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【市会議員への道】政治家への質問の仕方って大切だなと思った話

東京都知事選挙でも子育て支援を訴えた候補者が多かったと聞いていますが、一方で2024年時点で最大の人口ボリュームは団塊の世代。この年代からの支持を得ることが当選への近道と考えるのは自然なことでもあります。

一方、この国の人口減少やこどもの貧困に関する状況を見聞きするたびに、高齢者施策よりもさらに弱い立場に置かれているこどもたちやその保護者世帯の貧困をなんとかしないとと思うことが増えました。自分のやりたいことを言語化すると「こどもの貧困をなくす」ということになりますが、1人1票というシステム上最も力を持っている高齢者層にそんな訴えがどこまで届くのか、正直良く分かりません。

そんな折、とある政治家の方のお話を聞く機会があったのですが、そこで質問をさせていただく機会がありました。上記のジレンマを踏まえて質問してみたのですが、その時の質問の仕方から得られた学びをシェアしたいと思います。

質問①:自身のやりたい政策と、支持者が実現してほしい政策とに差があるときはどう対処していますか?

最初私からはこのように質問してみました。このときの回答は「差が生じないように努力している」というものでした。これは考えてみれば当たり前の話で、支持者あっての政治家という点から考えて、いかに支持者の思いを実現させていくかが政治家の仕事ということですから。

具体的には市政報告会を定期的に開催し、そこに来られる方々の話を聞くことで、地域の方々の思いを議会に届けている、というお話でした。

私としては、自分は子育て支援に力を入れたいけど、高齢者が多い現実にどう対処しているかを聞きたかったのですが、正直なところ質問の仕方が下手くそだったなと反省しています。

質問②:高齢者が多い中で、子育て支援に力を入れたいという思いをどのように実現していますか?

これは他の方がされた質問だったのですが、私が聞きたかったのはまさにこれでした。質問に具体性を持たせたら良かったなと反省しています。質問が正しくできなければ、議論は深まらないということを痛感させられました。

なぜこの質問が良かったのかというと、この質問に対して議員の方からは明確な回答が出てこなかったからです。お話を伺っている感じでは子育て支援に力を入れたいと考えているように感じられましたが、高齢の支持者が多いことも意識してか、明確には意思表示されませんでした。が、なかなか高齢者層に子育て支援政策が受け入れられない現実をこんなふうに吐露されていました。

「子育て支援の充実を高齢者層に訴えると、最初は『うん、うん』と聞いてくれている。でもそのあとに『ところで私たちの世代に向けてはどう考えているのか?』と必ず聞いてくるんです。」とおっしゃっていました。日々、高齢の方々と接していて、その方々に子育て支援の重要性を訴えてこられていることがよく判る反面、いかに高齢者層が政治家ひとりひとりに影響力を与えているのかもよく判るエピソードでした。

良い質問とは?

今回の件でひとつ学べたのは、相反するものについては具体的に示すほうがいいとうこと。質問①では「自分」と「支持者」という対立軸を置くような設問であったため抽象度も高く、常に対立しているというわけでもありません。

それに対して質問②では「若者」と「高齢者」という対立軸を置いたことで対立がより明確になり、その間でどうバランスをとるのかという議論の深まりに発展していきました。

上手な質問のしかたを、今後も学ばなければいけません。

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