家族の中で、ひとりぼっち

私の家は、あまり会話の多い家ではなかった。わたしが大人になってから分かったことだが、父と兄は血が繋がっておらず、それをわたしに隠し続けていたからだ。わたしがいないところで家族が談笑しているのをみると、子供ながらに「わたしが邪魔なんだ」と、本気で思っていた。親戚のあつまりにおいては、わたしは腫れ物扱いだった。でも、理由がわからなかったから、どこか自分に悪いところがあるんだと思っていた。

今でこそ、こうやって当時自分が思っていたことを言えるようになったが、田舎においては家族は絶対的存在であり、親に感謝しない子供は不良扱いだった。だから、たくさんのことをガマンしていた。当時の傷は、わたしの中で深く痛むし、未だに家族や親戚とは、どこか他人行儀である。

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