見出し画像

【性教育】ドイツ育ちが解説する「全裸監督」の観点から見た日独性教育の違い

前置き

みなさまはセックスは好きですか?
AVは好きですか?
私は下ネタが好きです。

そんな私は以前大変話題になりまして、
最近もまたシーズン2が発表され再度ニュースにもなった
山田孝之さん主演の「全裸監督」を拝見しました。

https://www.youtube.com/watch?v=nwQuK8XKlIE&feature=youtu.be

とっても面白い。興味深い。
ドイツのネットフリックスに登録しているわたしですが、実はドイツでも話題になっておりドイツ語吹き替えや字幕もあるぐらいです。

流石に日本語で見たのですが、やはりヤクザの表現やAVの言葉など日本語で伝わらないものはドイツ字幕を見ながら理解しました。

今回は3歳から10年以上ドイツ人とともに育った半分ドイツ、半分日本のアイデンティティを持つわたしから見た全裸監督について感想を述べたいと思います。

※こちらの感想はだいぶネタバレが含まれております。
ストーリーの中のネタバレというよりかは、映画を見た前提で
このシーンやあの人物、その背景をドイツの性教育と結び付けておりますので、そういうシーンとかもまだ知りたくない!って方はぜひお気をつけください、、、

AVの歴史について

ちょっと最初から過激的なことを書いてしまうと引かれるかなと思ったので、まずは単純に知識として面白いと思ったポイントです。

単純に女性だからなのか、知識がないからなのか。
・ビニ本
・裏本
・モザイク
・ビデオテープ
などなど、こんな流れで日本のAV業界が成り立ったのかという歴史の出来事として観れる魅力は十分にあります。

私はだいぶシモの話が好きな方なのでしみけんさんのTwitterとか見まくったり、シモな映画とかも見る方だったのでビニ本まではなんとなーく言葉として知っていたのですが、『モザイクの規制がこんなに細かいのか!』
『裏本ってやばいな。』『ドラックと同じようにAVをヤクザが流す?!すげー!』
とか本当ただこういうことを知識として得ることを楽しんだのですが、それ以上に日本の「変態文化」が出来合ったのはもうこの時代からやんっていうちょっとした怒りも感じました。

変態文化の原因は日本政府

ここからはわたし個人の見解であり、個人的意見になります。

規制。

刑事が言っていた「政府がわいせつと記したものは猥褻となるんだ」的な(すみません、細かく覚えておらず笑)言葉がまさに変態文化を見せています。

海外ではセックスなんて普通の話。
オープンで話、ドイツでは小学2年生にアニメのAVを見せられて正常位、騎乗位は授業で勉強しました。学校によっては14歳からコンドームの付け方も習います。

まず小2って7歳ですよ?
私はコウノドリが赤ちゃんを運んでくるんだとおばあちゃんから吹き込まされたばかりだったのに、ドイツの現地校ではお○んこをお○んまんに(失礼)入れるアニメーションをしっかりと見せられ現実を見せられます。

なぜか?

これはごく自然のことだからです。
私たちもそうやって生まれた。
こういうメカニズムなんだと学んだんです。
だからセックスは普通。

汚いものでもなければ隠さなきゃいけないことでもありません。恥じらいではないのです。

日本はどうだ?違います。
男女が触れ合うことすら汚い目で見たり、
下ネタは大きな声で話しちゃいけなかったり、
女の子がそんな話すると下品になったり
エロに対するマイナスイメージがあまりにも強すぎる!!!

