「性と人権」について思うこと (ただの女性会社員が社会問題について考えてみた:2020年8月10日)

さて、先週は"「女性差別」について思うこと"というタイトルでエッセイを書かせて頂きましたが、今週は「性と人権」についてエッセイを書かせて頂こうと思います。「性」について話すのも書くのもちょっと勇気がいるのですが、これは前から私が問題意識を持っていたことでもあります。なぜ問題意識を持ったのか、それは日本そして世界を取り巻く「性」関連のニュースで、「これは人権侵害じゃない?」と思うことが非常に多いからです。例を挙げます。

お笑い芸人の岡村隆史さんが自身が出演するラジオで、経済や雇用の状況が悪化した結果、性風俗店で働かざるを得なくなる女性が出ると予想し、「コロナが収束したら絶対おもしろいことある」と発言しました。詳しくは、以下の記事をご確認下さい。

岡村隆史さん、生活苦の「可愛い子が性風俗に」ラジオでの発言に批判殺到【新型コロナ】
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5ea51431c5b6805f9ece4f6d?ncid=other_huffpostre_pqylmel2bk8&utm_campaign=related_articles

私は別に岡村隆史さんのことが嫌いでは無いし、リスナーがコロナのせいで「今後しばらくは風俗に行けない」と悩み相談したことに対して、なんとか笑いに変えようとしたのはわかります。ただ、そもそも「社会の中で女性が困窮に苦しみ身体、性を販売しなければならない異常な社会構造があること」自体がおかしいと思うんですよね。「性」ってそもそも売り買いすべきもの?「性」を売り買いしなくても生きていけるような社会保障があってもいいんじゃないですか?

また、この件に関して激怒してくれた男性もいました。生活困窮者支援ソーシャルワーカーの藤田孝典さんという方です。藤田さんの以下の記事はこの問題を丁寧に解説して下さっていますので、以下にご紹介致します。

岡村隆史氏のラジオ番組内の謝罪「変わらなければならない」について
https://news.yahoo.co.jp/byline/fujitatakanori/20200501-00176281/

「いやいや、性風俗店も需要と供給があるから成り立っている仕事だから問題ないよ」という人もいるかもしれませんが、麻薬の売買もある意味需要と供給がある仕事ですよね。でも麻薬は人々の生活を破壊し、犯罪に利用される可能性が高いから厳しく取り締まられていますよね。「性」の売買も人々の生活を破壊し、犯罪に利用される可能性が高いと思いませんか?

「性」の売買が犯罪に利用される例を挙げると、最近韓国では性搾取物を共有するTelegram(テレグラム)のグループチャットである「n番部屋」を作った犯人達が逮捕されましたね。この事件の詳細は、以下の記事をご確認下さい。

https://news.yahoo.co.jp/articles/ededada740ea6b3089d2bb26ee57b5f378a62b1e

「n番部屋」は本当に酷い事件だと思いますが、これは氷山の一角で日本のAVでも同じような状況の女性はたくさんいるんじゃないかと思います。少し前、元有名アイドルグループの女の子がAVデビューして話題になったことがありましたが、そもそもアイドルになりたかった女の子がAVに出たいと思うでしょうか?「n番部屋」の被害者の女性達ように、「騙されて」もしくは「脅されて」AVに出演している女性もたくさんいるのかもしれませんよ。それって、社会問題じゃないですか?「可哀想だけどヌケルからいい」とか言わないで下さいね。それがあなたの姉、あなたの妹、あなたの娘、あなたの彼女が被害にあってもヌケますか?黙っていられますか?

この深刻な社会問題に対する対策として、私は性風俗店やAV等の性サービス事業者は、必ず国や自治体等に対して「脅迫」や「詐欺」等を行わないことを同意し、「性サービス事業を行う為の許可書」をもらわなければ営業ができないようにすべきだと思います。もちろん本当に性風俗店やAV等の性サービスの仕事に就きたい方は止めませんが、現状では「騙されて」もしくは「脅されて」、もしくは「貧困」によって、苦しみながら性サービスの仕事をしている人々もいるかもしれません。それって人権侵害じゃないですか?国や自治体が何とかすべきことじゃないですか?

そして、性サービス事業で人権侵害が起こらないように国や自治体が取り締まることによって、日本の少子化も改善される可能性があります。最近、Netflixで特集された性犯罪被害者のアメリカ人女性デイジー・コールマンさんが23歳で自殺をしました。詳しくは、以下の記事をご確認下さい。

Netflixで特集された性犯罪被害者の女性が23歳で自殺、アクティビストとして活動していた
https://front-row.jp/_ct/17382552

アメリカで性暴力撲滅のために活動する非営利団体RAINNによると、レイプ被害者の女性のうち94%が、その後2週間でPTSDを経験し、33%の女性が自殺を考え、13%が実際に自殺を試みるそうです。性犯罪被害後のPTSDで恋愛や結婚に対して前向きになれなくなったり、仕事に集中できなくなったり、自殺を試みたりする女性がいるのですから、性犯罪や性的な人権侵害を放置することは、日本の少子化に拍車をかけていると思いますし、国力を弱めているとも思います。

ということで、性風俗店やAV等の性サービス事業者は、必ず国や自治体等に対して「脅迫」や「詐欺」等を行わないことを同意し、「性サービス事業を行う為の許可書」をもらうような仕組みが必要だと私は思います。というか、本人の同意なく性的な画像や映像を撮影や保管すること自体を重罪にして欲しいですよね。もしかしたら行為を撮影されるかも、とか思うと男性とベッドインすること自体が恐くなりますし。また、「性」を売り買いしなくても生きていけるような社会保障をもっと充実させるべきだと思います。性犯罪に苦しむ男女を減らす為にも、いつか誰かがこういった仕組みを作ってくれないかなという思いを抱きつつ、これで今回の「性と人権」に関するエッセイを終わりにしたいと思います。

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