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女性向けダイエット本は、絵をたくさん入れて内容を薄くする?

そんなのあるかい、ばっきゃろー!

という気持ちです。
(すごい書き出し…)

いや、事実として、「薄くて絵がたくさんのダイエット本が売れる傾向にある」というのは出版業界にはあるようなので、そんなのあるかいな訳でもないんですけど、このままでいいんかい?というのが本音です。

◆悔しい

出版業界に足を踏み入れてから「エビデンスやデータを丁寧に説明した厚い本は男性向けで、女性向けには絵や写真をたくさん使って薄くした方がいい」と聞きます。

私は、それが、女性として、とても、悔しい。

悔しい!

こういう風に言われる問題の根本は、このダウン症啓発ビデオが指摘してるのと同じだと思ってます。

このビデオをざっくり解説すると

ダウン症がある人が自立して生活できなかったり、勉強が出来なかったり、飲酒みたいに“みんなが出来ること”が出来ないだろうというイメージがある。でもそれは、「ダウン症の人はそうだろう」という勝手な偏見のせいであって、ただ周りが自立する機会を与えてなかったり、最初から簡単な教材のみを与えていたり、お酒を提供しなかったりするからじゃないの?

Assume that I can so maybe I will.
出来ると思って接してくれれば、(ダウン症の)私にも出来るかもしれないでしょ。

というような内容です。

正直、日本の女性のダイエット本も同じだと思う。

女性はエビデンスやデータが読めないんじゃなくて、エビデンスを示した女性向けの本がないんじゃない?
それに男女の教育格差問題が加担して、さらに読めないと思われやすくなってるんじゃない?

女性が誤解を招きやすい薄い本に飛びついちゃうんじゃなくて、薄い本が女性をターゲットに言葉を選んでるからじゃない?
ズボラとかカンタンとかさ、男性向けの本に使われないじゃない?

これは、生物学的うんぬんではなく、教育の機会やマーケティングで作られた環境が原因。ジェンダー格差です。

これまで「男の学問」と言われてきたエンジニアや医療などの分野でも、教育の機会が見直され、海外では女性の割合が増えてきています。

それと同じで、ダイエットコーナーがカワイイ絵と写真だらけで幼稚っぽくなっている風景も、日本のジェンダー格差が露呈している点だと感じます。

日本でこれだけダイエット迷子の女性が多くて、歪んだ痩せ願望で摂食障害レベル(無自覚)の人が溢れていて、行政団体が懸念し始めるほど女性の栄養不足・フレイルが進行している状況、他の国でもほとんどありません。

女性が「分厚い本は読まないんでしょ」って扱われてしまうのを当たり前に思ったり、健康を犠牲にしてでも消費に利用されてしまう状況をニコニコ笑って流したりしていたらいけないと思うんです。

このままにしていたら、どんどんダイエット迷子は増えていく。

そんな状況を見ながら、私も元ダイエット迷子で摂食障害経験者として悔しく思っていて、「女性向けのダイエット本は、薄く、絵をたくさん入れて」というステレオタイプに中指立てるようなつもりで執筆をしました。

「女性だってちゃんと理由や仕組みを説明されたいんだー!」
「性別に限らず、年齢に限らず、みんなが読みやすいように書くのが私の仕事じゃー!」
という思いを本にぶち込んだのがこのベストセルフ本です。

こんな望みを形にしてくださったGakkenの杉浦編集長、本当にありがとうございます。

おかげさまで、
「通常のダイエット本とは、異色本である」
「大正解だった」
「ダイエットの概念が変わる本だった。」
「これから一生この本1冊でいい」
といった感想が続々と寄せられてきています。
(女性からも、男性からも…!)

