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パーソナリティについて考える

最近読んだ書籍についての感想です。

自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義 ブライアン・R・リトル氏著 児島 修氏訳 大和書房

パーソナリティ(個性または性格とひとまず定義します)について考えない日はないと思う。物心ついたときから、自然と自分とは何だろうと考えるようになった。

真面目なタイプ、暗いタイプ、見た目が怖いと言われる一方で、天然なタイプ、明るいタイプ、優しい人間と言われる事もあった。

矛盾するタイプに翻弄されてきたが、パーソナリティはタイプだけではない事がこの本を読んで、理解できたように思う。

パーソナリティは、タイプより尺度で理解する方が分かりやすい(特性の強弱)。遺伝的な影響は大きいが、出来事や周りの環境等様々な要素で変化する。

パーソナリティを理解するために、この本が推奨する”Big Five Test”を行ってみた。

その内容は、10問のテストに7段階評価で答え(詳しくは書籍で)、「誠実性」「協調性」「情緒安定性」「開放性」「外向性」の5つの分野で、評価点を計算する。

【結果(昇順)】
1. 開放性
2. 誠実性
3. 協調性
4. 外向性
5. 情緒安定性

自身の場合、開放性が最も高い点数だった(6点)。正直驚いたが、開放性の説明を読むとやや納得するところもあった。

下記はその特徴を、抜粋したものだ。

誠実性 - 「計画性がある」「規律正しい」「注意深い」「忍耐強い」等あるが、変化に弱く混沌とした環境は苦手。

協調性 - 「感じが良い」「協力的」「友好的」「同情的」等

情緒安定性 - スコアが低いと主観的な幸福度が低く、ネガティブな感情を抱きやすい。またスコアの低い人は、”扁桃体(危険を察知する脳の器官)”が過敏であることが分かっているらしい。よって、慢性的なストレスを抱えやすい。

開放性 - 「新しい事を受け入れる」、クリエイティブ。不安やうつ、敵意などのネガティブな感情を経験しやすい。

最後に、外向性の特徴。

外向性(型)は、情緒安定性と共に研究対象になる事が多い。外向型の反対は、内向型。それぞれは、脳の新皮質の特定領域における覚醒レベルに違いがあるらしい。外向型の人は、普段の覚醒レベルが低く、内向型の人は、高い状態にある。日常生活では、外向型は覚醒レベルを上げようとし、内向型はその逆になる傾向がある。

それぞれの特徴をまとめた。

外向型 - 刺激を求める傾向。熱い議論の場でこそ、パフォーマンスが高まると知っている。質より量を重視。報酬が動機となる。

内向型 - 刺激を避ける傾向。刺激の多い状況ではパフォーマンスが落ちるとしっている。周りからは人づきあいが悪いと誤解される。量より質を重視。罰を避ける動機で動く。

ちなみに、”Big Five Test”の外向性のスコアは、中間レベルになることが多いらしい。これら2つの型は、実生活の人間関係でも見られる。分かりやすい例えだと、自分から発言する人とそうでない人、スピーディな人とゆっくりな人。日頃のコミュニケーションでは、どちらの傾向が強いかを見極めて、伝え方の工夫を図りたいと思った。

その他にも、”セルフ・モニタリングテスト”、”ローカス・オブ・コントロール”、”ハーディネス”、”クリエイティブ度”といったパーソナリティを知るためのテストが紹介されている。自身の結果を見る限り、遺伝的な影響だけでなく、そこから派生した過去の経験が現在のパーソナリティ形成に影響しているように感じた。

パーソナリティは変わるのか、変えられるのか。自身が最も関心を持つ点である。パーソナリティは、遺伝的な影響を受けつつも、その人のパーソナルプロジェクトが関与している。パーソナルプロジェクトとは、生涯をかけて取り組む目標だけでなく、個人が日常生活の中で取り組む行動も含まれる。人は平均して15のパーソナルプロジェクトに取り組んでいるらしい。

自分のパーソナルプロジェクトをざっと考えてみる。計画する上で大切なのは、自分で決めた行動・計画なのか、成功の見込みがあって、コントロールできるかだ。さらに、数値化すると具体的になって達成しやすい。達成が困難な計画例としては、"あの人の性格を変えてみせる" なんていうのは、成功には程遠いという事だ。

パーソナルプロジェクトは、場面に合わせて変化させる必要がある。そして没頭しすぎて疲れた場合は、多面的な自分を受け入れ、回復するための場所を見つける必要もある。計画を見直す時間も必要なのだ。

自分の軸であるコアは何か。本の最終章では、”コア・プロジェクト”を見つけるように推奨している。人生において重要であり、価値観に沿った、自己表現できるプロジェクトである。

ここからは自身の経験談でもあるが、人は変わる事ができると私も思う。開放的で外向的だった20代の経験が、現在の内向的な行動のベースになったと感じる。計画と準備を十分に行えば、時間を無駄にせずに結果を出す事ができると考えるようになった。人生も後半に近づき、コア・プロジェクトに取り組む用意もできたと感じる。

最後に、

この本を読み終えて、自分の中に抱える矛盾を見つめなおす事ができたように思う。考えと行動が違う場合、クレイジーな人間だと思う事が多かったが、パーソナリティだけでなく、その時のパーソナルプロジェクトが関係しているんだと考えると納得でききた。

皆、同じ特性を持つ同士であり、タイプで分ける必要はなく、尺度で理解しようとすれば、受け入れられる事はたくさんある。社会と繋がりを多く持つ方が、幸福度(幸せだと感じる気持ち)は上昇しやすいらしい。これからも、相手のパーソナリティを尊重しながら、自分が社会の中で楽しく自己表現できる場所を探し求めて行きたいと思う。

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