんです。至極真っ当なことを、美容業界のタブーに切り込みながら裸一貫で始めた点で、アブノーマル。小さくまとまる気がない(そして殴り込みスタイル)。

DECIEM is a science-first brand. That’s why each product concept begins in our lab and not in a marketing department. With a dedicated commitment to innovation, our lab is made up of 25 (and growing) happy Biochemists who are continuously exploring and creating to bring you even more good things.

訳)
DECIEMはサイエンスファーストのブランドです。そのため、各製品のコンセプトは、マーケティング部門ではなく、ラボで始まります。イノベーションへの献身的な取り組みにより、私たちのラボは25人の(そして成長している)幸せな生化学者で構成されています。

https://deciem.com/en-us

DECIEM was founded in 2013 by “the beauty world’s most exciting disrupter”, Brandon Truaxe. During a four-month co-op at a skincare lab, he became angry at the lack of passion, transparency, or insight when beauty products were being developed. After selling his first software company, many years later, Brandon’s frustration at the beauty industry remained and he set off to make a change in the beauty business. That change is DECIEM and we’re working really hard to continue Brandon’s vision for a better world of beauty.

訳)
DECIEMは、「美容の世界で最もエキサイティングな破壊者」であるBrandon Truaxeによって2013年に設立されました。スキンケアラボでの4か月の協力期間中に、彼は美容製品が開発されているときの情熱や透明性、インサイトの欠如に腹を立てました。彼は最初のソフトウェア会社を売却したのち、何年も後、Brandonの美容業界への欲求不満は残り、美容ビジネスに変化をもたらすために出発しました。その変化はDECIEMであり、私たちはより良い美の世界に対するBrandonのビジョンを継続するために真剣に取り組んでいます。

https://deciem.com/en-us/deciem-about.html


既存の美容業界に一石を投じるべく、情熱や透明性、インサイトを携えて創設された会社・DECIEMは、カナダ・トロントで創業されました。

創業者のBrandonは、齢34歳。コンピューターサイエンスを専攻したサイエンティストでありながら、「深刻なスキンケアを民主化する」を使命として立ち上げたんだとか。最先端の科学技術と手に取りやすい価格が融合した画期的なブランドとして、一躍その名を世に知らしめたのです。

真っ当で、アブノーマルなブランド

The Ordinaryに出会った当初に衝撃を受けて愛のままに勢いで書いたメモがこちら。

普通じゃないブランド
デパコス並みの成分が配合されたアイテムをリーズナブルに販売。自らアブノーマルビューティーカンパニーと名乗り、アイテムにも印字してある。アブノーマルとは、既存業界への反旗という立ち位置を意味すると解釈。

化粧品業界の悪習への反旗
たいした成分でないのに高額な値段で売りつける美容業界に疑問を抱き、その常識を覆すべく「実際に効果のある製品を手頃に」という野望から始まった。

慣習から変える
百貨店ブランド以上の成分を10分の1の価格で販売。これが実現できるのは、臨床実験から製造、梱包までの全工程を自社で管理しているから。

不要な成分の排除
香料、染料、パラベン、結合剤、硫酸塩、鉱物油、ホルムアルデヒドなどの不要な成分は一切含まれない。動物実験も行わない。

一球入魂型商品
カテゴリーは効果別の分類。6カテゴリーあり、それぞれシワ、くすみ、たるみなど、悩み別に1〜2種類の有効成分を凝縮。

今までにない効果
高濃度の成分を惜しげもなく含有しているため、翌朝すぐ効果を感じられるアイテム多数。頑丈な肌でも感じるほど強い刺激のアイテムもある。

The Ordinaryに沼落ちした理由


肌が頑丈なこともあって、スキンケアはどれも大差ない、と思っていました。

でも乾燥するし毛穴は存在するから、毎日最低2回は何らかを塗らなくちゃいけない、それが億劫で。時間や手間や費用に対して、リターンは果たしていかほどなのか、と猜疑心を抱いていたくちです。

ROI(投資対効果)重視人間なので、せっかく化粧水美容液クリームを毎日時間をつかって塗るなら効果を感じたいし、できれば最少ステップでめきめき効いてほしい。

肌にやさしくて効果もやさしいオーガニックや、ときめくけどときめきを存在意義にしがちなデパコスには期待しなくなっていて、韓国コスメの新成分への飽くなき探究(カタツムリとかヘビとか流行ったよね)を面白がっている日常でした。