◆みんなが読みやすいように、ちゃんと理由や仕組みを説明された本

本を出版する過程で、色んな出版社の編集者の方々とお話をさせていただく機会がありました。

「エビデンスを扱った本が女性向けにも出回るべき」という私の意見に反対ではないけれど、やはりこれまで爆発的に売れているのは絵や写真がメインで1日で読み切るような薄い本であるため、リスクを取りに行きにくい、というのが本音なのだそう。

本離れが進み、本屋が潰れていっている中で、出版社もリスクに関して慎重になるのは納得できます。

ましてや、私みたいに、初出版でこれまで著者としての経歴がない人間です。ハイリスク中のハイリスク。

「どうにかしてこの風潮を断ち切りたい」という使命感と、「自我を貫きすぎて読み手に届かない出版になってしまったら本末転倒では?」という迷いとの間で葛藤がありました。

そんな中、「自分が納得できない形で本を出して、仮に失敗したってその失敗からは何も学べない。やるんだったら自分が納得できる形でやった方がいい。その方が学べることもあるでしょう。」と背中を押してくださった方がいました。

これが決め手でした。

たぶん今後も迷った時に何度も振り返る言葉だと思う。
(ちなみに、その方は「仕事という枠を超えて、人として応援しています」と言ってくれました(泣)一生ついて行きやす)

迷ったら、自分が一番納得できる形を選ぶ。

私が納得するのは、
みんなが読みやすいように、ちゃんと理由や仕組みを説明された本
です。

リスクを負ってでも、その形は崩してはいけない。

この形を貫いた以上、「全然売れませんでした、おしまい」って失速するわけにはいかないんです。

こういう本が必要とされていたと証明するためにも、今後女性向けにもこういう本が続いて出版されるようになるためにも、もっと多くの人の手元に届けなければ。

そして、一緒にリスクを背負ってくださったGakkenの方々にも、感謝を伝えるためにちゃんと結果として現れるまで全力投球しよう。

そんな思いで、出版後の活動をしたり、クラファンで支援してもらったお金で学校や図書館に寄贈したりしています、押忍!

◆みんなで動かしている

私の思いに賛同・協力してくださる方々もたくさんいて、みんなでダイエット迷子を減らそうとしています。

私ひとりじゃないんだ、誰かがやらなきゃと思ってるんだ、というのが異なる分野・地域・立場の人から伝わってきて、すごく心強い…!本当にありがとうございます。

帯コメントを書いて、出版記念イベントにも協力してくださった、ボディワーカー森拓郎さん


麻布台ヒルズの大垣書店でWELLNESSフェスで推奨してくださった、デポルターレクラブさんと代表の竹下雄真さん


超素敵な感想漫画を描いてくださった漫画家の六多いくみさん


私の夢でもある絵本の出版をされて、本を読んでくださったシドニー五輪競泳代表の萩原智子さん


特集番組(1時間半も!)に呼んでくださったキニマンス塚本ニキさんとポリタスTVさん


いつも応援してくれてる、五輪パラカヌー代表瀬立モニカちゃん


出版記念インスタライブに協力してくださった養生ダイエットYouTuberのEllyさん


出版記念の限定対談に協力してくださった助産師YouYuberのシオリーヌさん


以前から私の発信を全面的にサポートしてくれているヨガジャーナルオンラインさん


それから、
SNSなどでオススメしてくださった方々
レビューを描いてくださった方々
クラファンイベントに参加してくださったファンの方々
学校や公立図書館に寄贈するのを手伝ったくださった方々
裏でめっちゃ動いてくれてるチームmikikoの皆さん
話を聞いて一緒に悩んでくださった出版業界の方々
そして、出版に尽力してくださったGakkenさんの杉浦編集長

その他にも本当にたくさんの方々が応援・協力してくださっています。

みんな、今のダイエット環境を変えたいと思っている。

私はその応援を追い風に、これからも自分が納得する形で、ダイエット迷子だったあの時の私が必要としていたことを広める活動をしていきたいと思います。

Assume that I can so maybe I will.

※薄い本=悪い本、という訳でもなく、絵がたくさん入った本=内容がない本、という訳でもありません。
男女のターゲットで表現・内容に大きく偏りがあることの指摘と、女性向けにもエビデンスや仕組みを詳しく説明した本が増えてほしいという願いと、私の出版経験で感じたことを込めて投稿しました。

すべての記事は無料ですが、もし「これ気に入ったよ!」という記事がありましたら、投げ銭してサポートいただけると嬉しいです。私がカフェで記事を書く時に、スモールじゃなくて少し贅沢にミディアムのラテを頼むことができるようになります。