見出し画像

【きっかけは小一の壁】傾聴力を強みに取材ライターへ

終身雇用が難しいと考えられており、副業の解禁や新しい雇用形態など、働き方を考える際の選択肢が増えてきた現代。

働くなかで「なんとなく働き方に違和感を覚えているけれど、どうしたらいいのかわからない」と感じる人も多いのではないでしょうか。

そこで本インタビュー集「キャリアの転換から学ぶ」では、あらゆる人のキャリア変遷をお聞きしながら、働き方に悩む方に”考えるためのヒントや選択肢”を提案していきます。

今回紹介するのは、相談員としてキャリアをスタートし、現在は取材ライターとして、あらゆる方のお話を引き出している梅原ひかるさんです。

傾聴力を活かし、人の気持ちを丁寧に汲みとって活動されてきた梅原さんにとっての、キャリアの転換点を聞きます。

※本記事は30分のインタビューを一人称に記事化したものです。
それではスタート!

幅広い年代の方と関わった相談員時代

キャリアのスタートは相談員でした。大学の授業で精神医学を学び、人々の悩みごとに対して、共に解決策を考えたいと思ったのがきっかけです。

精神科や心療内科、高齢者施設に10年ほど勤め、中学生から100歳代の方まで幅広い世代の方と話しました。
訪問された方に対応するだけでなく、ときにはご自宅に伺って生活をサポートするときもあります。

例えばデイケア(通所リハビリテーション)では入院するほどではなかったり、入院して退院はしたけれども、働くことや学校に行くことが難しかったりする方の相談に乗りました。

少しずつ実生活に慣れていただくことを目的として、一緒に料理したり電車に乗ってどこかに行く練習をしたりしたときもあります。
学校や仕事のことだけでなく、家庭や友人関係、病気と、相談内容は多岐にわたります。

ある事情から学校に行けなくなってしまった方の支援で一緒に勉強したり、働きたいという思いを尊重して面接の練習をしたりもしました。
現実に起きていないことが起きているように思えるという病気の症状に関して「実際に起こっているのではなくて、病気の症状のせいだよ」と、捉え方を練習するケースもあります。

相談員としてのキャリアのなかで学んだのは、精神が健康であることの大切さです。自分の実体験としても、心と体は繋がっているなと感じます。

ストレスや負荷がかかった際の対処法や自分自身のケアの方法を知っておかないと、ちゃんとした仕事はできないと思うのです。

コロナ禍が転機となる

転機はコロナ禍です。外出自粛が促された当時は、子どもが小学校に入るタイミングでした。いわゆる小一の壁と重なってしまったのです。学校も職場も行ってはいけないという時期で、子どもが学校に通えない状況になりました。

それでも、相談員はエッセンシャルワーカー(社会を維持するために必要不可欠な仕事)なので、職場に行かなければなりません。そうして生活するうちに、仕事と子育てとの両立が難しくなってしまったのです。
子どものことがあって休みをいただくことが多くなったのですが、今後の働き方を考え、相談員としての仕事にいったん区切りをつけました。

その後、副業でライターとして活動するようになります。エイ! って動いたら、意外にも仕事をいただけました。
当たり前ですが、動いたら結果に繋がり、逆に動かなければ繋がらない。それを実感しました。

現在執筆しているジャンルは医療やビジネス、SDGs、アパレル関係です。いただける仕事に注力しており、経営者の方やお医者さん、企業のSDGs担当や自治体の方と、さまざまな方と出会っています。

以前、個人事業主の方に関する記事を作成した際に「聞かれたことに対して思いつくままに話した内容がこんなに整った形で返ってきたことがすごく嬉しかったし、自分の思考整理にもなった」と喜んでいただきました。
その言葉をいただき、自分としても嬉しかったですね。

私はわりとシンプルな性格です。話をしてくださる方の良いところを見つけたり、引き出したりするのが好きだと感じています。

相談員としての仕事のおかげで、人のよいところ探しはずっとしてきました。「これができない」「これがしんどい」という話を聞いて「このことはできているよね」という声掛けをしてきたのです。

深掘りしたい気持ちがブックライターにつながる

『書く仕事がしたい』(CCCメディアハウス)を書かれた佐藤由美さんや、仕事をいただいている方が卒塾生であったため、上阪徹先生のブックライター塾と出会いました。

受講を終え、これからは取材ライターとしての仕事を継続しながら、ブックライターにも挑戦していきたいと考えています。そのステップとして、クライアントワーク以外でコンスタントに記事を書いていかなければ、と思っているところです。

ブックライティングの仕事は自分の思いと繋がっていると感じます。
クリニックの紹介記事を作成する際、クリニックの情報ももちろんお聞きするのですが、お医者さん自身の人柄や個性をもっと知りたいと思いながら執筆しています。3,000、4,000文字で収めるよりも、深掘りして長い原稿を書きたい気持ちがあるのです。

小さい頃から大人に混じって話をずっと聞いているのが好きだったことも、影響しているのかもしれません。

現在、取材するなかで「こんな素晴らしい商品ができたから皆さんに知ってほしい」「こんなに素晴らしい会社だから、ぜひ新しい人に来てほしい」などのポジティブなお話を聞きます。聞いているこちらもワクワクしたり元気になれたりして、取材って面白いなと思っています。

人の話をじっくり聞いて、ライティングでじっくりと伝える。そのことで、話し手や読者に喜んでいただく。
それが、私にとっての喜びでもあるのです。

インタビュイー:梅原ひかるさん
大学の心理学部を卒業後、精神科病院や心療内科クリニック、高齢者施設などで相談員として10年以上勤務。その後ライターへ。取材ライターとして医療やビジネス、SDGsなどの分野で執筆。相談員として培った傾聴スキルを活かして活動中。

▼梅原ひかるさんへのお仕事のご依頼はこちらから


執筆者:ミキ
インタビューや体験型取材を承っております。
ご希望の方は「内容」「納期」「ご予算」を添えて以下のアドレスまでご連絡ください(★を@に変更してお送りください)。お見積りも可能です。
miki.writ★gmail.com
X(旧Twitter) 自己紹介

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?