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【良い小説良い哲学】~「良い小説」と「いい話」を峻別しよう党

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いい話が世の中溢れています。それはとても良いことだと思います。でもいい話と良い小説は違うのです。いい話は勧善懲悪の水戸黄門です。小説とは美を表現するもの。きれいな小説でもない。じ…
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#note

弱いから強くなれると教えてくれた。

強いと弱い。 強くなくていいよと誰かに言って欲しくて ずっと生きてきたようなところがあった…

平和という言葉が、ここにあるということ。

平和とは。 平和とはからはじまる思いを述べよとゼミの 課題が出ていた。 栞は、マグカップ…

銀河はラズベリーの香りがする。

銀河売りがこんなに流行する前。 宇宙飛行士として地球をみてきた ひとりの学者と栞はつきあっ…

藤原定家の非凡さ

「小倉百人一首」の選者で、「新古今和歌集」の編纂でも主要な役割を果たした藤原定家。 「雅…

迷ったら、観覧車に乗って。

あらすじ  水を張ったボウルの中でブリのえらをゆすぐ爽の長い指が、時々もてあましてるよう…

救われましたなどと2度と言わない。

街クジラがこの街にやってきたのは 栞が生まれる前だったらしい。 街クジラはひとりぼっちで…

夏も涙もそっとおやすみ。

海砂糖を栞はからだの中に飼っている。 いつ頃からなのかわからないけれど。 あれはあの時かもしれない。 あの日、本を読んでいた。 真剣じゃなくぼんやりと。 小説の舞台とおなじ街に暮らしたことはないのに、 そこに登場するおばあさんやおじいさんは まるで、栞のよく知っていたおばあちゃんや おじいちゃんだった。 贈り物の包み紙の扱い方や、道具を大切に 磨いている時の祖父母のなにげない仕種が 瞬間に引き出されてきた。 あぁこんなところで彼らはいきいきと生きて いたのかと見まが

パラレルワードと現実世界。その交差点としての note.world。

この旅において 幾人かのnoterさんと出会った。 この旅において 出会わなかった(出会えなかっ…

あたらしい父に会っている気がする。

父と1年ぶりに会った。 父が趣味ではじめたことに お祝いすることがあったので 上京してき…

永遠のにぶんのいち、あげる。

栞はその時、読んでいた本の言葉を 思い出していた。 「ひとが、存在していることの根っこに…

哀しい氷がとけてゆくように。

凍った星をグラスに浮かべた。 すっごく不安定な形の細すぎる脚を 持った建築物が入り江に建…

いま、なにがみえてる?

わたしは算数ができなかった。 父曰く、引き算という概念が ぼんちゃんには、なかったねって…

noteとTwitterのイロハ?3要素比較

 3つの要素。例えば仕事の場合に、要点を3つに整理して報告することが多いのではないでしょ…

安心するのは、百万年早かった。

愛していた黒猫ノワールが死んでから 喪服をきて過ごしていた栞は、 黒いものにまみれてしまいたかった。 時々、栞の心はどす黒く染まる。 みんなに可愛い黒猫ちゃんと 言われるたびに心が痛んだ。 なぜなら、ノワールははじめから ノワールだったわけじゃない。 純白だった。 最初はシロだったのに闇をまとった みたいに黒くなっていった。 世の中がシロなのかクロなのかと 言い合うのを聞いていた白猫は 次第に染まっていった。 不本意に黒く染まる猫をみている たび