翻訳:自分自身と結婚し、ソロガミーとして胸を張って生きると決めた理由

以前の記事でも紹介した英語記事の翻訳ができました!長文ですがぜひ読んでいただきたいです!

Sophie Tanner
2023年9月15日

原文はこちら↓


ソロガミーとは何か?

ソロガミーは自分自身と結婚する行為である。ソロ結婚式を選ぶ理由はいくつかありそうだ。例えば、自分自身と良好な関係を築いていたいという想いがある。あるいは、独身でいることは不完全であることや、孤独であることとは違うといったものも挙げられる。ソロ結婚式に関する論争がいくつか起きているが、特に女性の間において、ソロガミーは世界中から好意的なものとして知られてきている。

2014年から、日本の京都のとある旅行会社では、女性向けに2日間のソロウェディングプランを展開している。ソロウェディングを選んだ人の中には、一日の間花嫁気分を味わいたい人もいれば、既に結婚しているものの、自身の結婚式には満足できていない、または(結婚式を挙げないという)パートナーの選択に同意できないから、という人もいる。直近では、ブロガー兼インフルエンサーである Kshama Bindu氏が自分自身と結婚し、インドで初のソロガミー結婚となった。彼女は「自分はいつでも花嫁になりたいが、誰かの妻になりたいのではない」と述べている。

多くの人にとって、独身でいることはポジティブなことであり、解決すべき問題ではない。完全体となるために誰かもう一人を必要としない、独立した個人としての自分自身と共にいれば、人はちゃんと幸せになれるのだ。パートナーによるサポートや、一緒にいる人がいるなど、パートナーと共にいる長所は確かにたくさんある。一方で、一人で生きることは多くの自由をもたらしてくれる。例えば、旅行に行く機会であったり、新しい経験をしたり、ただ何もしない時間を思いゆくまで過ごすことが挙げられる。とはいえ、恋愛関係にあると必ずしも一人で旅行できないというわけではく、(恋愛関係にあるよりも)一人でいたほうがより旅行計画を立てやすいということだ。

法的な意味で自分自身と結婚できるのか?

現在、世界でソロ結婚式に法的な効力を持たせている国はない。そのため、自分自身に「はい、誓います」と言ったところで何か法的な権利をもらえると期待してはいけない。しかしながら、ソロガミストは自分自身への献身と、自身の個人的な成長の象徴としてソロ結婚式を挙げる。その行為自体が重要なのだ。儀式自体に法的な意味合いがなくても、それがソロ結婚式の価値を貶めることはない。

世界の保守派と熱心な宗教信者たちは、ソロ結婚式にあたっていくつか論争を起こしている。Kshama Bindu氏がヒンドゥー教寺院で自分自身と結婚しようとしたところ、保守派の恐怖と激怒を招いてしまい、彼女はトラブルを避けるために会場を変えることとなった。

自分自身と結婚する方法

ソロ結婚式は法的な効力がないため、自分の好きな方法で自分自身と結婚できる。あなたのためだけの個人的な儀式から、ゲストを招き、ケーキとファーストダンスがある盛大で伝統的な結婚式まで、選択肢の幅は限りなくある。結婚やパートナーシップ法とは異なり、結婚しようとしていることを知らせる必要がないので、勢いで決めても問題ない。

法律上の正式な手続きがないということは、正式な結婚式場に固執する必要はなく、ただどこでも好きな場所で開催する選択肢が開けてくる。自分自身との結婚は、自分にとって特別な意味がある場所でも、家でも海外でもよい。式典後に役場に出向くことなく行える。そしてなにより、自分自身との結婚式がうまくいかなくても、離婚の必要がないのだ。

胸を張って生きるソロガミストは、末永く幸せに暮らしている

2015年、ライターであるPRコンサルタントのSophie Tannerは、友人と家族の前で自分自身への宣誓をし、自分自身と結婚した。それは、彼女自身のソロガミーとしての経験に基づいた書籍「Reader, I Married Me」の出版とともに知られるようになった。

