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「困った子」は「困っている子」

こんにちは。
今回は、保育現場や教育現場でよく耳にする
「困った子」について考えてみたいと思います。

皆さんの周りにも、次のような特徴を持つお子さんがいませんか?

・じっとしていられない
・おしゃべりが止まらない
・急にパニックになってしまう
・スケジュールが変わると戸惑ってしまう
・大きな音に敏感で、すぐに驚いてしまう
・決まった服以外は着たがらない
・特定のおもちゃにこだわり続ける
・ちょっとしたことで手や足が出てしまう
・頭を壁や床にぶつけてしまう

こうした行動は、多くの保育者や教師にとって
「困った行動」として映るかもしれません。
しかし、これらの行動の背景には何があるのでしょうか。
そして、実際に一番困っているのは誰なのでしょうか。



「困った子」ではなく「困っている子」

私たちがまず理解しなければならないのは、子どもたちが意図的に誰かを困らせようとしているわけではないということです。
特定の行動が大人たちにとって「困った行動」として映る場合、その行動をとっている子ども自身が何かに「困っている」可能性が高いのです。

例えば、じっとしていられない子どもは、落ち着けない環境や自身の内なる衝動に困っているのかもしれません。
おしゃべりが止まらない子どもは、周囲の状況に不安を感じ、それを言葉で表現することで心を落ち着けようとしているのかもしれません。
突然パニックになってしまう子どもは、環境の変化や予測不能な出来事に対する不安や恐怖が、彼らの行動として表れているのかもしれません。

このように、私たちが「困った」と感じる行動の背後には、子どもたちが感じている「困難」が隠されています。
だからこそ、私たちはその子どもたちが何に困っているのか、なぜそのような行動をとるのかを理解しようと努めることが重要です。



特性の理解と支援の重要性

現代の教育や保育の現場では、発達障害やその他の特性を持つ子どもたちが増えてきています。
これらの子どもたちは、一般的な子どもたちとは異なる感覚や認知の仕方を持っていることが多いです。
例えば、感覚過敏や感覚鈍麻、社会的な相互作用の困難さ、計画性や順応性の欠如などが挙げられます。

こうした特性を持つ子どもたちは、しばしば周囲の大人たちから「困った子」と見なされがちです。
でも、もう一歩踏み込んで考えてみましょう。
もしかしたら、その子どもたちは「困った子」ではなく、「困っている子」なのではないでしょうか。
これらの行動は、その子どもたちが持つ特性の表れであり、彼らが「困っている」というサインなのかもしれません。
そのため、私たちは子どもたちの特性を理解し、
彼らがどのような状況で困っているのかを見極め、適切な支援を提供することが求められます。

否定的な自己イメージの形成につながる
「できない子」というレッテル貼り


レッテル貼りの危険性

しかし、残念ながら多くの場合、こうした特性を持つ子どもたちは、周囲から「困った子」「わがまま」「できない子」といったレッテルを貼られてしまうことがあります。
これは非常に危険なことです。
なぜなら、こうしたレッテルは子どもたち自身の自己認識に影響を与え、「自分はダメなんだ」といった否定的な自己イメージを形成してしまう可能性があるからです。

このような否定的な自己認識は、子どもたちのやる気を削ぎ、学習意欲や社会参加への意欲を低下させる要因となります。そして、最悪の場合、不登校や引きこもりといった二次的な問題を引き起こす原因にもなりかねません。

したがって、私たちは子どもたちに対して「困った子」というレッテルを貼るのではなく、彼らが「何に困っているのか」を理解し、その困難を乗り越えるための支援を提供することが重要です。



保育・教育現場での取り組み

さて、具体的にどうやって「困った子」に対して
適切な支援をしていけばいいのでしょうか?

まず、その子が何に困っているのかを理解するために、観察を重ねることが重要です。
そうすることで、その子の特性や困難を理解する手がかりが見つかるかもしれません。

次に、その子に合った対応を考えましょう。
例えば、感覚過敏がある子どもに対しては、音や光の刺激を減らす環境を整えることや、
スケジュールの変化に戸惑う子どもには、事前に変化について説明してあげることが有効です。
大事なのは、その子が安心して過ごせる環境を作ることです。

また、子どもたちが「できること」に注目して、
それを伸ばしていくこと
も大切です。
特に、発達障害を持つ子どもたちは、一見すると「できないこと」が目立つかもしれませんが、
逆に「得意なこと」や「好きなこと」に対しては、
素晴らしい集中力や才能を発揮することがあります。
そうした「強み」を見つけてあげて、それを伸ばしていくことで、子どもたちの自信を育てることができるんです。

そして、保護者や他のスタッフと協力することも忘れずにしましょう。
子どもたちの成長を支えるには、周囲の大人たちが一丸となって支援することが大切です。
保護者や同僚とコミュニケーションを取りながら、一緒に子どもたちのために何ができるかを考えていくことが、より良い結果を生むことにつながるでしょう。

周囲の大人たちが一丸となって支援する姿勢


共に考え、共に歩む

最後に、私たち大人は子どもたちと共に考え、
共に歩む姿勢を忘れてはいけません。
「困った子」だなぁと感じる瞬間があったとき、
少し立ち止まって考えてみてください。
もしかすると、その子は「困った子」ではなく、
「困っている子」かもしれません。

子どもたちが何に困っているのかを理解し、
その困難を乗り越えるためのサポートを提供することが私たち大人の役割です。
そして、その過程で子どもたちが成長し、自己肯定感を高め、自分に自信を持てるようになることが何よりも大切だと思っております。

子どもたち一人ひとりが持つ可能性を信じ、
私たちができることを少しずつでも実践していくことで、彼らの未来をより明るいものにしていけると信じています。




ここまで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございます。‎^‬ ‪^‬
この文章が、皆さんが子どもたちと接する際に少しでもお役に立てれば幸いです。‎- ̗̀‎𖤐


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