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三木佳世子の起業ストーリー① 定年まで勤めると思ってたのに…NHKを辞めた理由



三木佳世子の自己紹介

ーみなさん、こんにちは。株式会社MiraiEの松村莉帆といいます。
今日は、かよさんと一緒に仕事をしている私、松村が、かよさんについて色々とインタビューをしていきたいと思います。
かよさんをご存知ない方のために自己紹介をお願いします。

はい、ありがとうございます。改めまして三木佳世子です。
現在は、株式会社MiraiEの代表取締役をしています。

慶應義塾大学総合政策学部卒業後、NHKに入局して、報道番組のディレクターとして12年間、2000人以上を取材してきました。

その後、サイボウズ株式会社に転職と同時に起業し、PRプロデュース、セミナー講師、ライターなどのパラレルキャリアを構築しましたが、創業期のPR会社にお声がけいただき、取締役としてジョインしました。
2023年から独立して株式会社MiraiEとして、ビジネススクール主宰や企業研修、ブランディング動画制作などをしています。

ー今のお仕事について詳しくお伺いできますか?

人の心を動かす“感情設計” を起点としたビジネス構築のサポートをしています。
具体的には、個人や企業が持っている価値に光を当てたビジネス立ち上げのサポート、ノウハウやスキルを講座という形にまとめるためのコンテンツ作りのサポートや、自分の強みや想いをしっかり伝えられるようになるための自己PR力を高める講座などを主宰しています。

自分の意見を伝えるのが苦手だった

ーいろいろ詳しくお伺いしていきたいんですが、まずは慶應義塾大学の中でも総合政策学部を選んだ理由を教えてください。

総合政策学部っていう名前なので政治を学ぶ学部だとよく思われるんですけど、実は問題発見・解決型の人間を育てることを目的に作られた学部なんです。

高校生の時に自分の将来について真剣に考えると、世の中の課題を解決したいという想いが強くて。
その時に、世の中の課題ってすごく複雑だから、法律や経済、政治など、どれか1つだけを学ぶだけでは解決できないと思ったんです。

総合政策学部なら自分の課題意識に合わせて、政治や経済をはじめ、文化や哲学など様々な学問を横断的に学べるということを知って、自己推薦で入学しました。

ー高校生の時から世の中に対して課題意識を持っていたんですね

そうなんです。
小さい頃から「こういう問題が起こるのはなぜなんだろう」とか「この問題を解決するにはどうしたらいいんだろう」ってよく考える子どもでした。
大学では自分が持っている課題意識について、じっくりと解決策を考えたい、世の中の役にたつ人間になりたいって思っていました。

ー大学ではどんな課題について勉強されたんですか?

特に私がテーマにしてたのが、多文化共生社会の実現についてです。
宗教や国籍、性別、障害が有無など、いろんな違いがある人たちがいますが、その違いを差別とか偏見じゃなくて、違ってることをいいよねって認め合って共に生きる社会を作りたいという想いが、小さい頃から自分の志としてあったんです。
大学では違いを認め合える社会を実現するためにいろんなことを学びました。

ー小さい頃に課題意識を持つきっかけがあったんですか?

小さい頃に、マイノリティとされるような方との出会いが多かったことが大きいですね。
あとは自分自身が関西で生まれて関東に引っ越したんですけど、関西弁でいじめられたりとか、両親が離婚したりなど、周りとの違いを感じることがあったんです。

あとは、性格的にも人の顔色を見てしまう内向的なところもあったので、人と違う意見を言うことに苦手意識もあって。
言えない気持ちが心の中でぐるぐるしているのが苦しいなぁと感じていました。

いろんな違いがある人たちを排除しようとしたり、自分と違うからと遠ざけたりするよりも、違いを認め合った方が豊かな社会になるのになって思っていたので、いつの間にかそれが人生のテーマになっていました。

かけがえのない出会いから気付いたこと

ーそうなんですね。今の会社の名前の由来も高校のときの出会いが関係しているんですよね?

