作家性というビジネス戦略
作家性。よく聞く言葉です。作家性ってそんなに重要なのでしょうか。浮世絵やミケランジェロなど、業者として絵を描いていた作家たちには必要とされてませんでした。商業的なカルチャー作家では、現代もまだ漫画家や映画監督も同じく作家性はそこまで重視されません。
ビジネスでは事業ピッチを行う際に、事業関係者がどのようにそのビジネスをやろうと思ったのか?事業者はどうゆう人物なのか?ストーリーで伝える流れがあります。
作家性の重要性と、作家性を求めだしている流れ、作家性というものを分解していきます。
作家性の重要性
一方で、作家性の確立にとらわれすぎることの問題点も指摘できます。
したがって、現代の日本のアートシーンでは、作家性の確立とともに、以下のような視点も重要だと考えられます。
作家性の確立は、現代の日本のアートシーンにとって重要な課題ですが、同時に多様性や実験性を尊重し、市場の論理に流されない批判的な視点を持つことも必要不可欠です。結果として、こうした複眼的な視点を持つという非常に高度なことが重要だとわかりました。
作家性を求められるようになった現代をみる
近年、日本のアートシーンにおいて作家性が重視されるようになった背景には、以下のような原因があると考えられます。
昨今の日本ではD2Cビジネスの流れから、ストーリーで顧客に伝える。ストーリーテリングを活用し、美術館動員数を目的としたキュレーターの売り出し方が作家性を求めていると思っていたのですが、決してそれだけの要因ではなく、世界的な流れや教育機関の方面からも、作家性を求める傾向にあります。
作家性を言語化してみた
芸術家や作家の個性や独自性が作品に表れている特質を指すと定義します。以下のような要素が作家性を形作っていると考えられます。
作家性は、作家の個性や独自性を表す重要な概念ですが、同時に作家性をめぐっては様々な議論もあります。例えば、作家性を重視しすぎることで作品の普遍性が失われるのではないか、作家性という概念自体が近代的な概念ではないか、などの批判もあります。
結果として、美術展の成功(ビジネス的な成功)を目的とした場合、ターゲットは大衆となり大衆に向けて、キュレーターがわかりやすく売り出すために作家性が求められてきたように思えます。アートを求めるターゲットは地域に応じて変わってきますが、日本では特に作品を見せるよりも、作家性というわかりやすいものをストーリテリングで大衆に届けているのが現状です。
作家性とはアートビジネスとして、求められている要素なのです。
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