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【からだケア】私の仕事風景
私「おはようございます、この1週間はどんな感じでしたか?」
Sさん「歩いて2〜3分で重たくなってたのに、買い物に行く往復10分の間、腰が重くならずに歩いてこられたよ。
しびれも少し楽になったね。」
私「おお!よかったですね!
重くならずに歩けると体も気持ちも楽ですよね。
ちょっと立ち上がりを見てもいいですか?
ああ、いいですよ、すごく。
ちゃんと腹筋使えてますね。
今までは背中の筋肉で立とうとしてたから。
うんうん、だいぶいい感じですね。」
これは今朝の患者さんとの会話。
腰部脊柱管狭窄症と診断された80代男性で、筋肉のバランスを整えていったら、なかなかいい感じの効果が出てる。
うつ伏せで見てみると腰椎の3番あたりが筋肉で左に引っ張られていて、背骨の位置関係もあんまり良くなくて。
背骨の位置関係を整えてから体幹の筋肉をしっかり鍛える、という治療方針でやってきて、今日が4回目。
うんうん、いい感じ。
腰部脊柱管狭窄症というのは、加齢などによる背骨の変形で神経を圧迫し、腰や足に症状が出るのね。
典型的なのは歩き続けるとふくらはぎ辺りに症状が出て、座ると楽になるというもの。
歩くと腰がやや反るんだけど、その反りが神経を圧迫してしまうから症状が出ちゃうのね。
買い物カートを押して歩いたり、背中を丸めて歩けば楽だったりするけど、誰も背中を丸めたくはないからね。
いろんな症状が併発することもあるけれど、腰を反らしたときと歩き続けるときに症状が出ることが多いのね。
Sさんもそんな感じで、歩き始めて2〜3分だから結構早い方かな。
姿勢を見てみるとお腹が少し突き出て腰が反っていて、これは確かに症状出やすいかもしれない。
歩き方や筋肉の使い方を見ていると、足が後ろへいくときにお尻の筋肉を使えてなくて、腰を反らせてる。
これも症状悪化させやすい使い方。
また、お腹の筋肉がうまく使えてなくて、グラグラしてる。
片足立ちも5秒くらいできるけど、不安定。
うーん、確かに腰に負担がかかりそうだぞっと。
治療は腰に負担がいかないように、他の部分で頑張ってもらえるように促すのね。
腹筋の活動性を上げて動作で使えるようにしていくのと、お尻の筋肉をちゃんと使えるようにする。
背骨の位置関係ももちろん整えて。
最初は練習してるとご本人も自分のグラグラ加減にビックリしてたな。
こんなに筋肉がうまく使えてないのかって。
なかなかそんなこと自覚する機会ないしね。
立って歩けてたら大丈夫って思っちゃうよね。
あと、練習しながらふと疑問になって聞くと、布団で寝てるんだって。
で、朝起きるのが大変なんだって。
なんか腰に負担がかかってそうだなって思って、起き上がりのやり方を見せてもらったら案の定で。
私「こっちのやり方の方がいいかもしれません。」
Sさん「ああ、楽だ。こんなやり方あったのか。」
私「腰に優しい生活ができると、もう少し楽になるはずですよ。
練習を見てるとしっかり使える筋肉はありそうなので、ちゃんと使えるようにする練習していきましょうね。」
なんとなくいい感覚で終われるとき、大抵相手もそうだったりする。
Sさん「次も楽しみにくるよ。」
歩く姿が最初よりもしっかりしたなぁと思いながら、後ろ姿を見送った。
治療の効果はその人の持っているからだのベースや運動機能障害の重ね着具合で人それぞれだけど、この方は比較的スムーズに効果が出たと思う。
私ね、仕事のことを考えているときって幸せ。
うまくいかないこともたくさんあるけれど、いろんな人との出会いがあり、笑顔も見られるから。
あとはやっぱり経験なんだと思うけど、どうしたらいいか、の見通しが立ちやすい。
いっぱい見てるからだよね。
私はやっぱり仕事が好きだ。
歩き方や姿勢を見るのが好きだ。
筋肉を触って筋肉の声を聞くのが好きだ。
患者さんの笑顔を見るのが好きだ。
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