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何のために仕事をしますか?

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あなたは、何のために仕事をしますか?生活のため?お金を稼ぐため?
今の私は、幸せに生きるために働いています。

一度立ち止まったから、今の私がある

私はNHKで12年ディレクターの仕事をしてきました。そのなかで1年ちょっと育休をとったんですよね。今の私があるのは、その時期があったからだと思っています。ディレクター時代はずっと走り続けてきたけれど、立ち止まって、自分を見つめ直したり、自分はどういうことがしていきたいんだろうって考える時間が持てたから。やみくもにあのまま突っ走っていたら、絶対今の自分はないなって。

幸せに生きるために働くってシンプルだけど簡単ではないと思います。今、私は初めて何をやってもいいな、って思えるようになっています。

凄いって言われることが幸せではない

NHKのディレクターに就職が決まったときは、親は泣いて喜びました。自分の娘が日本放送協会のディレクターに選ばれるなんて、と。親は鼻高々だったし、私も親孝行できたと思って嬉しかったんです。

私は慶應義塾大学に行っていたのですが、同級生は商社やコンサル、マスコミ、先輩には社会事業家やNPOを立ち上げた人もいたり。そんな中、学生時代の私は、お芝居をしていたり海外留学に憧れていたり、仕事に就くことをそんなにリアルには考えられていませんでした。その一方で、親を養わなくちゃいけないから、と経済的自立の必要に迫られ・・・でも本当に一般企業に就職ができるんだろうか?と、いろんな気持ちを持ちつつ受けた面接で合格。

その時ね、「どやっ」って思ったんです。世の中に対して。私だって就職できた、私だって選ばれたって、NHKに合格したことは自分を肯定するツールの1つでした。誰も名前を聞いたことがない会社に勤めるとか、卒業してフリーランスになるという選択肢は、当時の私には全くなくて。

認められたかったんですよね。ディレクターになってからは、石の上に3年。いや、10年はやろうと頑張ってきました。そして12年経ったとき思ったんです。

「佳世ちゃん、今何してるの?」

「NHKのディレクターをしてる」

「ええっ、凄い」

って、誰かに凄いって言ってもらうことが自分の幸せではないと分かりました。そこからキャリアチェンジを繰り返して今にいたります。

親に喜んでもらいたいとか、人に凄いと思われたいなんて、今はなくて、ほんとに自分のやりたいことにピュアに向き合えています。

行先は変えていい!

先月私のワークショップに来てくれた人のなかに、バリバリの起業家に憧れていたという女性がいて。でもワークショップで自分を深堀りしていくと、もっと自然体で家族との時間を大事にしている人が浮かんできた、と。彼女はそんな自分に驚いていたけれど、それでいいと思います。

南極を目指して歩いていて、近くまで来たときに、ふと

「あれっ、私が行きたかったのは北極じゃなかった、オーストラリアだった!」

って分かったら、その時点で方向転換してオーストラリアを目指したらいいんじゃないかな。

なんか違うな、でも私言ったしなぁ…と思ってしがみついていては、幸せに近づけないですよね。

人の目を気にしているうちは、本当の幸せにはたどり着けないのかもしれません。以前は親に「佳世はよく頑張った」って言ってほしかった。世の中で認められたかった。自己顕示欲っていうのかな。あのときは私に必要だった燃料。なにくそって、思っていたから。

上り詰めなきゃと思った出来事

再び振り返って大学時代のことです。慶應ということもあり、周りにはおぼっちゃんやお嬢様と呼ばれる人たちもいました。ただの大学生なのに外車に乗って高級時計を身に付けて。

一方私は、バイトをいっぱいしていました。携帯電話のキャンペーンガールとか、バーでカクテル作ったり、家庭教師も。表現活動もしたかったし、勉強も頑張りたかったから、もう必死。

恵まれたお嬢様、おぼっちゃまのことが羨ましかった…。

当時のことでどうしても忘れられないことがあります。仲の良かった友達が、裕福なA君のことを「A君は、恵まれた家庭で満たされて育ったから、あんなに優しくていい人なんだ」って。

「じゃあ、私は何なの?!」

って。友達が言ったことに対して、そんなはずはないよ。じゃぁ、恵まれた家庭で育っていない人は優しくなれないの?と。どんな境遇に生まれても自分の努力でなりたい自分になれる。優しい人だっている。それを体現しなきゃ、ただの負け犬の遠吠えだ!って。自分が伝えたいことを聞いてもらうには、上り詰めなきゃならないと思っていたんです。

・・・もう少し補足説明すると、「恵まれた環境に生まれているからハングリー精神がない」とか「逆境に生まれたからガツガツしてる」とか。そういう先入観や解釈って世の中にはびこっていて。そういう縛りに負けたくないって思ったんですよね。

幸せに生きる方法として、働くことを選びとっていける人を増やしたい

あれから年齢を重ねて、そんな鎧が外れた今。ピュアな自分に気付けて嬉しい・・・

私は今も、伝えたいこと、聞いてほしいこと、知ってもらいたいことがあります。こうしてSNSで発信することで、たった一人でも良かったよって言ってくれる人がいます。もっと届けたいから、届けられる人になろうと思う今日この頃。

ちょっと遡ると、高校生のときには、障害がある子供たちと一緒にスポーツをする、というボランティアをしたことがあります。手話ができる子たちの中に私が一人入ったら。私がマイノリティ。障害とか、性別とかいろんな違いが差別につながる世の中ってどうよ?と思っていました。

私だからこそ作れた番組やできた取材もいっぱいあります。でも、自分がマイノリティだから、マイノリティの人を助けなくちゃと縛られるのではなくて、いつかは解決したいけど、今はこれをしたい!ということがあるのなら、目の前の興味があることをしてみたらいいと思っています。

働きたくても働けない人や、就職したくても就職できない人をいっぱい見てきたから。働くことを幸せになるための方法として選びとっていける人を増やしたい!私が生きていることによって、そういうのもいいんだな、もう少し頑張ってみようかなって誰かに思ってもらえたら、それが私が生まれた意味だと思っています。

皆さんは今、何のために、何を目指して、仕事をしていますか?


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