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#ブックレビュー

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小さい頃から本ばかり読んでいました。物語の世界に逃げ込み、遊ぶのが大人になった今でも好きでたまりません。コロナ禍の最近は特に、「物語」の力について考えるようになりました。「物語」…
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#推薦図書

林真理子著『ビューティーキャンプ』(2016年)

忙しさのあまり、noteが開けない、書けない。 オーディブルで朗読を聞いたり、短い戯曲は読ん…

お蝶さん
3年前
24

2021年ブックレビュー『ザリガニの鳴くところ』(ディーリア・オーエンズ著)

この本が書店で平積みになっていて、「全米で500万部突破」というポップ広告にめちゃくちゃそ…

お蝶さん
3年前
25

2021年ブックレビュー『だって、女子だもん』(雨宮まみ対談集)

AVライターで、作家の雨宮まみさん(故人)が書いた「女子をこじらせて」は、「女子」の生きづ…

お蝶さん
3年前
19

2021年ブックレビュー『星の子』(今村夏子著)

芥川賞受賞作の「むらさきのスカートの女」を読んで以来、今村夏子さんのファンになった。読み…

お蝶さん
3年前
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2021年ブックレビュー『トロイ戦争は起こらない』(ジャン・ジロドゥ著)

戯曲を学ぶようになって、ハヤカワ演劇文庫を少しずつ読んでいる。リアルで見られなかったとし…

お蝶さん
3年前
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2021年ブックレビュー『おらおらでひとりいぐも』(若竹千佐子著)

田中裕子さん主演の映画『おらおらでひとりいぐも』(沖田修一監督)を観て、原作はどのように…

お蝶さん
3年前
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2021年ブックレビュー『安寿子の靴』(唐十郎著)

劇作家・演出家の唐十郎さんを特集した番組を観たとき、あるNHKの単発ドラマを思い出した。唐さんの脚本で、長男の大鶴義丹さんが主演した「安寿子の靴」(1984年)という作品だった。中島みゆきの主題歌まで、なんとなく覚えている。 このドラマがなぜ、いつまでも記憶に引っ掛かっているのかよく分からない。検索してみると、ドラマの基となった短編が出版されていた。 ある春の日、中学生の十子雄は京都の鴨川で9歳の少女と出会う。名前も言わず、しつこくつきまとう少女を十子雄は持て余す。十子雄

2021年ブックレビュー『ののはな通信』(三浦しをん著)

三浦しをんさんは、好きなエンターテインメント小説家の1人だ。箱根駅伝を題材にした「風が強…

お蝶さん
3年前
22

2021年ブックレビュー『破局』(遠野遥著)

第163回芥川賞を受賞した遠野遥さんの「破局」。29歳青年(しかも、カッコいい!)の作品を楽…

お蝶さん
3年前
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2021年ブックレビュー『セールスマンの死』(アーサー・ミラー著)

ピューリッツァー賞を受賞した米国現代演劇の名作、アーサー・ミラーの戯曲「セールスマンの死…

お蝶さん
3年前
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2021年ブックレビュー『同調圧力 日本社会はなぜ息苦しいのか』(鴻上尚史・佐藤直樹著…

新型コロナウイルスの感染拡大で、この国の同調圧力や相互監視が強まった気がしているのは、私…

お蝶さん
3年前
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2021年ブックレビュー 『彼女は頭がわるいから』(姫野カオルコ著)

こんなにも胸がざわついた読書体験は初めてだ。なんだなんだ、これは。読んで数日後も、うまく…

お蝶さん
3年前
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2020年ブックレビュー 『女帝 小池百合子』(石井妙子著)

怖い。ひたすら怖い。このノンフィクションによると、小池百合子という政治家は異常に強い上昇…

お蝶さん
3年前
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2020年ブックレビュー『そして、バトンは渡された』(瀬尾まいこ著)

「本屋大賞2019」を受賞した瀬尾まいこさんの『そして、バトンは渡された』は、血縁のない親子の物語。主人公の高校2年生・森宮優子は人生17年の間に、姓が4度も変わる。ともに暮らす相手の組み合わせでいうと、7回も。 ところが、優子は「全然不幸じゃない」のだ。 優子は幼くして母を亡くし、実の父と再婚相手の梨花と暮らし始める。しかし、父は転勤でブラジルに住むことになり、優子は離婚した梨花と日本に残る。そこから、梨花の再婚相手である田中さん、泉ケ原さんとの親子関係を経て、物語では