甲状腺乳頭癌の話19 入院してから知ったこと
私は、甲状腺切除手術のために入院しました。
初日には、採血と、声帯の確認のため耳鼻科検査がありましたが、最初の3日間、他には特別な検査はありませんでした。
穏やかに病院に慣れてもらうための時間だったそうです。
手術を受けることのリスク等は、1ヶ月前の説明会で聞いていました。
合併症として、出血、声帯麻痺、リンパ漏、甲状腺ホルモン不足、その他予期せぬもの…。
甲状腺ホルモン不足以外は、可能性としては低く、起こっても入院中に対応できる等。
気をつけることとして、入院までは、服用している薬と常備薬は申告して許可を得たもののみ、サプリメント及び健康食品は一切中止。
そして、歯科治療を事前に受けてくれ、という話でした。
術後は喉を伸ばす姿勢を避けるため、しばらくは歯医者と美容院には行けないことを、経験者の闘病記から知っていました。
ですが、入院初日に、歯科治療については違う事情であったことを知ったのです。
それは全身麻酔の際の気管挿管に関係することだったのです。
気管挿管とは口(あるいは鼻)から気管の中に、直径1cm程度のチューブを通して酸素や麻酔ガスの通り道を開いておく方法で、喉の奥を見る器具(喉頭鏡)を使って通すものとのこと。
その喉頭鏡は鎌のような形状で、下あごを押さえるように入れるため、口の開きが足りない場合は、歯が損傷するリスクがあり、
特に虫歯、ぐらぐらする歯、差し歯がある場合に起こりやすいそうです。
口の開きは指が縦3本以上入ればいいそうですが、私の場合はギリギリで、しかも下の前歯には差し歯あります。
想定外の心配事ができてしまったのです。
それよりも、私は50年以上、
全身麻酔とは、胃カメラの際の意識を失う麻酔のことだと勘違いしており、自分が全身麻酔を受けるのは今回が初めてなのだということを………
初めて知ったのでした。
私は、気管挿管による差し歯損傷のリスクと己の無知に、恐怖したのでした。
→ 続く
お読みいただき、ありがとうございました。
追記:見出し画像は、「みんなのフォトギャラリー」から選択し、
soeji さんからお借りしました。ありがとうございます!
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