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記号も言葉として扱う/作家の僕がやっている文章術152

かぎ括弧や、記号を文章に表記する際には表記上のルールがあります。

まずかぎ括弧は「 」で表記します。

「 」の中にさらに、かぎ括弧を書きたいときには『 』を挿入します。

<文例1>
「私が好きなのは『あなた』なのです」

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ただし「 」の中に、表記する強調や引用などは、必ずしも『 』を使わなくてはならないとは限りません。

<文例2>
「私が好きなのは“あなた”なのです」

“ ”は、引用符あるいはダブルクォートと呼ばれる記号です。

基本的には、強調ではなく、文献などの引用の際に使います。

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<文例3>
美樹香月の小説に“秋風は涼しいのではなく、淋しいのだと有紀は思った。”という文章がある。

続いて“有紀は、秋風に吹かれてまつげが、くすぐったかった。”という文章があった。

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筆者の文章と、引用の文章とを書き分ける際に「“ ”」を使います。

「“ ”」の引用文が続いている最中は、改行をしないのが基本ルールです。

<文例4>
3ヶ月も放っておいた泥汚れを、洗濯機だけで洗った結果に、クリーニング屋さんが驚いた理由とは・・・???

「・」は、なかぐろと呼ばれる記号です。

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本来は

<文例5>
新宿・渋谷・池袋などのターミナル駅

と、並列で述べるものを表記する際に使います。

・・・は、正しくは「……」と表記します。

「…」ひとつで三点ダーシと呼ばれる記号です。

三点ダーシを2つ並べて、その後をはっきりと表記しないのが、沈黙のレトリックです。

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ただし、現在のウェブ記事では「・・・」は、定着しているといえそうです。

理由は、ウェブ記事はスマートフォンで読まれることが多く、正式な表記の「……」では、読み取りにくいからでしょう。

気をつけたいのは、紙媒体に出稿する原稿です。

クセで「・・・」を使うと、それだけで原稿を、はねられます。

とくに文芸賞への応募では、選考で不採択になります。

紙媒体へ出稿する際には「……」を使いましょう。

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<文例6>
3ヶ月も放っておいた泥汚れを、洗濯機だけで洗った結果に、クリーニング屋さんが驚いた理由とは……?

文例6が、紙媒体における正しい表記です。

「?」は疑問符、またはクレスチョンマークと呼ばれます。
「!」は感嘆符、またはエクストラメーションマークと呼ばれます。

???と続けるのも、!!!と続けるのも、危険です。

オーバーアクションを表現するために、つい使いがちですが、まずウェブ記事では、スマートフォンの表示によっては、改行にひっかかります。

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<文例6>
この洗剤で、3ヶ月も放っておいた泥汚れを、
洗濯機だけで洗った結果に、クリーニング屋さ
んが驚いた理由とは・・・??

文例6のように?が1文字だけ、次の行にこぼれて表示されてしまうかもしれません。

「?」「!」は、1つだけにとどめて、書くとよいでしょう。

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記号も、文章のなかの1文字です。

言葉と同じです。

正しく言葉を使うように、正しく記号を使うように心がけると、それだけで原稿への評価は上がります。

こうした細かなポイントから文章の書き方をお話しする講座を用意したいます。

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