お菓子な観光

正月連休初日。

「旅行行きて～～～～～～～～～～～～～～」

ベッドの上からスマホを眺め、
行く気のない嘆きは、白い天井に反響し消えていく。

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SNSで飛び交う旅行写真。

私も観光がしたい。

だがしかし、当方出不精。
触発され突き動かされるも、どこか面倒な気持ちが身体を重くする。

だがしかし、現在正月。
『正月』というシーズンブランドが自分の身体を突き動かそうとしている。

「観光してぇ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～」
「家にいてぇ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～」

「助けてぇ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～」

？「お困りのようだな！」

私「あなたは！？」

ご当地プリッツ！

そうか！

だったら！

家で観光地を楽しめばいいじゃないか！

【用意するもの】

• PC

• ご当地お菓子詰め合わせ

【手順】

1. パソコンのストリートビューで観光地にアクセス！

2. ご当地お菓子を食べる！

俺の観光はこれからだ！

今回のご当地メンバーを紹介するぜ！

『まろやかさが旨味を引き出す！』

①北海道の味！北海道バター！

『胡椒の香ばしさが食欲を掻き立てる！』

②東北の味！牛タン！

『甘みと塩味のコラボレーション！』

③信州の味！信州りんご！

『鼻に抜ける爽やかさ！』

④東海の味！沢わさび味！

『ソース香る！』

⑤首都圏の味！東京もんじゃ焼！

『ほんのり苦味が後を引く！』

⑥中部の味！西尾の抹茶！

『かつお節の味わいがクセになる！』

⑦近畿の味！たこ焼き

『甘辛タレが食欲を刺激する！』

⑧中部の味！手羽先味！

『ピリ辛はお好き！？』

⑨九州の味！博多明太子！

以上だ！

さぁ！観光の時間だ！

口の中は旅行中。
お腹の中は観光地。

お正月はここからはじまる。
素晴らしい一年の始まりだ。

世界に始まりを告げよう。
あけましておめでとう。

俺の新年はこれからだ！

そしてこのご当地プリッツ！

なんとお正月を楽しめるよう、
【すごろく】が用意されている！

みんなですごろくで遊ぼう！

「おぉ！」

・

・

・

「みんなってなんだ･･･？」

私は一人しかいないのに。
何故『みんな』という単語が出てくるんだ？
心を射る胸の痛みは･･･。この感情はなんだ？

こんなの！

こんなのもの！

一人で遊んでやるわ！

結果

「楽しい」

ー完ー

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別れはいつだって、誰にだって訪れる。

観光に別れは付き物。お菓子が無くなったのだ。
ストリートビューを閉じる虚しさは、観光地との別れに等しい。

暗くなった画面には、別れを惜しむ自分と、頬の涙が反射していた。

でもちょっと待って！
これだけじゃお腹が空いちゃうよ！

？「そこのお前ー！」

私「あなたは？！」

次回『私のお節は完成メシ』
TO BE CONTINUED