夫との会話で世界が広がる
昨日の夫の言葉。
夫「人は信頼していいけど、簡単に信用はしない方がいい。」
私「信頼と信用は違うの?」
夫「信頼っていうのは、信じて頼るってことでしょ?
頼るっていうのはどんどんしていいと思う。
でも、信用ってのは、信じて用いるってこと。
これはかなりリスクが高い。
信じて話を聞くのはいいけど、自分がそれを用いる、つまり実行するのは気をつけた方がいい。
ちゃんと自分でも調べて、それをすることのリスクもちゃんと把握した上で、ジブンゴトにしてからやるべきだと思う。
それは自分を守ることにもつながるしね。」
私「ああ、そういうことか。
確かにね。
人に言われたからそのままやるっていうのは、自分に対して無責任に感じるしね。
何事もジブンゴトにするって大事だね。
その判断や決断が怖かったり、不安があるからついその通りにやって、怒られたらだってあの人がそういうから…みたいに逃げ道欲しくなったりするもんね。
てことはさ、他人は信頼し、自分を信用しろってことかな。
自分を信じて実行するって大事よね。」
夫「そうそう。」
私「信用と信頼…深いねぇ。
簡単に信用しろって言わないようにしよっと。
で、信頼されるような人になろうっと。」
夫「オレはみかんちゃんのこと、信頼してるよ。」
私「軽いなぁ。わかってるけど、言葉で言われるとめちゃくちゃ軽く感じるわ。」
夫「なんだよ、それ。(笑)」
話しながら思ったよ。
こんなふうにいろんなことに線引きをしていくって、心が落ち着く。
人との距離感を振り返る
夫との会話でハッとしたことがあって、私は自分の中の「人との距離感」について、振り返ることにしたよ。
私ね、自分から行く人との距離感が近かったの。
ちゃんと関わらなきゃ、わかってあげなきゃ、気を遣わなくちゃ、ってすごく前のめりで。
それは義務感というか、そうやって生きていかなきゃいけないんだ!みたいなやや強迫的な想いからの行動だった。
距離感が近いことも、自分の心地よさとか、自分のありたい姿ならいいと思うのよ。
近くてわかりあえると嬉しい、心地よいっていうのなら。
だけど、私の場合は多分、「そうすべき」とか「そうやって生きていかなきゃいけないもの」みたいに決めつけて頑張ってやってた、みたいな感じで。
だから、グイグイっとその姿勢で近づいていって、目の前の人が心を開いてググーっと私に近づいてくると、近すぎる!って離れようとしたくなった。
私は近づかれるのが実は苦手なんだ。
最近まであんまり自覚なかったんだけど。
自分の動きが狭まることがしんどいのよ。
目の前の人を傷つけなくないし、嫌な思いはさせたくないんだけど、自分は自由でいたいのね。
それにはある程度の距離感って必要なの。
でもね、その自覚がなかったから、というか距離が近いことがいいことだって思い込んでるものだから、必死に近づいちゃってた。
そうなると自分も苦しいのに。
夫はね、私が近づくことを受けとめつつも一定の距離を常に保てる人だったから、すごく心地よくて。
だからここまで続いてる。
近くなりすぎたら、絶対に続かないもの。
私は大抵近くなりすぎて、ちょっと離れるっていうのを繰り返してきて、今は友だちとはLINEや数年に一度会うくらいの心地よい距離感に落ち着くと続いてる、みたいな感じ。
職場のスタッフの人とは毎日会うから、逆にある程度の距離を置いておかないと続かないっていうのもわかってきた。
人との距離感が近いのを楽しめる人っていうのは、元々距離が近いのが心地よい人と、心の距離を置けるから物理的な距離が近くても大丈夫な人とか、そんな感じなのかなって思った。
私はそういうタイプじゃないのね。
多分、心の距離は近くて、物理的には距離が離れてる方が安心する。
そして、ここ最近気づいたのは、自分との距離感ね。
これも近かったのよ。
自分がいて、すぐそばでじっともう1人の自分が監視してる感じね。
で、いろいろ見てはいちいち文句言ったり、責めたりしてた。
母親がそんな感じの人だったかも…距離が近くて、いろいろと見えちゃうと言わずにはいられない人。
そういう立場の人間を、いつしか私は自分で設定して、自分の監視役に置いたんだと思う。
そうすれば、親に言われる前に自分で対処できるから、いろいろ言われなくて済むのよ。
その監視役がいるおかげで、私は周りから怒られずに済んでいたし、結果的には優等生ポジションで安心感を得ていたと思うけど、いつでも心の中はビクビクしちゃってたかもしれない。
監視役の能力以上のことを言われると、やっぱりできないしね。
レベルの高いことを言われると、監視役のスキルアップを目指して頑張らなきゃって思っちゃってた。
こうなると苦しい。
自分で自分を常に監視してさ。
実は、今の職場の上司がその監視役を上回る人で。
思ってもみないことを指摘してくる、感情のコントロールが効かなくて状況によって言い方に差があり過ぎる、真面目に受け取るとかえって状況が悪化する。
