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サワードウはじめました

STAY HOME中にひょんなことから始めたサワードウパンづくり。やってみてつくづく思うのは、サワードウって魔性だな〜ということ。裏切られたり振り回されたりしているうちに、いつの間にかサワードウのことばかり考えている自分がいます。そうなったら結構なところまで沼にハマっているということです。

サワードウとは、天然酵母のパン種のこと。ドライイーストではなく、小麦粉と水から起こした生きた菌を使います。老舗のうなぎ屋のタレみたいに継ぎ足して使い続けていくもので、アメリカでは開拓時代から代々引き継がれているその家ならではのパン種があったりするそうです。うなぎ屋のタレというより、ぬか床ですかね。

サワードウで作るパンは究極のスローフードでもあります。天然の菌がスローな発酵プロセスの中で色んな物質を出し小麦の風味を深めてくれるので、発酵にかける時間が長いほど味わいが出るそうです。現在日本の7月で、気温と湿度が高すぎて発酵が短時間に進んでしまうため、あまり長い時間発酵させておけない環境ですが、それでも充分味わい深いパンだなあと焼く度に思います。冬になればもっと美味しいパンができるのかと思うととても楽しみです。季節や気温によって出来上がりが違うのも、面白さのひとつだと思います。

パンの出来を左右するファクターは、粉の種類、水の割合、発酵時間、オーブン予熱時間、温度、焼き時間など実にたくさんあります。加えて気温と湿度とサワー種の個性にも大きく左右されるので、単純な数値管理だけでは到底コントロールし切れないのが魅力。完璧を求めれば求めるほど、気がつくとその虜に。ファムファタルに出会っちゃった気分です。

でもサワードウパンって上手くいかなくても美味しいんですよ。ちょっとぐらい発酵に失敗したって、うまく膨らまなくたって、切ってみたら変な気泡が出来てたって、旨味と風味はちゃんとあるんです。失敗パンも全然旨い。旨ければ失敗じゃない、とも言えますしね。

最後に、私はこのサワードウパンづくりの何が好きかって言うと、そのミニマルさなんです。材料は小麦粉と水と塩。以上。バターも砂糖も油も牛乳も使わないシンプルさ。3つの材料の割合と扱い方とタイミング、そして環境から織りなされる小宇宙。そにある無限の可能性に惹かれてしまうのです。万物の起源もこのくらいシンプルだったはず。ロマンを感じませんか?

さて、そんなサワードウパン、具体的にどうやって作るのか? 次回はサワードウパンの作り方をできるだけシンプルにお伝えしたいと思います。

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