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070 | 組織から個の集団へ

福岡で商業デザインを本業としながら、Webマガジン『ミッケ!フクオカ』の編集長でもあるおしけんです。note投稿70回目。今回は『組織から個の集団へ』です。

今年に入って、色々なものが加速度的に変化しているように思える。前からその兆候はあったものの、新型コロナウィルスの影響によるリモートワークや、社会的な働き方の再構築によって、よりその色が強くなった。

自分は見てないけど、今日ジャニーズ所属だった手越さんが退所の会見をYouTubeで配信。それはもうすごい人数の視聴者数だったみたい。退所直後に公式Twitterを開設して数日でフォロワー100万人を超え、独自での発信力は早々に手にしてしまっている。

これまでの常識や慣習で言うと『事務所に所属し、そこを通して仕事をもらって有名になる』ストーリーが大きく変化してきている。コロナの影響で続々と有名人がYouTubeチャンネルを開設し、それぞれが発信する時代に。もちろん事務所管轄のチャンネルもあるだろうけど、今後はどうなるか。

当然、事務所に所属していると、マネージャーをはじめ様々な面で恩恵はとても大きい。レッスンや相談事、何よりタレントを守ってくれる様々な側面がある。にも関わらず、今や独立・自己プロデュースの波が大きくなり続けているのは、他ならぬ市場とニーズがあるからだ。

事務所と制作会社やメディアの間でのキャスティングが行われる中、今やクライアントが直接本人にオファーするケースや、原石を見つけて育てることも増えてきている。SNSの浸透や、マス媒体に限らない発信環境が整ってきたことが大きい。ただし事務所から飛び出し、自分の力で活動を切り拓いていく上では、リスク管理も当然自分の責任で行わなければならない。

そしてこれは、一般的なビジネスの世界でも同様だ。『企業に勤めて仕事を行うこと』から、自分の知識や経験、技術を持って、自分の力でやりたい仕事を創っていく、フリーランスや個人事業主・起業家がますます増えている。出勤も退勤もない、働く時間と場所も選ばない。そもそもベースがリモートの人も多い。

ただ、ここで大事になってくるのが、どういう人たちと仕事をするかということ。また、その規模や関係性をどう構築していくかということ。

今後はより、それぞれが個人として仕事をしている人たちの集合体として、チームで働くことがもっと広がるんじゃないかと思っている。いわゆる『個の集団』として機能していくことが、一番それぞれの強みが活かせるんじゃないかと。もちろん、旗頭になる中心は必要だけど、そこに様々なジャンルの人が集い、時には必要メンバーで、時にはオールメンバーで、様々なチャレンジをしていくような。

ここで大事なのは、幅広いジャンルと世代でチームを組めるかどうかということ。より大きく、よりクオリティの高い仕事をしていくには、世代間の相互補完は欠かせない。

こうなってくると、大きなオフィスも企業としての体裁も、そんなに必要ではなくなってくるね。