mikimomose

沖縄生まれで今は岐阜にいます。海と山が好き。下書きの寄せ集め。古本屋「庭文庫」やってます→http://niwabunko.com/

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  • 庭文庫のこと、書いてくれてありがとう

    庭文庫に来てくれた方が、書いてくれたnoteをまとめてみました。書いてくれて、本当にありがとう。

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イラスト交換みたいに、これまで読んだ本の話をする

この前、小学二年生の子と好きな絵本の話をした。彼女の好きな絵本を教えてもらい、わたしの好きな絵本を伝えた。彼女はわたしの好きな絵本を読んでくれて、「面白かったよ」と言ってくれた。それが、とてつもなく嬉しかった。 小学生の頃、絵が好きな者同士でイラスト交換をして異様に楽しかった、そんな思い出がむくむく盛り上がった。編み物が流行ったときは、お互いに編んだものを差し出しあい、将棋が流行れば、毎日盤面を睨んで対局し、将棋の知識を交換した。おすすめの漫画はほうぼうで貸し借りが行われ、

    • ふたり隣同士で別々の本を読む

       昨日娘を園に迎えに行ったら、なんだか顔つきがいつもと違う。園は楽しかったようで、にこにこしながら先生にバイバイして車に乗る。なんだかいつもよりもかなりスムーズに喋っている。もともとわりとよく話す3歳児だけれど、いつも以上に。  庭文庫について、いつも通り遊ぶ。一度のんたんの絵本を読んで、「ママも漫画読もうかなぁ~」と言うと「いいよ!」と言われる。大体いつも断られるからびっくりしていると、「むぎはのんたん読んでるね!」と絵本を開き出した。ソファーで隣同士に座って、わたしは品

      • 開ける窓

         朝、ものすごく明るい光が寝室に差し込んでいた。ベージュを買ったつもりのカーテンはほとんど白に近くて、白い光で部屋が満ちていた。娘に「起きてよ!」と促される。昨日遅い時間までたくさん泣いたから、あんまりうまく起きれない。多分娘はそれを察してくれて、一緒に横になってこちらを見ている。茶色の瞳がものすごく綺麗。こちょこちょしつつすこし話しているうちに、すこし元気が出て起き上がる。家中の窓を開けて壁についている扇風機をまわす。雨予報だったはずだが、ものすごく晴天だ。洗濯物をまわし、

        • 引っ越し、さみしい

           実家を出てから、ほぼ2年単位で家を変えてきた。どの家もそれぞれ好きなところもあれば、嫌いなところもあって、引っ越しはいつも旅みたいで楽しかった。ついこのあいだまで住んでた家は、はじめて5年住んだ家だった。庭文庫のある、笠置町内で賃貸の空き家が出るのをずっと待って、3年かかって見つけた家。猫を飼い、お隣さんと話し、娘が産まれて、大きくなった家。駐車場と家が遠くて、玄関まで人ひとりようやく通れるほどの狭い坂を歩いて登らないといけない家。大きくなりすぎた金木犀、水漏れで壊れてしま

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        • 庭文庫のこと、書いてくれてありがとう
          24本

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          なんか今日たのしかった

          朝、わりかし気分悪めで起床。体調というより、気分の問題。 食材がないので娘とバローへ行く。普段は平日に行くことが多いから、日曜日の午前に来たのは久しぶりだ。なんか殺伐としている。店員さんもいそがしそうだ。どっと疲れつつ、帰ってきゅうりとハムをたんまりのせた冷やしラーメンを食べて庭文庫へ向かう。 自然の哲学お話会あったが、大体わたしは最初と最後しかイベントに参加できない。娘とず〜っと遊んでいた。いつも娘を見てくれる保育士さんも今日は参加していた。「本当に、園ではしっかりした

          なんか今日たのしかった

          エイサー

          6年生のころ、学年でモテる男トップ3にはいるYくんが同じクラスだった。彼は勉強はからきしで、走るのも特に速いわけではなかった。大きな黒い瞳と、すこし天然パーマのかかった髪、おもしろい話をするわけじゃないが、話すといつも笑いがおこる。活発なチームにいるのに、声が大きいわけではない。背は低いがミステリアスな雰囲気があった。 授業はいつも不真面目で、ふざけていた。先生に隠れてカセットテープを持ち込んだり、たまに授業を、さぼったりしていた。先生は彼を叱るが、彼のことを憎めないとおも

          毎晩毎晩倒れそうだ

           夜になるたびに「倒れそうだ」とおもう。布団に寝転がってもおもう。体力がないせいかとおもっていた。恵那に来て8年。ほとんど車。30代も半ばに近づいた。体力が落ちたのだと、おもっていた。  しかしこの春、やってみれば10km2時間の歩きは結構余裕で歩けて、京都で自転車20kmの書店巡りも全然大丈夫だった。筋肉痛にもさほもならず、心地よい疲れがあった。もちろん、めちゃくちゃ寝はした。わたしにないのは体力ではないらしい。体力でないのだとしたら、おそらく気力が、ない。  そもそも

          毎晩毎晩倒れそうだ

          岐阜駅本の市 ふりかえり&反省

          3/2〜3/3 岐阜駅アクティブGにて開催された岐阜駅本の市のふりかえりを、忘れないうちに。 (経費、売上部分だけ有料にしています…) ▼イベント公式インスタ https://www.instagram.com/gifu.honnoichi?igsh=Y3FwMnZlejNlcmxk わたしたちは、3階で開催の小さな〝文学フリマ〟のような企画「Independent Publishing Market」に両日参加しました。 ちょうど娘もすこし手を離れてきたタイミングで、

