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瞑想のあとに世界は一変し、そして過ぎ去りゆく|Soul Speaks 丸裸な霊的体験のストーリー
遠くに富士山が浮かぶ。その頂上の一点を見つめながら瞑想を始めた。
日中の雑事で迷子になったたくさんの魂の欠片達。拡散という恐ろしいほどの積み重ねは、感性を鈍らせるはずだった。激しく静かな集中が、迷子の魂を今ここに引き寄せ、生命は息を吹き返す。
時間が消えたのだった。
今ここに、ただ立っていた。
瞑想が終わり、無性に走りたくなった。
川沿いの土手道を走る。夕日に浮き上がる富士山が目に入る。
その周りに続く山々の稜線の形状が、これほど美しかったかと驚く。まるで沢山の菩薩が横たわっているかのように、柔らかく不規則、センシュアルで神々しく。
夕日の細かいグラデーションを眺めながら、空の中を走っているような、
世界はこれほど美しかったかと思いながら。
この世界を、自分の庭のように毎日走り、歩き、生活してきた日常が、どれほど贅沢なのだろうと感じた。遠くにある美しさを求めていた自分が、今では、この日常のいつもの景色に、手放しでただ感動していることに驚く。
地面に着地する片足は、そのつど美という泉の中にある。一歩一歩が今という美の終着点だった。向かう先はなく、来た場所もない。永遠に今に到着している喜びだった。
ススキは夕日と同じ色で輝きながら、ただ揺れている。空の橙と、ススキの橙は同じリズムで共鳴する。
美しく色づいた葉っぱたちは、陽が沈み、色を失くし始めている今も、同じように美しく佇んでいる。暗闇の中で、誰も気が付かなくても、その色は褪せず、明日の朝日には、違う色を顕す。
沈みゆく夕陽の中で、百億の橙を映しだす川は、留まることなく変化し続け、世界にどれだけの色が存在しているのかを証明し続ける。
全てが光と闇に共鳴したひとつの世界。これほどまで美しい世界に住んでいたなんて。
さっきまでの濁った世界はどこへ行ったのか?
私が濁れば世界は遠し。私が澄めば世界は涼し。
霧散した魂が全て此処に戻ってきた生き物は、世界の中で感嘆する。。。。
家に帰ると、急にカボチャの煮物が食べたくなった。冷蔵庫にあったカボチャをザクザク切って、鍋で煮た。美味しくないわけがない。そんな喜びも同等の美しさ。
(Photo: ©MikaRin)
今の自分にピッタリな瞑想に出会ったりすると、思いがけず、今までの体験を統合して、あっというまに超越することがある。
状況は同じでも、まるで未知の惑星に降り立ったかのように。
そしてそれもまた、過ぎ去りゆく。。。。
~MikaRin~
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