そんな時に興味本位で手を出したのがThe Ordinary。1,000円でおつりがくる特化型美容液って面白いな、そんな程度の軽い気持ちでした。

それなのに。

ひと度Ordinaryをつかうと、まあ沼で。

今まで何にお金を払ってきたのだろうとショックを受けました。攻めないと得るものも得られないんだな、と実感。

いまや毎日使うし、使わないことは考えられません(旅行でも帰省でも外泊時は常に最低2個は携帯)。

ブランドコンセプトもアイテムも好き。

こんなに両側面で真っ当な商品、コスメに限らず存在するのだろうか……?(存在しててもThe Ordinary並みにバズらないと存在を知れない力不足)

私は企業理念を気にしエビデンスを愛する重い女なので、サイエンス・ファーストで、効果を追求し、あるべき美容の姿を提示し続けているところがもう企業の理想って感じなんですよね。おとなになって、理念や綺麗事だけでは事業を継続できないことを痛感しているので、、。ちゃんと理念通りにしっかり効果を感じさせてくれるプロダクトと伸びてる企業、尊敬します。

来週から使ってほしい、こんな人に


私のようにスキンケアの効果をさほど感じられないタイプの人にこそ、だまされたと思って使ってみてほしい。

【こんなスキンケア期待値の人向け】
・手間と時間かける分、リターンが欲しい
・毎日のことだから最少アイテムで手短かに
・広告費で高額になってる品はちょっと……
・肌にやさしいものは効果もやさしい(物足りない)
・いろいろ塗っても自己満足なのか?
・効果あるものは高額、継続コストがね、、
・でもLDKでボロクソなデパコス多いな

今のところ日本未上陸。日本の薬機法が厳しいため、日本では販売できないっぽいです。たとえば日本では3.6%以上で劇薬扱いになるグリコール酸が7%も含まれたりと、概ねこんな調子。日本で販売できるように中身を変えたらもはやThe Ordinaryではなくなってしまうので、今後も上陸は難しいと感じます(ちなみに韓国でも全ラインアップが揃っているわけではありませんでした)。

が、安心してください、買えます。個人輸入や並行輸入品ではなく、公式オンラインショップとしてLookfantasticというECサイトにて、ほぼ正規価格で購入できます。楽天やAmazon、Buymaなどでは倍近い値段で売られているので要注意。

ただ、The Ordinary使用には3つほど注意点が。

その1、肌が弱い場合は要注意!
日本で販売されているスキンケアと比較して、濃度や配合が強いものが多いです。刺激が強く、肌がピリピリしたり赤くなったり荒れてしまったりする可能性があります。頑丈な肌でも、状態によって皮むけしたことも。

その2、使い方がやや複雑。
塗る順番や同時に使ってはいけない組み合わせが存在します。公式サイトで、使う順番や組み合わせ可否がきちんと明示されています(ここも信頼ポイント)。英語なのでちょっとハードル高いけど、Google先生に聞けばいろんなブログで解説されています。

その3、香りが独特。
香料不使用のため、成分そのままの匂い。コスメでは嗅いだことのない匂い続出です。具体的にはヤマトのり、雨上がりの鉄棒を触った後の手など。。もともと香料不要派でも、たまにウッとなります😂


入門するならまずこの5つから

デイリーでローテーションするアイテムたち。

前述の通り、The Ordinaryは実はちょっと取り扱い注意なコスメ。

ナイアシンアミドや乳酸など、高濃度の成分特化アイテムのため、同時に使ってはいけない組み合わせが存在します。

また、成分によっては紫外線NGなアイテムがあり、使う時間帯がAM・PMで決められているのも特徴。

2年以上使っているのでいい加減、どのアイテムがいつ使う物で何に効くのかをうっすらとは覚えてきたものの、混ぜるな禁止を全部把握するのは困難なので、ざっくり箱に書いています(購入時におねえさんが「AM」「PM」を書いてくれたのに追加)。

どのアイテムにも共通しているのが、量はスポイトで3〜4滴、アイテムとアイテムの間に30〜1分程度浸透させるための時間をおくこと(公式サイトにアイテムごとの浸透時間が書いてあります)。

オイル以外のほぼすべての美容液を買ってきて試した結果、「今もこれからもこれなしではもう無理〜〜」となっているアイテムがこの5個。※価格は2021/12/30時点

Niacinamide 10% + Zinc 1%

(773円)朝用

巷でも話題のナイアシンアミド!

