言い訳しながら入れるニンニク
やってしまった。非道く腹が減っていて、吸い込まれるようにラーメン屋へ。
券売機の前で少し悩む。メニューに、というより大きさに悩む。
「大か?小か?…」
心の中の躊躇いをよそに指は「大」を押す。
「まあ、今日は殆ど食べてないし…」と一つ目の言い訳。
マスクと帽子を外して、水を飲む。待ってる間にnoteを書こうと思っていたが、「まあ、食べた後の方が頭が働くから…」と二つ目。
「ニンニクいれますか?」の声に「ニンニクヤサイアブラマシ」をコール。この瞬間はいつも緊張する。直前までどうするか悩んでいたのに「まあ、野菜は摂った方がいいし…」と言い訳は三つ目へ。
昨日一昨日と、画面に映った自分の醜い姿に落ち込んで、「痩せよう」と決心したその翌日なのに、いつの間にか麺を啜っている自分に嫌気がさした。
「いや、でも年を取ったらこんなものは食べれなくなるかもしれないし…」とまた言い訳を重ねる。
中野の夜はラーメン豚山と共に更けていく。言い訳はいつしかスープに溶けてしまって、空いた器をカウンターに上げた。
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