大学入学者選抜改革

2020年~センター試験であたらしく評価される「思考力」と「主体性」

今日も、un-controlの次の記事の取材にいってきました。

取材の最中にちょうど大学入試のはなしになったのですが、彼から、

「2020年から今の大学入試のセンター試験なくなるんですよ!」

という話を聞き、びっくり。

そういえば以前に「センター試験変わるらしい」という噂を聞いたものの、教育業界にいながら不勉強で恥ずかしながら詳しい改革内容を知らず…(;´・ω・)

とはいえ、「自由な教育とは」ということを考えるときに、どうしても義務教育が大きな影響を受ける大学入試のことを知っておくのは必須。

ということで、本当に今更ながら、少しまとめてみました。

【目次】
1.改革の大枠
2.実際どんな問題がでるの?
3.実際に解いてみた人の反応

4.「思考力・判断力・表現力」「主体性」は判断できるの?

1.改革の大枠

平成29年7月に文科省が発表した「大学入学者選抜改革について」という資料によると、  これまでの大学センター入試で主に判断されていた、知識・技能だけでなく、これからの時代で生きていくうえで必要になってくる

「思考力・判断力・表現力」「主体性」を評価するポイントを導入する!

という方針が根本にあるようです。

では、それをどうやって評価に取り入れていくのかというと、おおまかにわけて以下の3つ。

①択一式問題だけでなく、記述式問題を取り入れる
②英語「読む」「聞く」のみの評価だったのが「話す」「書く」も評価対象に
③各学校の選抜試験におけるAO・推薦入試では、小論文、プレゼンテーションなどを取り入れて、「思考力・表現力」などを判断できるようにする

2.実際どんな問題がでるの?

特に思考力が試されそうなのは、①択一式問題だけでなく、記述式問題を取り入れるの部分。

というわけで、平成29年5月16日公表された  大学入学共通テストの記述式問題のモデル問題を見てみました!

ぱっと見ると、評価されるのは、

①資料の概要把握力
②要約力
③(一定条件の下での)文章表現力

といったところのように見えます。

3.実際に解いてみた人の反応

実際に400名がこのモニター問題を実際に解いた反応も丁寧にまとまっていたので、載せてみる。「感想」みたいないわゆる質的な回答はのっていなかったので、基本は「難しかったかどうか」のようなものを数値で回答したものになっています。

興味深いなと思ったのは、以下の項目です。

①受験者の自己採点と採点者による採点結果との一致率は、国語では平均で68.9%(55.9~84.8%)

②あなたが受けたセンター試験の内容と(5=似ていると感じた1=異なると感じた)【似ている5】←1.5%  10.1%  17.8%  24.4%  46.1% 【似ていない1】

特に②を見ると、多くの人が「今までとは似ていない」と思ったということなので、「変化している」という部分は確実に感じられるものになっているのかなと思いました。

4.本当に「思考力・判断力・表現力」「主体性」は判断できるのか

すごくざっくりの感想ですが、以下のようなことを感じました。

・当たり前だが、「正解」が決まっていないと「評価」はできないので、正解があるうえで「思考力、判断力、表現力」が評価されることになる。(特にモニター問題の4番は、賛成派だった場合どのような主張をするかを、「●●」という観点から述べなさい、のようにかなり詳しく決まっていた)

・とはいえ、仮に自分がどんな意見だったかにかかわらず言語化して伝える能力は必要になってくるので、一定程度新しい能力がはかられているのではないか(=いわゆる表現力の部分)

・「主体性」はどこで判断されるのか、資料の読み込みが甘いからなのか判断できなかった

・これからの社会で生き抜いていくうえで必要になってくる「主体性や正解がないなかで自分のスタンスを決める力、それを表現する力」をどのように評価していくのか(評価することが大切というよりは評価されるから伸ばそう、という方向にもっていくのか)=正解がない問題に対面するときの選抜はどのような仕組みになっていくのか気になる(コンサルの面接とか近いものがあるのでは?なんかいい本あるのかな?)

ざっくりですが、また追記しながら勉強していければと思います。




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