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昭和のアイドルは、もっと勝手だった

昭和のアイドルは、もっと勝手だったよね。
ファンの機嫌は取らなかった。

アイドルは夜に輝く街灯のようで、ファンたちはその灯りに引き寄せられる蛾のような存在だったと思う。(昭和にLEDなし)

昭和のファンも、もっと勝手だったよ。
自分たちの力でこの人を押し上げる、みたいな感覚はサラサラなかった。
蛾の力でさらに街灯が輝く、なんて発想は全くなかったのだ。

ファンに名前なんかなかったし、もっとシンプルに、
好きだからレコードを買う、コンサートに行く、以上。
といったものだったように思う。

好きな有名人のことを、推しと呼ぶようになってから、
いろいろ変わってきたのね。
私たちの行動が直接、知名度に影響するようになったものね。

チェッカーズをもっと世に広めようとか、思ったことなかったな。
ライブ(コンサート、な)にも何度も行ったけど、
「サイコーだぜ、ヨコハマー!!」とは言われても、
今のボーイズグループみたいに、
「〇〇〇 (ファンネーム)のおかげです、一緒に未来に行きましょう!」
なんてステキな言葉、聞いたことない。

今は、他人であるアイドルの過去や日常がカンタンに分かってしまう。
調べていなくても、ご親切に次々紹介してくれて、さらなる魅力を発見!
することもあれば、知りたくなかった、と思うこともしばしば。

あんまり種明かしが続くと、魔法がとけることがある。
ファンの人たちがケンカしていたりするコメントなどを読むと、
怖くてしょんぼりしてしまうこともある。
今のアイドルの人は大変だなあ。
また、ファンの人も苦しそう。

自分の心を守るために、たくさんの推しを持つ、というのも一つの道だ。
ほら、ペットロスを軽減するためには多頭飼いだっていうじゃない。
ひとつのアイドルグループからほころびがでたとしても、他に逃げられる。

ヤクルトも、ジャイアンツも、阪神も、中日も、広島も、横浜も推してれば、どこが優勝しても、毎年ハッピーよ。

せっかく大好きな推しを見つけたなら、100%楽しくいたい。
心が苦しくなることは1ミリもしたくないの。
もう二度と不祥事や揉め事で傷つきたくない。(昭和の思い出)

だから私は、がんばってウソだけを見る。
魔法がいつまでもとけないように。
私と同じように、情報に不安になる同輩の皆様、
リアルな過去や事務所の事情には耳をふさごう。
「作られた完璧な推し」しか見ないことにしませんか。
あれこれ心配せずに、物語の登場人物を見るように。
ファンの人たちもいい人ばかり、でしょ?
みんな仲良し、なはずよ?
おばさんにも優しいに決まってる!

そう、あのころのように勝手に、自由に、楽しむのだ!
一緒に未来に行こうと言われて、はい、そういたします、
と表面上思うだけ。
私の心は頑丈な箱に入っていて、傷つくことはない。
大丈夫、全部、ウソなんだから。
そう言い聞かせて、心を守る。

ね、お互い利用して、経済を回そう!!







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