今のことを書いて、未来の自分を救おう
これはわたしが貯金が苦手だからこそ思うのかもしれないけど。
貯金をするのに有効なのは、月のはじめにあらかじめお金を引いておく方法だと思う。「あまったら貯金しよう」方式では何度か失敗したことがあるから、事前に引いておいたほうがいい。
でもそのうち、引いたことも忘れてそのままにしてしまう。
そしてある日突然、引き出しを掃除しているときに、奥のほうにしまい込んでおいた茶封筒を見つけて喜ぶ。
お金を銀行から引き出すのと、引き出しの奥からお金を見つけるの。同じ「お金を得ること」なのに、なんだか得した気分になるのはなぜだろう。
わたしのなかで、「書くこと」は「引き出しのお金」とちょっと似ている。
少しずつお金をいろんなところに隠すんだけど、そのうち隠したことをすっかり忘れて、本当に困ったときにひょっこり出てきてわたしを助けてくれるのだ。
わたしは、ひとたび文字にしたら、すぐに忘れてしまうことが多い。それは、「もう文字に残したから大丈夫だな」と安心して記憶を手放してしまうからだと思う。
でも、そうして文字に残したものが、数年後の自分に響くメッセージとなって返ってくることがある。
ただ、どんなメッセージが、どういう場面で自分を助けてくれるのかはさっぱりわからない。
だから、今考えていることや感じていることを忘れないうちに書いておいて、そっと未来の自分に託すのだ。
それは、頼りにならない人間の記憶よりも、よっぽど価値があるものだと思う。
書籍を出すとき、編集さんはわたしのnoteを全部読み込んだという。そして、今回のテーマで使えそうなnoteをピックアップして渡してくれた。
まさか自分が書いていたnoteが、書籍の原稿の下地になるとは思わなかったし、下地があったからなんとか書ききることができた。
編集さんが選んだnoteを読みながら、「そういえばこんなこともあったな」と記憶が呼び覚まされて、そのまま序章へとつながっていった。
きっと今日こうして書いたnoteのことも、しばらくすればわたしは忘れてしまう。
でもまた月日が経てば、「こんなこと思ってたんだな」と未来の自分が笑うのが見える。
未来のしあわせは今からでも作れる。何気ない日々を書き記して。
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