見出し画像

三木佳世子の起業ストーリー② メンタルダウンによって気付いたこと


起業がきっかけで取締役に就任

ー転職と同時に複業で起業もしたんですね

そうなんです。
サイボウズでは新規事業として立ち上がったばかりの部署に配属になり、企業研修とか組織開発のコンサルをさせていただきました。
その仕事にもとてもやりがいはあったんですけど、自分のメディアで培ってきた経験を活かしたいと思って、複業で起業しました。

ーお子さんが生まれて、忙しい中だったと思いますが、何が起業のきっかけでしたか?

周りの人にお声がけいただいたのが大きかったですね。

「かよちゃんは元メディアの人だから、メディアにどうやったら取り上げられるか教えてほしい」っていうお声が集まるようになって。

私もメディアにいる時は、プレスリリースをたくさん受け取ってはいましたが、メディアに出る方法を知りたいって需要があることを初めて実感したんです。

あとは自分が取材を通してその人・そのサービスだけのいいところを見つけ出したり、伝えていくことがすごく好きだったので、そういった活動を複業としてできるならやってみたいっていう気軽な感じでスタートしました。

ーニーズがあるからやってみたという感じだったんですね。そこからどのように進んでいったんですか?

複業では効果的な自己PR方法や動画を使って話す姿をトレーニングをするメディアトレーニング、ライターもやっていましたが、やっぱり一番ニーズがあったのがPRでした。

でも私はメディアにはいたけど、PR会社で働いたわけではないという想いから、本格的にPRを学びたいとPR講座に通いました。

そこでもご縁があり、主宰の方が「役員としてうちの会社に来てほしい。一緒に会社を大きくするところに力を貸してくれないか」って言ってくださったんです。
その会社がまだまだ創業したばかりでベンチャーだったので、企業の立ち上げを経験してみたいなっていう思いから、役員として3年間、PR会社で働いていました。

ーそこではどんなお仕事をされたんですか?

BtoBでPRを代行するお仕事や、PRの教育事業部の責任者として、PRを教える仕事やPRコンサルをしていました。
コンテンツを一から作り直したり、月に10回以上の講義を行うなど、講師としての経験も積ませていただきました。

また、会社が拡大する時期だったので採用や教育、チームビルディングにも携わっていました。

ー今までの経験が全部活かせる業務内容だったんですね。

そうなんです。ちょうどコロナが始まった時期でもあったので、それまで対面でやってた講座をオンライン講義へと再構築も行いました。

オンラインの講義ってテレビの生放送とほとんど同じだと気付いて、NHKで培った心を動かす方法を講義に取り入れることで楽しみながら学んでもらえるようになりました。

そのおかげで、受講生の満足度もかなり高い評価をいただき、クチコミで広がるなど、結果として会社としても売上を5倍に拡大することができました。

まさか私が…メンタルダウンによる休職

ーそこからご自身で会社を立ち上げようって思ったのは、何かきっかけがあったんですか?

取締役としてやりがいを持って仕事をしていたんですけど、2022年の秋ごろにメンタルを崩したことがきっかけです。

2ヶ月の休職期間中に自分自身やこれからの人生についてを見つめ直す時間を持つことができて、その時に「何を大事にしていきたいのか」に気づくことができました。

ーメンタルを崩す原因はなんだったんですか?

小さい頃からなんですが、自分よりも周りを優先してしまうことが多かったんです。
自分が本当はどうしたいかよりも、周りに求められれば、それを頑張るみたいな。

今、振り返れば会社を大きくしようと、社長や社員の気持ちを優先してばかりで、なかなか結果が出ないことについてもすべてを自分の責任だと思い込んだり、大きな重圧がかかっていても、このくらいまだ大丈夫、私はもっと頑張れるって自分の本当の気持ちを無視し続けていたんだと思います。

体調がいよいよおかしくなって診断書も出たんですが、会社のメイン事業の責任者だったということもあって、私が抜けたらみんなに迷惑をかけるということを考えると、診断書もなかなか出せなかったんです。

もう体調もずっと悪いけど、無視して頑張り続けようかなって思うこともありましたが、家族からも休んだ方がいいと言われて、思い切って休職することにしました。

思えば、私は一人っ子でずっと両親が仲が悪くて、いい子でいなくちゃいけない、私が親の期待に応えることで家族を繋ぐ役割をしなきゃいけないって思ってたんです。

それが大きくなってからも続いていて、仕事でも「役に立たないんならいらないよ」って言われてしまうんじゃないかと思っていました。

自己肯定感がかなり低かったんだと思います。

認めてもらうためのラベル集めの人生だった

ー実際に休職したときの周りの反応はどうでしたか?

