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2020年 読んでよかったマンガ作品

今年は、マンガにハマった年でした。久々に会った後輩に「自粛期間何してました?」と聞かれ「私、マンガにハマったんだ!」と鼻息荒く答えると、「え、それって好きな飲み物を聞かれて"水"って答えるようなもんですよ」と笑われ、衝撃を受けました。水?!

実際はその後輩が世の中でもマンガ好きな方だっていうのはあると思うんですが、たしかに、私は他人が10代の頃に盛りを終え、いまや当たり前になっているようなことをなぜか素通りして生きてきた節があります。去年はじめて『ワンピース』を読んだときも一人で盛り上がってました。

ともかく、私は今年から本格的にマンガにハマり、昨年までとは比べ物にならないくらいのマンガをジャンル問わず読んだ(それでも月に2-3作品程度)ので、読んでよかった作品を記録しておこうと思います。

第1位『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

『少年ジャンプ』で1998年~連載中の少年マンガ。既刊36巻。もう呆れられるくらい何度も書いてきたのでここでは詳しく書きませんが、人生で一番すきになったマンガです。はじめて読んだのは2019年12月~なんですが、今年改めて読んで私のバイブルになりました。そして、そこから私のマンガライフがはじまったのです。

冨樫義博という人間に惚れ込んでしまったので、『幽☆遊☆白書』も『レベルE』も読みましたが、やはり『HUNTER×HUNTER』が一番すきです。もちろんアニメも見ました。これから連載が再開しようとしなかろうと、私はこの作品を愛し続けます。ちなみに、私が今年書いた記事で一番たくさんの方に読まれたのも『HUNTER×HUNTER』に関する記事でした。

第2位『チェンソーマン』藤本タツキ

『少年ジャンプ』で2018年~連載中の少年マンガ。既刊9巻。なにより絵が好み。マンガを読むうえで、その作者の描く人間の絵がすきになれるかどうかって結構大事だな~と思いました。来週のジャンプで完結するそうなのですが、単行本派なのでもうしばらく続きを楽しみに過ごせそうです。多分、かなり人気が出たので次回作もジャンプで連載じゃないでしょうか。

この作品についてもがっつり文章を書いたので、詳しくは記事を読んでほしいのですが、藤本タツキというマンガ家は冨樫義博とは別の種類の天才だと確信し、前作『ファイアパンチ』もしっかり読みました。たくさんの作品をこの世に生み出してほしい作家です。

第3位『少女ファイト』日本橋ヨヲコ

『イブニング』で2006年から連載中の青年マンガ。既刊17巻。少年ジャンプの『ハイキュー!!』をアニメで見て、おもしろいけどいまいちハマれなかった…と落ち込んでいたら、友人が「同じバレーマンガだけど全く方向性の違うおすすめの作品がある」と紹介してくれて読みました。

公式サイトにある「生きづらいあなたへ贈るバレーボール群像劇!」というキャッチコピーがすべてを表現しています。人間ドラマがメインで、スポーツマンガという括りに入れにくい。名言の数々に、日本橋先生のまっすぐな人柄と哲学が溢れています。最新巻まで読んだあと、過去作『G戦場ヘヴンズドア 完全版』『バシズム 日本橋ヨヲコ短扁集』を続けて読むくらいハマりました。

さらに『少女ファイト』を読んだことで、『ハイキュー!!』に向き合うときのスタンスが自分のなかではっきりして(「バレーのプレイそのものや戦術をメインに見ればいい」と思えた)、ハイキューのことも、もっとすきになれた気がします。

ここから下は順位付けが難しかったので、印象に残ったものをいくつかピックアップしてみます。

『寄生獣(完全版)』岩明均

『アフタヌーン』で1990~1995年まで連載された青年マンガ。全8巻。友人が貸してくれて読みました。「寄生獣」という特異な存在を通して人間のあり方を問う哲学的なお話でとてもおもしろかったんですが、ちょっと絵のグロさだけがキツかった……。絵のタッチのせいなのか、惨殺シーンが他のバトル系マンガよりも一層グロテスクに感じられました。