メンタルが落ちてるときにやられると、私が仕事に支障をきたすほどだった。
周りは自分の守り方を強化して、うまく適応していたけど、私、そういう緊張感が伴うのって好きじゃないの。
仕事は楽しいのに、その空気感にいつもやられてしまって。
上司の考えや作り上げてきているものが嫌なわけじゃないんだけど、人を動かすのは下手だと思うし、結果つくられた空気感は好きじゃなかった。
こういうことも、分析して理解するまで3年かかったよ。
私は職場に行くと、ホントは和らげていきたい自分の監視役を強化しなきゃならなくて。
どういうポジションでいたらいいのかも定まらず、振り回されたくもないから私らしさをある程度貫いて、だけどそんな自分を好きになれなくて。
そうやって、経験から実感したことで、じゃあどうしたら自分がラクにいられるだろうって考えられるようになって。
最初はね、自分の監視役を否定しちゃったんだけど、監視役は私の守り神なのよね。
守ろうとして、自分を責めるとか攻撃的になりやすかったんだけど、そこを変化させたらラクになるのかもって思えたの。
よく考えてみたら、子どもたちにちょっと感情的になって言い聞かせようとするときって、おんなじ心理かもしれない。
子どもたちの心を守りたくて、傷つくことから守りたくて、子どもたちを責めて方向修正を図ろうとしてたのかも。
結局、自分の中の監視役はそのまま子どもたちの監視役にもなってしまうのかもしれないね。
監視役の役割を違う視点で考え直す
監視役の仕事を改めて考えてみると、目的としては自分を守ってあげられたらよくて。
自分がくすぶってたら背中を叩いたり、落ち込んでたらなぐさめたり、そんなふうにしながら、自分の人生を応援してあげたらよくて。
監視役っていうよりは、人生の伴走者?
あたたかい気持ちで見守ってくれるパートナー?
そんな感じの方がいいんじゃないかって。
で、最初の夫との会話に戻るんだけど。
自分の中にね、信頼できるパートナーをつくって、自分のことを信じること、それが自分を信用することにつながるのかもーって自分なりに結論を出したんだ。
夫という人の理解が深まる
夫はね、法学部出身。
なんで法律を学ぼうと思ったか、の理由が
「自分の人生に必要な学びだと思ったから。」で。
私にとっての法律なんてさ、悪いことしなきゃ関係ないもの、くらいな感覚で。
あんまり現実味のある存在ではなかったのね。
仕事がわかってきてから、全てのことは法律やルールに沿って動いてるって実感するのだけど。
夫にとって、親は自分を守ってくれる存在じゃなかったのね。
夫は親と心の距離を置いて、いつでも自分を守ってきた。
そんな夫にとって、自分を守ってくれるものは法律だって思ったのかもしれない。
夫の生き方のベースは常にリスク管理。
欲深くていいとこ取りしたくて、いつも欲求に従って動いてた私とは正反対で。
そんな生き方で楽しいの?って思って、いつも私は夫を楽しいことに連れ出してたと思う。
それは夫にとって新鮮で、世界が広がった経験だったみたい。
私は15年かかってやっと、夫の生きるベースにあるものを少しずつ理解できるようになってきた。
ここに書けるほど深く理解できてないから、書けないんだけど、法律の成り立ちやあり方を夫から聞くと、スゥーっと自分の中に新たな考えと軸が生まれてくるようだったの。
ああ、この感覚、好きかもしれない。
よくも知らない人のことを、自分の持ってる尺度や価値観だけで判断するって未熟だな…すごく実感した。
でも私、ずっとそんな感じだったかもしれない。
知れば知るほど、簡単に判断したり、物を言えることではないんだろうな。
夫が多くを語らず、何を言っても響かない感じがあって、すぐに返事がないのは、簡単には言えないことだってわかってるからなんだ。
いろんな視点を持っていて、ちょうどいい言葉や判断するのには時間がかかるんだ。
私みたいに直感的に判断して、動いて確かめるのとは全然違うスタンスを持ってる。
そこをお互いに尊重していきたいな。
改めてそう思った。
うまくいかないときほど、世界が広がるチャンスなんだよね。
自分に合うものを探す時期もあれば、自分の世界を広げる時期もある。
大事なのは、目の前で起こったイヤなこと、避けたいことから向き合うのをやめないことなんじゃないかな。
無理難題だと思えば、それを対処できるようになるまで、今の自分で生きられる世界にいるのもひとつ。
私は人間関係に関しては、やっぱりすごく時間がかかって、今になってやっと冷静に向き合えたわけだし。
その人それぞれのタイミングがある。
そして、私は今このタイミングで、こういう学びをしたってだけのこと。
いつでも学びには貪欲でいたい。
そして、noteでそれを言葉にするのを楽しみたいな。
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