はい、株式会社MiraiE(ミライエ)という名前なんですが、「未来へ」っていう意味に思われるんですけど、実は違うんです。

高校時代に通ってた塾の先生がある時、「未来はエンプティキャンバス」って教えてくれたんです。
私は小さな頃から、親に進路や職業を決められていたこともあって、親の期待に応える未来しか描けず、悲観してるところがありました。
「未来はエンプティキャンバス」っていう言葉を聞いて、「自分の人生は自分で描いていっていいんだ」、「未来はまだ何も決まってないんだ」っていうことが頭をハンマーで殴られたような感覚になるくらい衝撃的だったんです。

そこから、自分の未来を切り拓くように自分の意思で選んで生きてきた実感があるので、「未来」と「エンプティキャンバス」の頭文字の「E」をもらってMiraiEという社名にしました。

ーありがとうございます。大学時代はダイバーシティの実現がテーマだったということですが、何でマスコミに行こうと思ったんですか。

ダイバーシティを実現したい、世の中を変えたいって思ったときに、政治を変えるとか、法律を変えるとか、いろんなアプローチの方法があると思ったんですよね。
でも、結局は人の心が変わらないと世の中は変わらないと思ったんです。

人の心に差別意識とか、違いを受容できない気持ちがある限り、世の中って良くならないんじゃないかと思った時に、人の心を変える方法って何だろう?とたどり着いたのがマスコミでした。

過去に自分自身が変わってきた経験を振り返ると、ドキュメンタリー番組や映画、本、お芝居などのストーリーに触れたときが転機だったなと思ったんです。
物語を通して、いろんな価値観と出会うことで、自分の心が動き、意識が変わると思いました。

ー大学時代はお芝居にも熱中していたんですよね

そうなんです!ユリイカっていう雑誌の「この小劇場を見よ!」にも載ってるんですよ。
自分自身が出演するだけでなく、作・演出として劇場を借りて公演もしていたので、表現の道に進みたい気持ちはちょっとあったんですけど、母子家庭だったので、母を養わなきゃっていう経済的な理由があって。

母を養うためにちゃんとお金をもらいながら、でも自分の理想に向かえる仕事は何だろう?って思ったときに、マスコミならドキュメンタリー番組を作って、テレビを見た人にいろんな気づきを持ってもらうことができるかもしれないと思って選びました。

NHKだけにあったもの

ーマスコミの中でもNHKを選んだのはなぜですか?

マスコミを幅広く見たときに、NHKだけが唯一、コマーシャルや広告がなく、営利活動を目的としていないんですよね。
違いを認め合える社会の実現のためには、より多くの人の心にアプローチしたいという気持ちがあったので、NHKなら偏りなく日本の全人口の顔を思い浮かべながら番組を作ることができる公共性があると思いました。

また、他の放送局に比べて、番組制作のためにかけられる時間が圧倒的に長いと知り、NHKなら見ている方の心に届く、より良質なものを作れるのではないかと思ったのも選んだ理由です。

ーNHKではずっと報道を担当されてたんですか?

入局してしばらくは旅番組や青少年・子供向けの番組を作ったり、生放送の番組を作るなど、いろんな経験をさせてもらいました。
最終的にジャンルを決めるにあたって、報道局社会番組部に配属されました。

ー具体的にどんな番組に携わっていたんですか?

『NHKスペシャル』、『クローズアップ現代』、『おはよう日本』などを担当していました。

ードキュメンタリー番組の制作にはどれくらいの期間がかかっているんですか?

この企画をやりたいなって思ってから、採択されるまでには下調べをコツコツするので、長ければ年単位でかかるものもあります。

提案が通って、番組の枠がいただけてからも、インタビューや編集、演出も一貫してディレクターが行うので、1ヶ月単位でかかっていくことが多いです。


ーNHKでは賞もとられているんですよね。

はい。ありがたいことにNHK会長賞を受賞させていただいたり、文芸・映画など様々な文化分野において業績をあげた個人や団体を表彰する賞である菊池寛賞もいただきました。
同じ時に受賞した方の中には、タモリさんや阿川佐和子さんたちがいましたよ。

番組に関する本を幻冬舎から出版もしています。

NHKを辞めたきっかけ

ーNHKでは活躍されていたと思うんですが、なんで転職されたんですか?

NHKには定年までいると思っていたので、まさか自分が辞めることになるなんてと、自分でも衝撃でした…。

今、小学2年生の男の子がいるんですけど、子供を産んで、時短勤務で復職したことがきかっけでした。
いろいろ配慮してくれて働きやすい環境を作ってはもらってはいたんですが、緊急の対応や長期の出張も難しくなると番組作りも中途半端になってしまい、「私、ここにいてもいいのかな」って自分に自信がなくなってきてしまったんです。

そんな時に、たまたまサイボウズっていうIT企業の社長の講演会に参加して、サイボウズでは「100人いれば100通りの働き方ができるよ」っていう話を聞いて。
子供がいなくても週3しか勤務してない社員もいるし、副業したり起業したりしてる人もいることに面白さを感じて転職しました。

三木佳世子の起業ストーリー②に続きます。

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