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食べ物トラウマシリーズ「きしめん」

みなさん、食べ物にトラウマはありますか?
私は食べ物にトラウマが多すぎて、摂食障害がなかなかよくなりませんでした。トラウマを癒すために、トラウマが出てきたら文章やラップなどにしています。

断れないのに失敗すると暴力を受ける死にゲー「おつかい」

小学校2年生の頃です。おかあさん方の祖母から、きしめんが送られてきました。美味しいきしめんでした。ある朝私は近所の友達の家に、きしめんをお裾分けするようにおつかいを頼まれました。

「この袋に入っているから」

と袋を見せられ、理解した私は、翌朝袋を運びました。

2年生の子供が運ぶにしてはかなり重い袋だったと思います。でもおかあさんの期待に応えなければならないので必死に運び、友達のお母さんに渡せたのです。

私はホッとして学校へ行き普段どおりに過ごして帰宅しました。

帰宅すると、鬼のような形相したおかあさんがいたのです。
余っているきしめんでバンバンと殴られました。
おかあさんは金切り声をあげていました。

痛みはあまり覚えていないけど、衝撃が凄かったのと、おかあさんの顔が怖かったのと、金切り声をあげていてまさに鬼だったなあというのは覚えています。

実は何があったかというと、

その午前中、私の友達のお母さんから電話がかかってきて、

「きしめんありがとう、たくさんいただいたから一緒に食べましょう」

とおかあさんは誘われ、「どういうことかな?」と思いながらも、私の友達の家へ行ったそうです。

すると、その友達のお母さんは

「みかぽんちゃん、多いの持ってきちゃったんでしょう?悪かったわね。みかぽんママに話すかどうか迷ったんだけど、こういうのは分かりやすいようにちゃんと教えてあげなきゃダメよ。」

その友達のお母さんは、おかあさんよりも一回り位年上で、先輩ママです。友達のお母さんに注意されたおかあさんは恥ずかしかったのか、プライドを傷つけられたのか、とにかくわたしに対して怒り狂っていました。

きしめんで叩かれた背中は、あの時の痛みや衝撃を覚えています。

わたしはしばらく、自分自身の失敗を自分へ責め続けました。わたしがぜんぶ悪いんだ、わたしのせいでおかあさんは恥ずかしい思いをしたんだ。悪いのはわたしなんだ。でもどうしたらいいんだろう?

おかあさんがわたしに初めてきしめんを食べさせてくれて「美味しいね」と言い合った笑顔が目に浮かんできて、きしめんのうどんにはない食感を思い出して、もうあんな気持ちできしめんを食べることはできないんだなと思うのでした。

おかあさんの笑顔を奪ってしまったような気がして、私は自分を責めました。

でもやっぱり暴力はいけないね

おかあさんの笑顔を奪ったとかきしめんという財産を失ったとか色々ありましたが、どんな理由があっても、やっぱり暴力はダメだと思います。

当時の私は暴力を受けなくても自分が間違ってしまったことや親の笑顔を奪ったと理解していました。

私の「おかあさん」は自分の行く宛がない気持ちを子供に暴力を振るうことでしか解消できない未熟な人間なんだと思います。

発問が悪かったんだよ

私は小学校教諭として多くの子供を支援させていただきました。

小学校2年生の子供に、見た目が全く同じ袋のどちらかを示して運ぶように指示した場合、半数くらいの子供が間違えると思います。

母親は重さについての指示を出しませんでした。

私なら、両方をもたせて、
「この軽いほうがお友達のおうちに持っていくほうだよ。重たい方は家で食べる方だよ。家族の分だからね」
とはっきり示すと思います。

指示を出した後に子供が失敗したら、教員というのは

「発問が悪かったかー」と言います。つまり、自分の指示の仕方や言葉の選び方、見せ方が悪かった、と捉えるのです。

この場合も「発問が悪かったな」レベルの問題でした。

「おかあさん」人を理解する力が弱い

私は視覚認知の弱い子供だったはずです。waisⅢを2回受けましたが、2回とも知覚統合の値が低かったです。一回目は70台で二回目は99でした。

視覚認知が弱いと知ったのは大人になってからです。
発達障害の診断が降りる時、親からの聞き取りが行われました。

私の母親は、「忘れ物は多かったけどそれ以外は普通だった」くらいしか答えることができませんでした。

実家で見つかった子供の様子を記録していく絵本はスカスカで、母親は自分のことを殆ど見ていなかったんだとわかりました。

目で見たものを間違いやすい子供だということ、多くの子供は見ただけで量感を掴み理解することが難しいことを知らなかったようです。
つまり、2年生のわたし、頑張ってよく運んだよ。偉かったよ。ってことです。

もし、自分が親だったら、2年生の私にこんなふうに声をかけてあげたいです。

「おかえり。今朝はきしめんはこんでくれてありがとう。重かったんじゃないかい?実はね、あれ、おうちで食べる方だったんだよ。おかあさんも、ちゃんと確認しなかったからいけなかったね、あげちゃったのはしかたないから残念だけどこの少ない方のきしめんを食べようね。」

ラップでトラウマ吹き飛ばそうZE☆

そんな切ないトラウマは、ラップで癒すのが一番なのです^^

トラウマのフラバがひどい時はラップが効果的で、衝動的に書き起こしていました。

フラッシュバックが酷い方、ラップはおすすめです。

2020年3月8日はてなブログにあげた記事をリライトして加筆しました。

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