編集部は、自分の在り方を選べるこの時代に、Sophieにとって、自分自身との結婚が彼女自身に何をもたらしたのか取材した。

ソロガミーについて教えてください

端的にいえば、ソロガミーは自分自身と結婚する行為です。法的な効力は認められていませんが、自分自身を愛するという宣誓をして、死ぬまで自身を尊重することができます。ドレスと挙式の規模は、自分に合ったサイズに調整できます。私はウェディングドレスや婚約指輪、司祭やファーストダンスを含む、伝統的な挙式の側面すべてを盛り込み、公の場で大規模にしました。しかし他の人たちは、プライベートなイベントとして、もっと小さな儀式のほうがよいと思うかもしれません。ソロガミーは世界中で見られており、それぞれが自分自身に「はい、誓います」と言う独自の理由があります。

私の見解では、西洋諸国がそこまでスピリチュアルではないことは恥ずべきことだと思います。儀式が基本的には人間の成長と定義、発展を促すものだからです。他の文化では、大人と自立への入り口として、成人を祝う式を設けています。イギリスとアメリカでは、従来よりも遅い年齢で結婚する、もしくは生涯に一度も結婚しないという人が増えています。つまり、人生における個人的なマイルストーンが一つもないということです。自分自身と結婚することは、個人的な成長を実感する機会を公にくれるものなのです。

なぜ自分自身と結婚することを選んだのですか?

自分自身と結婚するという考えは、私が30歳を迎えたころ、最悪の別れから立ち直ろうとしていた頃に思い浮かびました。私がパートナーに浮気されたのは初めてではありませんでしたが、少し負のスパイラルに陥ってしまったのです。あなたの内側も外側も知っているはず、と思っていた人と口論で別れてしまったら、あなたは自分自身を責めずにはいられませんよね?私は、(パートナーが自分の次に付き合うであろう)新しい女性のパートナーに対する文句を自分自身に言い続け、大きな失敗をしてしまったような気分でいました。

ところが、ある日の朝、別れから数か月後、眠りから覚めて起き上がった私はいつもの前向きな感覚が戻ってきたことを感じ、とても安心したのです。太陽の光が窓を通じて入ってきて、私は寝室を見渡して、私は敗者ではないということを認識したのです。私は素晴らしい人生を送ってきた。私は自分の家族や友だち、家、そして最も大切な自分自身を愛していた。自分自身を完璧にするための「もう半分」なしでもこの上なく幸せでいられるという気づきに、私は飛び上がって祝いたくなったのです。私たちの文化では、人々は「あなたが恋愛関係にあるとき」に祝福してくれるけど、あなたが自分自身との関係に集中しようと決めた時に、人々が似たような反応をしてくれるとは思わないでください。

実は、あなたが独り身でいるとき、すべての人が「心配しないで、運命の人はもうその角にいる」と、口には出さずとも共感しながら接してきます。冗談じゃありません。私はこの時、自分一人での完全さに喜ぶと決めたのです。そして、自己愛を祝うのに、ウェディング以上にいい手段があるでしょうか?

ソロガミーはフェミニスト的な発言でしょうか?

ソロガミーはフェミニストの一端とも言えるでしょう。女性は、独身でいることがよく思われないことがあります。未婚男性は良いのに、未婚で、今後も結婚しそうにない女性は「猫を何匹も飼っている狂ったおばさん」(変な人、不完全な人)扱いされてしまうのです。歴史的にみれば、結婚が成功するかどうかは、夫や子どもたちのために、女性が個性を消し、(男性や子どもの)下手に出たいと思えるかどうかにかかっていました。こんにちでも、社会では「彼女が幸せに暮らすためには男性が必要だ」という声が大きいです。しかし彼女は社会に認められることではなく、彼女の人生、彼女自身を選んだのです。

フェミニズムは女性だけのものではないという理論で行けば、ソロガミーはもちろん、ほかのジェンダー(女性以外)のためでもあります。私たちの社会では、男性は他の性よりも感情を表に出さないように育てられがちで、特定の状況に対応できなかったことによる挫折を味わいがちです。すべてのジェンダーにおいて、個人をケアし、自身の価値を認識する必要性が高まってきています。

ソロガミーはナルシストであるという批評家もいますが?

