「誠意って何かね？」ー島の国から2021ー

MIKAです。
今回は私の中学時代の苦いエピソードをお話ししたい。
私には中学の時に仲の良い友達がいた。Eちゃんだ。彼女はとっても頭が良くて純粋でまっすぐな人だった。
彼女はよく私の車イスをおしてくれた。私はそれがとても有り難かったし、何よりも彼女と並んで話している気分になれて楽しかった。
あれは放課後、彼女が車イスをおし外に出ようとしたとき、20センチ位の段差を前からそのままおりようとしたのだ。その時、きちんと制止して危ないから後ろから降りてほしいと言うべきだった。
だが、押してもらってる引け目があって言えなかった。いや、嫌われたくないという保身だったのだと思う。

そして、車椅子ごと転倒し、数ヵ所骨折をした。その時、Eちゃんは目から大粒の涙を流していた。その涙をみたとき、

私はなんて事をしてしまったんだろう。

そう思って胸が張り裂けそうだった。Eちゃんの善意を心の傷にしてしまったのだ。
彼女の立場で考えればEちゃんが危険を察知できないことなど、中学生の私でも予測できたはず。そうすれば遠慮なんかしてる場合じゃないと気が付けたのに。もう後悔しかなかった。
Eちゃんの親御さんが後に菓子折りを持って家に来てくれたらしく、その時の親御さんの気持ちを想像したら自分がしたことの重大さを思い知らされた。

恐らく人生で一番人を傷つけた瞬間だった。

この時、相手の立場に立って考えることの大切さを思い知らされた。
退院後、変わらず笑顔で車イスをおしてくれたのが本当に救いだった。

話しは少し変わるが、とある知人の女性がある日、自分勝手なことをペラペラ話していたので、相手の気持ちは？と聞いたら、「相手の気持ちなんて考えてもわかんないんだから、考えても意味がな～い♪」と言われた。

衝撃だったが、確かに一理ある。確かに人の気持ちは考えてもわからない。感性は人それぞれ違うから。むしろわかった気になって決めつけるのは危険だ。
じゃあ、考えても意味はない？

以前、私の気持ちがわからないの？と言ったら、「わかりません」と一蹴された事がある(笑)あぁ、わかろうとする気がないんだなと思って諦めた。すごくショックだった。

確かに分からないが、あなたの気持ちをわかりたいという意思表示が相手の気持ちを考えるということにつながるのではないか？

私は相手の立場に立って考える、相手の気持ちを考えるということは私なりの相手への誠意だと思っている。

そして、これは無意識にはできない。だから、意識的に考えるようにしてきた。
また考えすぎも要注意だ。自分の気持ちが置き去りになって自分が傷つくことになる。それで何度も傷ついてきた。

だが、考えるのをやめようとは思ったことがない。やはり、人には誠実でありたいし、誠意を持って接したい。
人の心を雑に扱いたくないのだ。ついでに言うと、だから私の心も雑に扱わないで欲しい。。(切なる願い)

皆さんはどう思われるだろうか。意味のないことをしていると思われるだろうか。

「誠意って何かね？」と北の国から'92の菅原文太さんばりに問うてみたい。