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大いなるもの〜「ザ・グレート」シューベルト最後の交響曲をめぐる物語・しほり音楽のおと①

※このシリーズの写真はpixabayより「オーストリア・ザルツカンマーグート」の写真を使わせていただきました。


「しほり音楽のおと」始めます


シューベルト最後の交響曲「ザ・グレート」
シューベルトといえば歌曲が有名というのもあって、知らない方も多いかと思いますが、コロナ真っ最中、この曲が降ってきて、いろいろ考えさせられることがありました。
元々不思議な縁があって、世に出てきたこの曲が、どんな経緯でできたのか、シューベルトがなぜ若くして亡くなったのか、そして、この曲にシューベルトが託した希望。まさに「ザ・グレート=大いなるもの」の力が働いているかのようでした。

「しほり音楽のおと」この曲から始めたいと思います。


懐かしいホルンの響き


脳内BGM。かってに頭の中で鳴る音楽ってありますよね。
それはあのコロナでおうちに閉じ込もっていた時のことでした。
ふと頭の中で、ホルンの音が鳴ったのです。ああ、懐かしい。この旋律はなんだっけ?

そうだ!昔好きで聴いていた、シューベルト…「ザ・グレート」!

それまでは、世界中が重苦しいことになっているからか、モーツァルトの最後の曲「レクイエム」が鳴ってたりしていたのに、突然、ホルンのゆったりした平和な旋律が鳴ったのです。

「ザ・グレート=大いなるもの⁉︎」

シューベルトのハ長調の交響曲は2つあるので、その大きい方ということで出版する時、出版社がこの名前をつけたそうです。しかし、このコロナでの訳の分からない状況の中で、「大いなるもの」の存在を感じざるを得ない気がしました。

「未完成」の後に完成した最後の交響曲

シューベルトの交響曲といえば、「未完成」が有名ですよね。

子どもの頃から、ずっとシューベルトは未完成を作曲している時に亡くなったと、なぜか思い込んでました。

シューベルトが亡くなったのが31才だそうです。モーツァルトが35歳の死の床で書いた『レクイエム(死者ためのミサ曲)』を完成できなかったように途中で亡くなったので未完成と思っていたのです。モーツァルトのレクイエムは他の人が完成させて、今はその形で演奏されています。

「未完成」は、二楽章までですから、四楽章まで完成していたら、もっとグレートな交響曲になっていたかもしれません。

諸説あるようですが、シューベルトが行き詰まってしまって、未完のままハ長調の大交響曲に取り掛かり、こちらは完成。でも、未完成の方はそのままになり、死後かなりあとに発見されます。現在はそのまま二楽章までが演奏されています。


余談ですが、未完成の演奏時間が30分くらいなので、クラシックのLPレコードが片面30分くらいしか入らなかった時代、ベートーベンの「運命」とのカップリングがとても人気があったのですよ♪

「第九」のように長い曲は、途中でレコードひっくり返していましたから、CDができてコンサートのように通しで聴けた時は感動したものです(^^)


さて、未完成は未完成のままでしたが、次の交響曲「ザ・グレート」を完成したのが、シューベルトが29才の時でした。彼は16才から交響曲作っていたそうです。 

「ザ・グレート 」を聴いてみよう


そして、最後の交響曲となってしまった「ザ・グレート」ですが、演奏時間どれくらいグレートかというと、演奏の速さによりますが1時間くらいです。

しかし、この交響曲、演奏時間が長大だったり、当時の楽器演奏では難しいところがあり、生前に演奏してもらえることはなかったのです。

後にシューマンが発見し、メンデルスゾーンが初演したのが、10年後だそうです。

よかったら、聴いてみてくださいね。

「ザ・グレート」カラヤン・ベルリンフィルの演奏で、53分ほど。

ザ・グレートと呼ばれるに相応しく、堂々としたスケール感!
独特のリズムやシンプルなメロディ、繰り返しも多いのですが、それも心地よい楽しさで、時間もそんなに長く感じないです。ハ長調の響きも自然で耳にすっと入ってくる感じがします。

温かみもあってシューベルトさんて良い人だったんだろうな〜なんて思ってしまいます♡

一曲聴いていただくのがいいのですが、ぜひ一楽章の始めの方と、四楽章(35:15〜)は聴いてみてください。


数十年ぶりに聴いていったら、これこれ〜(*'▽'*)って思って笑えてしまったのが、四楽章の冒頭のファンファーレでした!

何かが始まった!そんなファンファーレ♪

まだ世の中は、前述のモーツァルトレクイエムみたいな世界でしたが、

いやいや、明るい未来に向かって、なにか大きなグレートなことが、実は起き始めてるのではと思えてきてしまいました。

今問題に見えていることも、実は「大いなるもの」の働きで、思わぬ方向に行くことになるのかもしれない…


それにしても、ベルリンフィルの金管のカッコいいことよ♡
私はカラヤン・ベルリンフィルの音が好きなのですが、この演奏推しなのは、一つの理由があるのです。それもおいおい。

ベームや朝比奈隆の指揮のもいいですよね。今や聴き比べもし放題ですから、好きな演奏探してみてくださいね。

実はシューベルトさんのこと、あまり知らなかったので、調べてみたのですが、そこで彼の病気のことを知ります。その話が現在の状況とも重なって考えさせられました。そんなお話に続きます。






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