          ¥350

          岐阜駅本の市 ふりかえり&反省

          ¥350

          自営5年目にしてようやく定まってきたこと

           組織を離れて、ももちゃんとふたりで店をやるようになって、1番困ったことは、時間の使い方だった。会社や市役所の中にいるときは、就業時間中に、やれる範囲でやれば良かった。おわらないものは、同僚や先輩にヘルプを出し、先送りにしてもいいものは時間のある時にやる。それだけでよかった。  自分でやると決めてから、やることの膨大さにくらくらした。目先のお金、予定も大事。ただそれだけじゃなくて、来年、再来年、もっと先のことを見た動きもないと、おそらく泥舟のようにズブズブ沈んでいくような気

          自営5年目にしてようやく定まってきたこと

          あたらしい今日

           今ではなく「いつか」へ、ここではない「どこか」へ、行きたいと、わたしは幼いころから、ずっとおもっているのかもしれない。それが沖縄でも、大阪でも、東京でも、恵那でも。  朝ドラあまちゃんの中で、「どこへ行ってもおなじよ!」と春子さんが言う。そうか〜???とおもっていたが、そうなのかもしれない。  今、と、ここ、がこわい。寄る辺のない宇宙みたいに広くて、掴む先がなにもなくて。  ながらくわたしは行き当たりばったりなのに、未来志向が強いなぁとおもっていた。近い将来、〇〇をす

          あたらしい今日

          産後が終わった、そして日々はつづく

           娘が2歳半になった。手が汚れれば自分で手を洗えるようになり、人形を寝かしつけ、猫とねこじゃらしで遊び、アンパンマンのキャラクターを愛す。一歳のときより野菜をあまり食べなくなり、走るのがぐんとはやくなった。  毎日、驚くくらいに新鮮に、かわいい。毎朝、毎晩、なんてかわいい子がわが家にいるんだ、といちいち感動してしまう。その感動と、当たり前に並行に新たな悩みや課題は常に出てくる。  娘が2歳半を過ぎ、ようやく産後が終わったような気がする。人生ではじめての妊娠、出産、産後はど

          産後が終わった、そして日々はつづく

           1日が24時間しかないこと、一生が長くても100年しかないことを受け入れられない。身体の有限性は、もう随分前からわかっている。ここにしかいない。頭の中では遠くへも行けることも。  この体のまま2000年生きたい。それが無理なことが無理。前世も来世も信じない。

           1日が24時間しかないこと、一生が長くても100年しかないことを受け入れられない。身体の有限性は、もう随分前からわかっている。ここにしかいない。頭の中では遠くへも行けることも。  この体のまま2000年生きたい。それが無理なことが無理。前世も来世も信じない。

          ビックラブを胸に

           庭文庫になる、古民家と出会ったとき、なんて美しい場所にある、なんて素敵な建物だろうと胸が高鳴った。坂を登って、途中にある大きなカヤの木を見て、山があって、きらめく木曽川があって、そうして茶色のあの、建物がある。どうしてもここで、古本屋をやりたいと、物件を借りられるまでに1年かかった。そうしてオープン前、徹夜で庭文庫に泊まり込み、本の値段をつけたり、もらった箪笥の引き出しを出して本棚にしたり、縁側から川を眺めたりした。  ずっとこの家にあるソファーに寝転んで、ここはまるでゆ

          ビックラブを胸に

          なにを諦めてきたか

           30歳を過ぎ、誰かが何を掴んできたかよりも、何を諦めてきたのか、それがその人の人生を決めるんじゃないかとおもうようになった。  別に、決まりはしない。人生の、決定打などどこにもない。毎日があるだけで、その毎日の中で、誰かがなにかを諦めている。  王様になりたかった。大富豪にも、イローンマスクにも、鈴木敏夫にも、茨木のり子にも、大江健三郎にも、古井由吉にも。  どれにもなれないまま、頭が痛過ぎて寝込む冬。  繰り返えす、人生の決定打はない。今日があるだけで、わたしは空

          なにを諦めてきたか

          ムーンビーチの朝

           娘はいつも通り7時前に起きた。窓から静かな青色が見える。朝日を見るつもりだったのに、寝過ごしたことを残念におもうが、ここは西海岸、そもそも朝日は見られなかったのだと気がついたのは浜に降りて、後ろのホテルの方から太陽の光が射しているのを見たからだった。「海へ行こう!」と娘が言うから、ももちゃんを起こして3人で砂浜を歩く。どの時間帯とも違う海。わたしは朝の海が好きだ。  娘は海に入りたがっていたが、まだ寒いからやめよう?と声をかけて足を洗う。タオルで簡単に拭いてそのまま外階段

          ムーンビーチの朝

          海のそばのホテル

           リゾートホテルだけがもつ、夜のこわさがある。清潔な真っ白なリネンの上で、ひとあし先に娘は寝息を立てている。窓を開けているから、外からはザザーザザーと波の音が4階のこの部屋まで届く。ももちゃんは煙草を吸いに外へ出ている。枕元のスイッチで部屋の電気を消して、娘の隣にもぐりこむ。天井が高い。同じこのホテルの中で、セックスをしたり、お酒を飲んだり、尽きない話をしたり、もう寝たりしている人たち、夜勤をしているだろうスタッフの人たちのことをおもう。今、このホテルに泊まっているすべての人

          海のそばのホテル