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ランダムに選んだ駅に行く

テレワークをしていると単調な毎日となる。

同じ時間に起き、飯を食い、仕事をする。仕事が終わり、飯を食い、寝る。
翌日も同じだ。
なんなら休日も出かけなければ大体同じだ。

そのせいもあるのだろう。
時間が経つのが早く感じすぎるし、虚無感というか、
このまま一生終わるんだなという感じだ。

休日は意図的にアクションを起こさないと本当に単調に、無地のノートのような一生になってしまう。
なにより全く楽しくない。

この日、サイコロを振って行き先を決めた。

路線図の端っこから駅を1、2と数える。

「多摩湖駅」

多摩湖という湖の近くなんだろう。それ以上の事はわからない。
コンビニでおにぎりを買い、出発だ。

多摩湖は西武園ゆうえんちの隣にある貯水池であった。

懐かしい、腐った水の臭いがした。

臭い中で食うおにぎりはどうか、美味かった。

ぼくに向かって飛んできたバッタに大声をあげた。

そして広大な景色。

人の小ささを感じる。
しかしこれを作ったのも人間だ。人のすごさも思う。

今日、人生という無地のノートに鮮やかなインクで文字が刻まれた。

「暑い」

暑かった。とても。危なかった。

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