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「、」と漢字の困った関係を解消する/作家の僕がやっている文章術139

主語の直後に「、」読点を打つと、その後に続く漢字表記同士がぶつかることがあります。

<文例1>
私は、昨日横浜中華街で伝統的中国茶を初めて飲みました。

文例1をリライトしてみます。

<文例2>
私は昨日、横浜中華街で伝統的中国茶を初めて飲みました。

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文例2の場合「、」の位置によって「私」よりも「昨日」の方が重要であるかのように読み取られてしまいます。

「私」を強調し「昨日」を強調したくない場合には、次のようなリライトもあり得ます。

<文例3>
私は、きのう横浜中華街で伝統的中国茶を初めて飲みました。

しかし1つの原稿のなかで表記の統一は崩れてしまいます。

「昨日」と「きのう」とが表記として統一されないのは、原稿としてよろしくありません。

<文例4>
私は、昨日横浜中華街で伝統的中国茶を初めて飲みました。

まるで儀式のように、茶器に収められる茶葉は緑色の烏龍茶で、私が知っていた黒い烏龍茶とは異なる茶葉だったようです。

昨日は、あいにくの天気でしたが、店のガラス窓には雨垂れのしずくが数本伝って、雨さえもお店の装飾のような静けさで、中国茶を楽しむことができました。

昨日は、私の誕生日でした。

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「昨日」という単語は、3つとも漢字で統一表記されています。

こうなると「昨日横浜中華街」の表記が読みにくい印象になります。

どうしたらよいのでしようか。

このような読みにくくなってしまう表記を、解消するテクニックのお話をします。

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