でもこれは紛れもなく「政府」の規制がもたらした日本の負の文化であり、今ではその独特な文化はある意味芸術になり得るほどに発展したものでもあるのかなとこの映画を見て感じました。

隠すことへの興奮。
見れるか見れないかギリギリのライン。
女優を守るためのルール。

この規制に対する意見や言及がいろんなと出てきました。そしてネガティブなものもあればポジティブなものもあり、変態文化を生んだこの規制が「善」なのか「悪」なのか、わたしには大きな問題すぎて断言することなんてできません。

ただ、村西監督の言う「人間のありのままの姿を見せてはいけないのですか?」これにはやられました。

これがポイントなんです。
日本の多くの方、特に今の年配の方は未だに「ありのままの姿」を見せることや「欲」を見せることに対する負のイメージや恥じらいのイメージは強いと思います。

そういう家庭で育った方はそれを受け継ぎ未だにシモが苦手な方もたくさん私も見てきました。

(日本の少子化問題、忙しいとかそういういろんな理由もあると思うけど一部ここも原因なのではと思ってしまった。)

ドイツでは本当に「ありのまま」を幼い頃から見せ、これをある意味常識として捉えるように育て、恥ではなく人間の一部として受け入れさせます。

これを日本ではしません。
中学や高校でも保健の授業をしましたが、
ドイツほどストレートな教えはひとつもありませんでした。

あまりにも包みすぎて理解していない子もたくさんいたと思います。これは未だに残る政府の「規制」の名残に違いないなと思う上に、その恥じらいの文化は未だに根強く国民の意識に刷り込まれています。

【全裸監督】海外AV女優・アリソンの存在について

そんな中、村西は海外の有名ポルノスターアリソンと撮影に成功します。すごい。

でもそれが海外でびっくりするほど受け入れられない。日本はAV後進国であることを伝えます。そしてかなり侮辱されます。

わかります。
すごくアリソンの言いたいことわかる。

でも全裸監督が作るAVは「hot」に撮るだけではおさまらないほどの日本的文化が根付いた内容になっていました。

正直ドイツ帰国たての私だったら絶対にこの内容は受け入れていないんだろうなと個人的にも思いました。

幼稚に見えてしまう。
お遊びに見えてしまう。

これは物語調で映画のように楽しめる映像を提供して日本の恥じらいの文化をうまく通り抜けた技なんだなと。

日本人は繊細です。
本当にすごい。

女優の中身を重視したり、インタビューしたり、本人の良さを引き出そうとする村西は本当に日本では最先端なんだなと感動しました。

そしてこれはもう国民性である。

もともと「人間らしさ」や「個」をとても重要視する海外と、控えめで訳ありの日本人女優ではそれはもう色んな違いがあり、国によって求めているものが違ってくるのも当然と言えます。

そして村西さんらは日本の人形のような女優を人間に変えた。海外のように「個」として引き立たせた。

これは日本にとって本当に大きな変化なんです。すごい。村西さん。尊敬します。

【全裸監督】黒木薫の脇毛について

もうこの脇毛。感動いたしました。
実話であることも本当に驚きで、
黒木薫さんは本当に世界の最先端にいっていたとおもいます。

数年前、フランスや他の世界的有名歌手マドンナが男女平等などの運動で「脇毛を生やす」ということをしていたのです!

これも「ありのままの自分を認める」という点ではとても世界的に話題になり、この作品の中でも大いに驚き好感を持った点でした。

なぜかって?
この問題は30年前から変わっていないから。

今日本でどれほどの人が自分をさらけ出し、ありのままの自分を認めているのだろうか。
現代でも自己肯定感がかなり低い日本人ですが、そんな現代にも問いかけられ呼び掛けられているメッセージなのではないでしょうか?

まとめ

本当に全ての方におすすめする映画。
シモが苦手な方でも、AVやそう言った世界に対する偏見や差別、そう言った誤解が解けたり(グレーやブラックなとこもあるので解けなかったり笑) 日本の性に対する問題にしっかりと目を向けて見て欲しいなと思います。

これはただのAVの話ではなく、歴史であり、日本においての性教育の観点からもとても重要な素材です。

そして日本は性犯罪が本当に多いです。
痴漢という独特な文化が、国際用語となってしまうほどの時代です。

日本の性文化は遅れているのか、発展しすぎているのか。わかりません。

ただ村西さんは常に前を向き最先端にいる方であり、一番人間らしいこと、ここもまた学んでいくべきポイントなのかもしれませんね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?