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人生とは(2)



サササ〜、ぽたっ、ベタベタ、ザザザザザ


私のこれまでの人生を、想像した。
いろいろな擬音がきこえる。と同時に、いろいろな色がみえる。

順番が前後してしまったけど、「人生とは」の二つ目の私の答え。




人生とは、「アート」だと思う。

どんどん上に上に、追加されていく。自分でしていく、アート。
軽やかな気分の私は、明るい色鉛筆を使って、サラサラと描く。もっと調子の良いときは、絵の具も使って、キラキラ輝くラメも使って、描いていく。
辛いことがあった日、水分を多く含んだ灰色をぽたっと滲ませる。もっともっと辛いときは、キャンバスのほとんどを黒色で荒々しく塗りつぶす。
しばらくして、また上から少しずつ白色を重ね重ね塗っていく。時々灰色や黒色を滲ませながら、またピンク色や黄色、水色などの明るい色を使って、少しずつ、少しずつ描いていく。


何度も完成したかのように感じたキャンバスは、私の手によって、それとも何者かによって、何度もやり直しになった。
完成は、きっとほど遠い未来の話なのだろう。

私のキャンバスは、年々、分厚く、重くなっていく。幸せなこともその逆も、経験した分だけ分厚くなる。何層にもなった私は、頑丈だ。
脆いけれど、きっと頑丈なんだ。
その時々は表面上の色達しか見えないけれど、実は下にもっといくつもの色が積み重ねられていて、それら全てがあるから今がある。
過去の私が、私を支えてくれているんだよね。


アートに、正解なんてないよ。





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