父親は認知症⑪(終わり)
あけびーです。
今回で「父親は認知症」は終わりです。
何故かというと、両親が相次いで亡くなってしまったから。
前回から、かなり経っていて何から書いたらいいかわからないけど…
最初に亡くなったのは母親。
母親は7月に脱水症状で入院していて、亡くなる2日後に退院予定だった。
私は、母と直接話がしたかったので、退院日に合わせて帰る予定だった。(今のご時世で面会は出来ないから)
母親の入院の経緯は、父親が精神科に入院してから生きる気力がなくなったのか「食事を食べなければ死ねる」と思ったらしく、食べなくなった事で病院に連れていかれる羽目になり、医師と相談し私が入院させていた。
入院させられた事で、「死ねない」と感じ食事も頑張って食べ、退院日も決まっていたけど、「急性心不全」で突然亡くなってしまった。
病院との電話の聞き間違えかどうかわからないけど、私はまだ生きていると思って電車で帰っていた途中、施設の人からの電話で既に亡くなっている事を知った。(生きていると思い、叔父叔母に病院へ行ってもらっていた)
そこからは、わからない事ばかり。
まず、病院に遺体を昼までしか預かれないと言われたので(安置所がない病院)、葬儀社を探して、取り急ぎ病院から移動させるのが最優先だった。
どこの葬儀社を選べばいいのかもわからなくて、ネットで安そうなのにした。
そして、安置している場所に行くと母親の遺体があった。
施設に2月に入居させてからの再会。
遺体を見て、「本当に亡くなったんだ」と思った。
遺族は、頭の整理がつかないまま葬儀社とプランを決めなければならない。
私は、両親になにかあっても最低限の事しかしないと決めていたので(そもそも葬儀のお金も残してないからね)、一晩一緒にいて翌日には火葬するプラン(直葬)。
頭は回らないまま、実家に喪服を取りに行き、母のいる場所へ。
母親と二人きり。
「どんな人生だったの?やっと楽になれた?」
私が、母親の人生をわかる訳ではないけど…
夜には兄が駆けつけてくれた。(兄とは何十年ぶり!)
母親の傍で、久しぶりに兄妹で色んな話をした。
生きている時には、あり得なかった光景だったろうね。
兄とは両親を施設に入れた事から、連絡を取り合うようになって今までの思い違いを少しずつ溶かして、この日を迎えていた。
遺体の前で、二人にしか分からないものもあると思った。
母親の火葬日には、母方の親族が来てくれて皆で母親を見送った。
そして、お墓がない私達は本家に母の遺骨を入れてもらうようお願い。
承諾してもらえた事で、母の納骨まで兄と二人で見守ることが出来た。
その間に、役所の手続きを兄がし、本家までのレンタカーの手配や家の事を私がした。
そして兄もやっと戻れ、私は友人宅で体を休めてた時に父の訃報。
父は看護師さんの朝の見回り時に既に亡くなっていて、死因は「下血による失血死」。
母が亡くなった後、父の悪口?を軽く言ってたのは、父がまだまだ長生きするだろうとの前提だったけど、母の8日後に亡くなった。
友人の車で病院に行き、看護師さんに父のそれまでの様子を聞いた。
認知症の人は、自分の具合を把握し説明できないので原因は解剖しないと判断できないと言われた。
父の遺体と対面した時は、母とは違って感情が出なかった。
母と同じ葬儀社に頼み、自宅飾り(自宅で遺骨を安置する簡易祭壇)はもうあるので要らないと交渉したら遺族宿泊代(55,000円)を値引いてくれた。(遺族が遺体と一晩一緒にいるだけで追加されるオプション!)
母と同じ安置場所にしてもらい、兄はとんぼ返りで戻って来てくれた。
父の時は、母の経験があるので、ある意味段取りがわかっていたので慣れたものだ。
違ったのは、火葬日に兄妹だけ。
父の親戚には知らせたが、皆高齢で具合の悪かったりするのもあるけど認知症時に親戚に電話をかけまくり「お金を貸してくれ」と言っていたことで電話拒否されていたのも大きい。
納骨は葬儀社の方に聞いた永代供養。
父と母は別々。
うちの家族らしい。
兄は一足先に戻り、私は家の片づけを少しして今はそれぞれの場所に戻っている。
残るは、実家の名義変更手続きと実家を売却するかどうか。
不動産の名義変更は、この上なく面倒くさい。ネット検索するだけで嫌になる。司法書士に頼めば10万円越え!
「お役所さん、なんでこんなに複雑なんですか?」
「人が亡くなるのは、当たり前の事なんだから、もっと簡単にして下さい」
「遺族の負担が大きすぎます」
と声を大にして叫びたいぐらい。
誰かが亡くなるのも、システムの中にある。
手続きに次ぐ手続き。お金もかかるが、身体がついていかない。
心も体も、まだフワフワしている。
施設へも病院へも私の判断で入れた。
タラればの事を考えても仕方ない事もわかってはいるけど、両親の人生が良かったとは思えない。
それは、私の考えだともわかっている。
今は、まだ悲しみも少なく大きな感情は出てきてない。
でも、私の負担を軽くするために両親は早く逝ったのではないかという思いが沸き上がってくる。
ここで、このシリーズは終わりです。
不動産の事で、気が向いたら番外編を書くかもしれませんが…
では。
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