お客様である受講生の方たちもすごく心配してくれて、温かい言葉をくださいました。
チームメンバーも「かよさんがいない間、頑張ります」って言ってくれて、人を頼ってもいいんだなということにも気付けました。

実際に休職してからは、起き上がれない日々が続いたこともあって、「なんて自分はだめなんだろう」って自分を責めたりもしたんですが、しばらくすると今までを振り返りながら、これからどうしたいかっていう未来を考えられるようになりました。

その結果、“自分の想いをもっと大切にしたい” と思ったんです。

今まではNHKディレクターだったり、取締役だったり、「ここにいていいよ」、「すごいね」って周りに認めてもらえるための、分かりやすいラベル集めをしていたのかもしれないなって気付きました。

でも、人からすごいねって言われることと、自分が自分を満たすことって全く違うんですよね。
これからは、もっと自分で自分を満たしてあげたいっていうふうに、自分の中の大きな価値観が変わっていきました。

ーメンタルダウンによって大切なことに気付いたということですね

そうなんです。他にも、これまでは「独立したい、起業したい」って願いを持ったことは本当になくて、どちらかというと、「組織にいて安心・安定してたい」という気持ちがあったんですが、私も理想を描くところから始めてみたいっていう願望が奥深くに眠っていたことにも気づいたんです。

「もっと思いっきり自分を活かした仕事をしてみたい」という想いから、独立を決意しました。

ー独立って大きな決断だと思いますが、その推進力はどこから来たんですか?

やっぱり人生は一度きりだから、後悔しないように生きたいっていうのはありますね。

NHKを辞める時も、ありがたいことにたくさんの人に引き止めてもらいましたが、もしNHKに居続けてる間に、車に轢かれて死んじゃうことになったら、「あれ?私NHKを出てたらどんな人生だったんだろう?」って、後悔するかなと思って決断しました。

もちろん今回、辞めるときもすごい迷ったし、悩みました。
でもやっぱり自分の人生だから、やらずに後悔よりはやって後悔の方がいいかなって。

振り返ると私のキャリアは、安定をどんどん手放してきたんですが、手放せばそれだけ新しいものが入ってくるっていうのはすごく実感しています。
これからも手離すことを怖がらずに、もっといろいろチャレンジして、変化の人生を楽しもうと思っています。

ー今は真っ白なキャンバスにどんな絵を描きたいと思っていますか?

まず、未来のエンプティキャンバスに何を描くのかが全て自由!ってことがめちゃくちゃ嬉しいです。

今描いているのは、全ての人が自分の価値に気づいて、その価値を生かして、誰かに必要とされるっていう体験をみんなにしてもらうことです。

ダイバーシティを実現したいっていうところから私の人生の使命は出発してるんですが、そこがずっと繋がっていて。
やっぱりみんなそれぞれ違って、それぞれに個性や強み、良さがあって、その人だけの輝きがあるから、「私はこれができるんだ」っていうことをみんなが自信を持って伝えられる。

そういう世界にしていくための活動をしていきたいです。

ー最後に今から起業する方や起業に悩んでいる方に向けてメッセージをお願いします。

情報が本当に多い時代なので、まず埋もれない、見つけてもらうために、自分の魅力をしっかり伝えるための自己PR力や表現力をつけていただきたいなと思っています。

そのために自分が何をやりたいか、どんな未来を叶えたいのかっていう想いだったり、自分だけの強みや特徴を言語化する力が重要だと思っています。

人は言葉にできたことしか意識できないし、言葉にできないことは伝わらないので、自分が何を感じて、自分の心がどう動いて、何をしたいのかをどんどん言葉にしてください。

言語化が苦手という方も多いですが、言語化力はトレーニングすれば、ちゃんと磨けます。
私の講座に来た方も言語化ワークをいろいろする中で、「少しずつ言葉が出てくるようになりました」って言ってくださるので、まずは言語化に取り組んでみてください。

ーまずは言葉にすることが大切ですね。かよさん、今日はありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。自分の心の動きに正直に、悔いのない選択をして生きていきましょうね!応援しています!!

やりがいも売上も最大化させるエモーショナル起業塾無料
3daysセミナーの詳細はこちらから↓
https://miraie.my.canva.site/emotional-3days