効果としては、紫外線ダメージによるDNA損傷の修復、抗酸化、メラニン抑制と言われており、これらによりハリや弾力の低下や、シワ・シミ・たるみ・乾燥・炎症を抑制する成分だそう。

クチコミではニキビやニキビ跡、毛穴、皮脂抑制に対してテキメンに効くという声が多いです。私はニキビができずニキビ跡もほぼないのでその部分はわからないのですが、でも毛穴とうっすーら見えるような記憶にないニキビ跡などがそういえばなくなった……!

朝顔につけて首にのばして、余ったら手の甲にも塗るのですが、何度手を洗っても夜までずっとしっとり潤っているなあとよく思います。ハンドクリームいらず。

Buffet

(1,813円)朝・夜OK

ブランドを代表する美容液のひとつ。ビュッフェというその名の通り、さまざまな成分が配合されていて、複数アイテムの使用や組み合わせを考えるのが面倒な人はこれ1本でOKという、時短美容を代表するオールインワンアイテムです。

外泊時に持っていくのがこれ。朝も夜も使えるし、そんなに時間と手間をかけられないシーンでも重宝します。1個で済むから、ステップとステップの間に時間をおく必要もないのが楽。

ペプチド配合で肌にハリが出て、シワやたるみにも効く感じ。刺激がほぼなくマイルドなので、The Ordinary入門アイテムとしても◎。


Lactic 10% + HA 2%

(895円)夜用

乳酸ピーリングは、ズバリ角質除去!乳酸5%の、よりマイルドな方もあります。私は10%を愛用。

これはもうTHEピーリング!洗い流す必要はなく、塗ると翌朝につるんとゆでたまごの質感に。このつるんと感、1回塗るだけでここまで仕上がるのか……ってぐらいの手触りになるんです。ザラザラが一掃される快感ったら。

そのつるんつるん感に感動しきりでうっかり2日に1回使ったら、小鼻の下が見事に皮むけしました。冬は5日に1回ぐらいでよさそう。

Retinor Serum 1% in Squalane

(891円)

レチノール配合のセラム。セラムという表記ですが、スクワランのため軽いオイルな質感。

レチノールは、泣く子も黙るアンチエイジング成分。肌にハリを与え、毛穴シワシミといった大敵の気配を抹消しにかかります。

上3つと比べると、刺激もなく使いやすい一方で、即効性の点では物足りないかも。レチノール高配合という希望にかけて、長く使っていきたいアイテムとしてとらえています。

これ1個でセラム以上オイル未満な使用心地のため、ほかに何を組み合わせるかすこし迷うところ。公式ではこの後にクリームを勧めていますが、これで仕上げることが多いです。

Vitamin C Suspension in Silicon

(895円)夜用

これは革命的だと思ったアイテム!

最もピュアな状態のビタミンCが30%も含まれています。ビタミンCは水に溶けてしまうゆえ水不使用なためテクスチャーはセラムではもはやなく、シリコンゆえにザラッとシャリッと。その上、ピリピリと痛い。そして、匂いが変。なんと形容すればいいのだろう、錆びた鉄が濡れたような酸っぱい匂い……あれだ、雨上がりの鉄棒だ。無理な人は無理そう。

肌触りは正直良くないうえに、かなりの刺激なものだから、最も万人受けしないアイテムと言っても過言ではありません。

でもその分、効果はピカイチ。肌がペカッとしてくすみが飛んだような、キメが整うような、毛穴も目立たないような。テクスチャーがザラザラな分、まさしく一皮むけたという感覚になります。

類似アイテムで、ビタミンCが23%もあります。どちらも使いましたが、テクスチャーとしては23%の方がザラザラ、30%はシリコン配合で幾分マイルド。30%はシリコンの分スムースですが、シリコンがビタミンCの吸収を阻害するため、ビタミンCの効果としてはどっちもどっちとのこと。私は塗りやすさ(摩擦を避けたい)と、少しでも数値が高い方が効きそうとのことで、30%を愛用中です。


勇気ある者は救われる

書いてきた通り、ハイリスクハイリターンなスキンケアプロダクト、The Ordinary。

劇薬ではありますが、スキンケアや肌に革命をもたらすジャンヌ・ダルクです。

マスク生活がもうしばらく続きそうな今、破格値ホームエステにチャレンジする機会です……ようこそThe Ordinary沼へ。


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