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058 | そのクラファン大丈夫ですか?

福岡で商業デザインを本業としながら、Webマガジン『ミッケ!フクオカ』の編集長でもあるおしけんです。note投稿58回目。今回は『その活動大丈夫ですか?』です。

新型コロナウイルスの影響は特定の業種にとどまらず、みんながみんな厳しい状況になっている。特に経済的に様々な活動が制限され、飲食店やエンタメ業界など、本当に資金的に大変だ。

そんな中で、ここ最近各所で頻繁に実施されてるのが『クラウドファンディング』。ここ数年で普及してきたもので、今回のコロナの影響で一気にあちこちでプロジェクトが立ち上がっている。

個人的にもクラファンに関しては相談されることもあるけど、どちらかと言うと〝今の時期は慎重派〟なほうだ。理由は様々あるけど、大きく2つの理由がある。

■今の状況だと信用を切り崩す場合がある

今のような〝幅広く経済的に厳しい時〟だと、たとえプロジェクトに大義名分があったとしても、周りが追いついていかないケースがある。それこそ本来は応援したいのに経済的に厳しい場合、支援者を悩ませることになる。

普段から応援してくれる人たちとの信頼関係がきちんと築けているところはプロジェクトも成功するだろうし、これを期にさらに良好な関係が出来ていくだろう。ただそうでない場合、プロジェクトを立ち上げること自体で不信感を持たれるケースがある。特に資金の用途が曖昧な表記だったり、資金調達色が強くてリターンと支援金のバランスに欠いていたりする場合。あくまで〝プロジェクトを成功させるためのクラウドファンディング〟が大前提であって、〝活動資金を得るためのクラウドファンディング〟が透けて見えると、大きく信用を損なうことになる。こうなると、資金は集まらず信用は失うという、関わってる人たちにはデメリットしかない。

■クラウドファンディングのお金も税金がかかる

プロジェクトを立ち上げて実施した人は当然知ってるだろうけど、これからやろうとする人には、知らない人も多いのでは?クラウドファンディングで集めたお金には、税金がかかることがあるので注意が必要。

投資型のクラウドファンディングについては税金がかからない(その資金を運用して利益が生じた場合には、利益分に税金がかかる)けど、購入型クラウドファンディング(リターンとして商品やサービスを提供)の場合は、税務上は通常の売買と同じ取り扱いになり税金がかかる。

実施者が個人の場合は「事業所得」または「雑所得」として所得税の課税対象に、実施者が法人の場合は法人の収益となり法人税の課税対象になる。実施する前に、ぜひ詳しく調べて欲しい。当然だけど「知りませんでした」は通用しないので。


色々な話をする中で、よく安易に「クラファンで資金集めて〜」みたいな話を聞くことがある。もちろん有用な手段であることではあるけど、よくよく状況や環境を踏まえて導入を考えた方がいい。

一番は「資金が集まるか」ではなく、「プロジェクトが成功したらどれだけの人が喜んでくれるか」だ。