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透明化のパラドックス|フローティング・ジョイ

  いろいろなものが
  風に流され
  消えていく


  沢山の大切だったものが
  もはやそうではなくなり

  そうではなかったものが
  ふと
  大切な欠片であることを知る

  それでも次々と
  手を離れていく
  自我さえも

  そうして
  透明になればなるほど
  私は後退しているように思える

  透明な視点でみると
  透明でないものが
  余りにもはっきり見えてしまい

  毎日毎日
  湧き上がる不透明さに
  失望する日もある

  我に返り
  慌ててその重たさを
  手放せば手放すほど

  執着に埋もれていくように

  そういう時に限って
  とんでもなく透明だねと
  不用意にほ褒めたたえられ

  私の中には
  大きな疑問符が浮かび

  ぶつぶつぶつ
  うらうらうら

  透明化のパラドックス

  ぶつぶつぶつ
  うらうらうら

  そういう時は
  風に吹かれればよい

  私はとっくに
  どちらでもよくなっている


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(photo: ©MikaRin)








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