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2020年ブックレビュー ジェーン・スー、中野信子著『女に生まれてモヤってる!』

定期的にフェミニズム系の本を読んでいる。そして、その本が役立ったとか、納得したとか、社内の女性たちとよく話題にする。
でも、それは少なからず社内の男性陣にとっては面白くないらしい。

先日も上司が、「もう、そういう系の本を読まなくていいんじゃない?」とのたまって、周囲の女性たちから冷やかな視線を浴びていた。
いえいえ、私たち女性は継続的に学んで進化し、今とは違うステージへ行っちゃうんもん。

コラムニストで作詞家のジェーン・スーさんと脳科学者の中野信子さんの対談集「女に生まれてモヤってる!」は、おふたりが「プレイしてきた人生ゲームのバグ報告書」でもあるという。多くの女性が何となく感じていたことを言語化し、明確にしてくれている。もっと若い頃に読んで目覚めていれば、嫌な思いをしなくて済んだのに。…というか、女性としての自分をもっとアップデートしたかった。

私自身は離婚経験があり、若く美しい2人の男がいる(って息子だけど)身で、もう男性と恋愛したいと思う気持ちがほぼなくなってしまった。というか、男から搾取される人生は、もうウンザリだと考えている。そのせいか、恋愛に悩む年下の女性にはいつも、こうアドバイスする。

「男に頼らない生き方はもう当たり前。なんなら精子バンクから精子をもらって産んで、シングルマザーで育てたって、世間から後ろ指さされない時代がきてるのよ」

この本を読むと、そういった感覚もあってもいいと心底思うのだ。

これまでの社会通念では、「ちゃんと気遣いできて、誰かをサポートする能力に長けている」女性が「女らしい」と見られていた。また、「若くて美しいのがイチバン」という価値観は、男性だけでなく女性の心の中にも大きな比重を占める。

「いや、待てよ」と踏みとどまりたい。
スーさんも中野さんも、「若さや美しさは長期的には使えない価値。目減りしていく、蓄積されにくい資産に自分の存在意義や価値は見い出せない。別の価値を育てたほうが、長期的に得は大きい」と語る。

私たちが若さや美しさにとらわれがちなのは、「女には賞味期限がある」という根強い社会通念に縛られているからだ。そういう考えを、小さい頃から刷り込まれる人は多い。例えば、「〇〇したら、お嫁に行けないよ」などの言葉で。

それもこれも、「女性は、お嫁に行って子どもを産んでこそ幸せ」という既成概念が根を張っているためだろう。しかも、「妻として夫を支える」というスタイルの結婚だ。スーさんも中野さんも、「男に寄生する生き方はリスキーだ」と言葉に力を込める。離別や死別で宿主がいなくなると、次をみつけなくてはならない。

現代社会は、よくよく考えて歩まないと「罠」やバグがたくさん待ち受けている。スーさんが分かりやすい例を上げている。
「女らしさを手に入れて自信を持とう」というのは、女性が陥りやすい罠の一つだ。自信を持って行動する女は「女らしくない」と、社会ではみなされるからだ。そういった矛盾に気付いて、自分らしく生きていく道を選択していかなければ損だ。

女性の結婚や出産、子育てのスタイルだって、どんどん変化していくだろう。スーさんも中野さんも、「社会システムが変わっていき、テクノロジーが進化して、女性の脆弱性をサポートしてくれるようになったら性差はなくなっていく」と予想する。「医学が発達したことで、生殖の形態が変わり、出産をアウトソーシングする選択が珍しくなくなるだろう」と話す中野さんの言葉に、私は希望をもらう。出産や子育ては、今の社会システムではどう考えても、女性にとってキャリアの足かせになってしまうからだ。

私たちが生きていく上で必要なのは、「リカバリーする力」という。どんな選択をしたとしても、「成功だった」と言えるようにするー。これまでの常識を疑い、自分の頭で何度も考えて、最も最適な方法で目指したい場所、道を選択をしてみる。

女性がさらに、自由にならんことを。



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編集者・ライター。広島を拠点に、映画や演劇などの芸能、医療関係を主に取材、執筆しています。何より、本と映画、演劇が大好きです。最近は環境問題にも興味があります。

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小さい頃から本ばかり読んでいました。物語の世界に逃げ込み、遊ぶのが大人になった今でも好きでたまりません。1年間に読んだ本について、書きためていこうと思います。(1冊読んだらご褒美にチョコレートを買ってもいい、という子どものようなマイルールを作っています♡)

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