しかし、6巻くらいから最終巻までの追い上げは見事でした。グロさへの抵抗感を超えて物語が自分のなかに入ってくる。ページをめくる手が止まらない感じで、ラストまで怒涛の展開を駆け抜けました。友人が「人生で一番すきなマンガ」と言って貸してくれたので「全然ハマらなかったらどうしよう」と少し不安だったのですが、読んでよかったと思える作品でした。

『私がモテてどうすんだ』ぢゅん子

『別冊フレンド』で2013~2018年まで連載された少女マンガ。コミックス全14巻。今年夏、実写映画化のタイミングで何冊か無料だったのを機に読みました。とにかくキャラクター作りがすごく上手い!少女マンガのなかではギャグ要素も多めで、ストーリーもおもしろく、アニメ・映画化も納得です。

作者のぢゅん子先生は普段BL作品を描くようで、本作の主人公もいわゆる「腐女子」。BLの世界から縁遠かった私にとって、この作品でBL文化を学べたのも収穫でした。そして、2020年にもなっていまだに同性愛を扱う作品を好むことに対して「腐る」という表現を使い続けていることが気になるようになりました。きっと便利なんだろな…いい感じの新語できないかな。

『ワンパンマン』ONE

2009年からWEB上で連載中のギャグ・アクションマンガ。友人が教えてくれて原作を最新話まで読みました。『となりのヤングジャンプ』では、作画を村田雄介先生が担当した、絵がべらぼうに上手いリメイク版が2012年から連載中。ONE先生の描く原作も、WEBですべて無料で読めます。(原作:http://galaxyheavyblow.web.fc2.com/

原作は読みはじめにまず絵が下手すぎてびっくりするんですが、読んでいくうちにむしろそれがキャラクターを引き立てるために重要な気さえしてきます。そしてワンパン(一撃)で戦いが終わってしまうゆえに無気力なヒーロー「サイタマ」が主人公なので、"しばらくしたらワンパンで勝てない強敵が…"という展開を予想するんですが、いまのところまだサイタマ最強です。その強さと落ち着きに、癒やし効果さえ感じます。
主人公が全然挫折しないマンガを読んだのがはじめてだった私には、かなり衝撃的な作品でした。ギャグのシュールさもすき!更新が楽しみです。

その他、記憶に残る作品一言記録

少年マンガ『約束のネバーランド』白井カイウ、出水ぽすか
時代を反映した切迫感があり、いろいろと考えがいのある作品でした。記事も書いたので掲載しておきます。

女性マンガ『&』おかざき真里
少女マンガとは違う、うまく行かない人生を含めて描かれた大人向けの恋愛マンガ。矢沢あい作品を好んで読む人はすきかもしれません。

青年マンガ『僕の心のヤバイやつ』桜井のりお
青春ラブコメ。山田の胸の大きさがどんどんでかくなるのだけが気になるけど(成長期?)、山田と市川の距離感が絶妙で、ときめきます。

女性マンガ『アヤメくんののんびり肉食日誌』町麻衣
恋愛マンガなんですが、登場人物たちが大学で研究している化石の知識がガッツリ詳しく書かれているところに作者の偏愛が出ててすきです。

青年マンガ『大上さん、だだ漏れです。』吉田丸悠
思春期エロラブコメという謳い文句ですが、別に際どいシーンとかはないです。キャラがみんな愛らしくてなんだか読み返したくなる作品でした。

青年マンガ『ギャルと恐竜』森もり子、トミムラコタ
日常系マンガ。恐竜の豊かな表情とまわりの人びととのやりとりにひたすら癒やされます。何も考えたくないときにぴったりでした。

来年もおもしろいマンガにたくさん出会えますように!マンガやアニメからもらったたくさんの気持ちや思考は、下のマガジンにまとめています。


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