「仕事は普通だけど人望のある人」の正体について
薄々感じていたことがある。
スキルがちょっと足りてなくても、ポンコツでも、いろんな人からの愛を受けて仕事にありつける人がいるということ。
反対に、スキルフルでも、仕事がめちゃくちゃできても、人望を得られない人もいるということ。
わたしはよく、フリーランスにまつわる講義をするとき、「同じぐらいのスキルを持っていて、性格のいい人と悪い人がいたら、性格のいい人に頼みたいじゃん。だから、人柄が伝わる発信をしよう」と言っている。
フリーランスが仕事を依頼されるかどうかは、スキルがあるのはもちろんのこと、「人間性」がカギとなるのである。
わたしは仕事を発注する側ではないが、スキルが一定のレベルを超えているとき、その人を選ぶ判断材料となるのは「やりやすさ」「コミュニケーションのスムーズさ」「好きだから」という情緒的なものになることに気付く。
結局、思い出すのってそういう人だ。
これを「性格がいい」と片付けるのはちょっと雑だし、「人間力」と称するのもなーんか違うなぁと思っていたところに、このインタビューである。
株式会社トライバルメディアハウス代表の池田紀行さん。
実はお会いするのは2度目で、とっっってもすごい人なのだが、わたしのようなヘッポコに対してもものすごく気さくでチャーミングな方で、すごく印象に残っていた。
そんな池田さんに、「活躍できるフリーランスの条件」を聞いてみると、こんな答えが返ってきた。
こ、これだ!!!!!!!
そう、わたしが薄々思っていた、この「性格がいい」とか「人に好かれる」とか「人望が厚い」人たちは、総じてEQが高かったのだ!!!
ちなみにEQとはEmotional Intelligence Quotientの略称で、IQが知性を指すのであれば、EQは心を指す。
ものすごく言語化が難しいけど、やさしいな。思いやりがあるな。親切だな。好きだな。と感じさせる力があるのだろう。
ところで、わたしは一時期EQではなくIQをアピるような働き方をしていたことがある。
能力が中途半端なのに雑談なんてしちゃいけないだろうな、と業務をササっと遂行してクールに振る舞っていたり、事務的な連絡しかせずに話を終えようとしていた。完全にアカンやつだ。
取材の仕事では本編よりも前後の雑談が大切だと言われることもある。おそらく、そこで相手の緊張をほぐしたり、「この人はいい人だな」と思ってもらえたり、アイスブレイク的な役割をするのだと思うが、それとちょっと似ている。
あともうひとつ、「新人はとにかく元気に挨拶!」と言われるのも、スキルがないうちは人柄ぐらいしかアピールするものがないんだから全力でアピっとけ!という所以なのかもしれない。
現に新人賞をゲットするのは、しごできな新人ではなく、しごできなうえに上の人たちとも仲の良い人だったりする。
そうなると、しごできパーソンたちは、「人柄で評価するなんて不公平じゃないか!」と思うかもしれないけど、世の中そういうものなのである。
どんなに仕事ができても「やりづれー」と感じたり、話が噛み合わなかったり、愚痴ばかり言ってたり、人の気持ちがわからないような人とは働きたくないのである。
これって本当に元も子もない。ビジネスの世界でも、そうでない世界でも、「人柄」すなわち「EQの高い人」が活躍するのだから。
で、わたしはぶっちゃけEQが高いかと言われたらよくわからなくて、人の考えていることは何となくわかるけど、思いやりがあるかと言われたら微妙なところだと思ってる。
でも、仕事相手とごはんに行ったり、しょーもない話をしたり、フランクだったり、Twitterで思考を垂れ流しにしていたり、そういうところからうまく親近感を伝えられているような気がする。
もしも、スキルを十分に持っているのに仕事が舞い込んでこないのであれば、ビジネススキル以外の自分のパーソナルな部分に目を向けてみるといいかもしれない。
EQは上げるのが難しいそうだ。でも、だからといって上がらないわけじゃない。
人柄だけで仕事ゲットするなんてずるい!!!と指を咥えて見ているんではなく、ちょっと口角を上げてみるとか、ポジティブな声色を研究してみるとか、雑談をしてみるとか、そういう外側のところからでもいいので真似してみるでもいい。
人と仕事をする以上、思いやりを持たずして仕事はまわらないからね。
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