こころまで満ちる。鍋で炊くほっかほかのおいしいごはん
炊飯器に別れを告げて早数年。それ以来、ごはんは鍋で炊いています。じぶん好みに合わせたちょっと硬めの炊き加減で。
ボタンひとつで炊けちゃう炊飯器に比べ、圧倒的ハードルの高さで人々を寄せ付けない鍋炊きごはん。「面倒くさそう」「時間かかりそう」などのマイナスイメージのせいで敬遠されがちです。
かれこれ5年近く鍋でごはんを炊いていますが、一度覚えてしまうととてもカンタン。呼吸をするようにおいしいごはんが炊けるようになります。
我流白米極上炊き上げの秘術
試行錯誤の上編み出した我が家の最高にうまい飯の炊き方。それでいて毎日のことだもの、面倒くさいことを極力したくない。そんな「カンタン」「うまい」を実現した秘術ともいうべき工程をご紹介します。
自分至上最速スピードでとにかく素早く
ザルにお米を2カップ入れる。最初のにごったお水をお米が吸ってしまうと風味が台無しになってしまいます。乾いたお米は水に濡れた瞬間からぐんぐんと吸水するので、最初が肝心です。ザルに入れた状態で流水にさらしながら一度全体をシャカシャカと洗います。手でやさしくかき混ぜるイメージです。
たっぷりのお水にお米を泳がせる
お米の入ったザルをボウルに重ねてお水をひたひたに入れて洗う。
水の中でお米を大きく泳がせるイメージです。
このときまだ糠でお水が濁っているので2回ほどくり返します。
お水の表面にアクのようなものが浮かんでこなかったら洗いの工程は終了。
お水の表面にアクのようなものが浮かんでいても終了して構いません。
神経質になりすぎるとお米にもバレるのでほどほどの適当さで。要するに研ぎすぎはお米が割れてしまったりお米の旨みも逃げてしまうのでよくないです。
お米さんおつかれした、しばしおやすみください
お米がかぶるように新しいお水をひたひたに入れてそのまま30分。冷蔵庫に入れておきます。冷蔵庫に入れると冷水の効果でゆっくりと吸水するんだって。
ちなみにお米の吸水には限界があるので時間は結構いい加減にしちゃってます。1時間くらいでそれ以上お水を吸わなくなるためそれ以上ほっといてもふやけたりしないので大丈夫。
これが我が家の黄金比。命の水加減。
つけておいたお水は捨ててザルでしっかりと水を切ります。ラーメンの湯切り天空落としのごとくやりたいところですがぐっと堪えましょう。
お水を吸ったお米は白くなっていてこの段階で鼻を近づけるとなんともよい香りがしてきます。
水を十分にきったらお米をお鍋へ移します。
2合のお米に対して水340ccが我が家の黄金比。1合の時はその半分の170ccで3合ならその3倍という感じで極上のごはんが炊けちゃいます。とんでもない秘技を編み出してしまった自分が怖いくらいです。
コンロの本気とばかりに最大火力で一気に沸騰!!
いよいよ炊きの工程です。鍋を強火にかけます。ぼこぼこと沸騰するまで待ちましょう。そうしたら一気に弱火に。
お鍋のフタを開けて様子を見つつ、沸騰したらをフタを閉めます。
のちほどご紹介するわが家のお鍋を使うときはフタして沸騰させます。すると沸騰するとその蒸気でフタがガタガタなって知らせてくれるのでその間はほったらかし。他の作業ができるのが便利!
Hey Siri 12分経ったら教えて
沸騰したら弱火にして12分じーっくりと炊いていきます。テンション上がってはしゃぐ犬を落ち着かせるようにごく弱火で静かにゆっくりと火を通していきます。しばし待ちです。12分経ったらすぐさま火を消します。
Hey Siri 12分経ったら教えて(2回目)
火を消したらさらに12分。お米を蒸らす工程です。これも超大事。
極上のごはん、完成です!
待ちに待った炊き上がり!このフタを開ける瞬間がワクワクするんです。フタを開けると鼻腔に広がる甘い香り。
ツヤツヤとふくよかに炊き上がったごはん。おいしく炊き上がってくれてありがとうと呟きやさしくほぐしながらセラミックのおひつに移します。
炊きたてごはんはシンプルなおかずと合わせて米を存分に味わうのが至福。ごはんがおいしいというだけでなぜこんなにしあわせなのだろうか。
ときにベシャベシャに、ときに大半がおこげになり…と、そんな失敗を重ねつつたどり着いた自分好みのごはん。
スイッチオン!と違って火加減を見たり時間を計ったりして手間がかかる反面、炊き上がったごはんは愛着すら湧いてきます。鍋で炊いただけでおいしそうだし、おいしいんです。ひと粒ひと粒を大切に食べたくなるのよ。
いぶし銀の働き、KING 無水鍋
わが家の米炊きの大事な相棒、KING無水鍋(20cm)はアルミニウムのお鍋。
アルミニウムは熱効率が良く保温性も抜群。そしてムラなく均一に火が通るのがこの厚手鍋の特徴です。炊飯以外に煮込み料理にもとてもいい。
名実ともにいぶし銀なこのお鍋。無数の傷は炊いてきたうまいごはんの数だ!輝く勲章だ!
全力で推したい、鍋炊きごはん
面倒なイメージでソンしている鍋炊きごはん。ぜひ一度作ってみてほしい。きっとそのおいしさにびっくりするから。
土鍋で炊いても(そのビジュアルも相まって)うまいと思います。わが家には土鍋がないのだけれど、お持ちの方は冬のシーズンに囲むだけのお鍋にしとくのはモッタイナイネー。
ごはんを炊くという行為は不思議と心を満たしてくれて、炊き上がったごはんはお腹を満たしてくれます。
この週末に炊いてみませんか。極上のごはんを、お鍋で。
極上ごはんの作り方まとめ
① 洗米する。ゆすぎは2〜3回でOK
② 30〜1時間水に浸ける。
③ 米の水をよく切って鍋に移す。340ccの水を入れる
④ 強火にかけて沸騰したら弱火にして12分。
⑤ 火を止めて蒸らし12分。
⑥ 全体をほぐして出来上がり!