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HISTORY|わにぶちみきのヒストリー

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わにぶちみきの制作の原点からその道程をたどる物語。
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#水平線

History#4 英国留学|2|

History#4 英国留学|2|

ある種の真理への到達を予感

水平線も地平線も英語では「horizon」と表現します。平行線という意味の言葉です。日本語の「平行線」には「交わることができない」という若干の負のニュアンスも含まれますが、horizonには物理的に平行であるという意味があるだけです。むしろ「“視野”を拡げる」という慣用句にも使われるような、世界の広さや意識の広さ、物事のあたらしい地平を思わせる広がりがあります。

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History#3 英国留学|1|

History#3 英国留学|1|

チューター(担当教授)との初顔合わせ

2011年に英国の大学院に入学したとき、チューターに

「Why do you paint (the landscapes) ?」
どうして(その風景画を)描くんだい?

と、衝撃的な質問をされました。これまで描いてきた作品がすべて否定されたような、そんな気になってしまった午後でした。英語で言葉が出ないのではありません(英語力もいっぱいいっぱいではあったんで

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History#2 そらの色くうの匂い

History#2 そらの色くうの匂い

大学時代からのコンセプト

大学時代からしばらくは「そらの色くうの匂い」と題して、身のまわりの風景と自身の大きさとの対比から「わたし 対 外界」を意識した制作に移行します。

じぶんの存在の小ささや儚さをとても内省的に捉え、詩作も多く行いました。空と人工物との境目、境界線。空の色の移り変わり。季節や時間での色の移り変わり。そこに人間としてのじぶんの存在のちっぽけさや儚さ、そして諸行無常に切なさや悲

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