ナルシストは自分自身を愛するわけではありません、そのまったく逆です。ギリシャ神話では、老いた哀れなナルキッソスは、プールの水面に写った自身の姿に釘付けになり、死ぬまで自身の姿を見つめ続けました。ナルシシズムは自身の肉体的な見た目と、周囲が自身に関して持つ印象に固執することです。精神分析論において、ナルシシズムには不安や共感、満足のいく関係性を得ることが難しいなどの特徴があります。

対して、自分自身との結婚は虚栄心によるものでもなければ、崇拝する対象を探すものでもありません。ソロガミーは自分自身の幸福に責任を持つことであり、結果として、より他者を理解しやすく、より感情的に受け入れやすくなります。自分自身の価値を認識する能力を高めることは、不安とは対照的なもので、人々とのつながりを持つ余裕をあなたに与えてくれます。

ソロガミーを通して、自己愛は恋愛(パートナーと二人で育む愛)と同じくらい大切だと言いたいのです。自己愛と恋愛は、どちらも私の人生を形作っています。あなた自身の方法で幸せになることを学ぶのは、大切な能力だと思います。あなたがカップルのうちの1人だとしても、あなたは自由に一人でいることを探求し、あなただけの仲間と楽しむことができます。

あなた自身と結婚するときに、あなたは幸せな関係の基準を打ち立てられます。それは不満なままの現状に妥協しないということを意味します。

孤独を感じる人たちへのアドバイスはありますか?

孤独であることと一人でいることとの違いは、興味深いものです。孤独は愛されていないと感じることに対する感情反応です。あなたは誰かと恋愛関係にあるときや、混雑した部屋の中にいるときでも孤独を感じることがあります。孤独に対処する最適な方法は、孤独を認識し、自分自身に思いやりを持って接してあげることだと思います。悲観的な独りごとはやめて、あなたは独りぼっちではないことを知ってください、人生のいくつかの場面で、人はみな「自分は愛されていない」と感じるものなのです。自分への慈しみを育てれば育てるほど、あなたは他者により共感できるようになります。つまり、人とつながりを持つための良い出発点になるということです。

あなたにとって自己愛とは?

私にとっての自己愛とは、チョコレートやグラスワインを片手にあたたかなお風呂に浸かること以上のものなのです。自己愛とは、あなたの身体と心に起きていることに注意を払うことなのです。そして自己愛とは、自分で変えられるものがあり、変えられないものからは学ぶことがあり、自分でコントロールできない範囲の人々を認めることなのです。自己愛は感謝することでもあり、「幸せに暮らしています」ということでもあると思います。自分が持つものの範囲で欲しがり、欲しいものをいつも持っているわけではないことを知るのは大切なことです。

ソロガミストとしての立ち位置を守るために、戦わなくてはならなかったという事実は、私をより自己愛の代表格たらしめてくれたし、この旅で私は多くの素晴らしい人たちと出会いました。自分自身と結婚したことを、私は決して後悔しないでしょう。そしてさらに小説の執筆という、私の夢の中でも最高峰のものを達成することができました。著書「Reader, I Married Me」は2019年に出版され、私の体験談にゆるく基づいています。様々なレベルでの自己愛を探求していける、素晴らしい機会が得られるので、ぜひ読んでみていただきたいです。

翻訳してくれた人

この投稿は、高橋葉月さんが原文に忠実に翻訳してくれた日本語を、私みくが自然な日本語となるように手を加えたものです。

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