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経験を生かせていないからって、ムダだったわけではない

勉強をして、新しいスキルを身につけたけれど、そのままになっている。
そんな経験はないだろうか。わたしにはある。

大人になって、初めてちゃんと勉強をした。それが、TABIPPOが企画するトラベルクリエイター講座「POOLO JOB」(以下、JOBと略称)。1期生として、3ヶ月間ライティングやブランディング、インタビューなどを学んだ。

それから1年、わたしは世界を旅しながら旅行記事を書いている。なんていうのはウソで、愛媛県でのんびりと福祉系の仕事をしている。6年間で4つの道府県と1カ国で住む場所を変えたせいか、あるいは年齢のせいか、刺激に疲れてしまった。

お腹いっぱい、隠居したい。
そんなワケでJOB卒業のときに掲げた目標は、ミイラと化している。

でもひとこと言わせて、「JOBでの経験はムダじゃなかった」って。

26歳、大学生になりました

確かにスキル面ではなに一つ使いこなしていないが、あのときの経験は新しい学びへとつながっている。

今年の春から、京都芸術大学・通信課程(以下、KUAと略称)に入学し、晴れて大学生となった。

ただ絵を描くのが好きという理由から、画家になるのが夢だった小学生のわたし。大人になってからは、芸術分野について学んでみたいという思いがあったが、なかなか踏み出せずにいた。そもそも勉強は苦手だし、やり切る自信もなかったから。

そんななかで参加したJOBには、社会人として活動しながら、新しい道を探している大人がたくさんいた。ハッキリとした目標を持っている人もいれば、どうしたいかはまだわからないけれど一歩を踏み出した人も。

「こんなに自由で、挑戦する大人がたくさんいるんだ。私も諦めなくていいんだ」と、とにかく嬉しくって、励まされた。そして学ぶことで新しい世界を覗くことができる、勉強の面白さを知った。

noteを始めたから、KUA入学できた

JOBをきっかけに始めたnote。新しい世界に馴染みたくて、たくさんのクリエイターさんの投稿を読むようになり、今では楽しみの一つになっている。

そのなかで出会ったのが、タケチヒロミさん。40代後半でKUA文芸コースへ入学、ウェディングドレスを作る仕事と主婦業、そして大学の勉強ともりだくさんの生活を送りながら、2024年に卒業。現在は大学院生として学び続けている。

通信制ならではの難しさや、仕事との両立についてリアルに綴られている投稿。クスッと笑える文章のなかに見え隠れする、鬼のようなメンタル、家族とのやりとりに何度も楽しませてもらった。

「まあね。とはいえしんどいし、基本めんどくさいことばっかり。でもメンタルはべつに大丈夫。わたしの人生はほら、失敗と挫折だらけだからおのずとメンタルも強くなってくるよね。だって、ものづくりしてたら、一回で成功するなんてまずありえない。ちっとも思ったようにいかないんだもん。なんども失敗して試行錯誤することが前提だから、失敗してもくじけてるヒマがないわ」

決まった!
わたし、いいこと言うやん。そうなのよ。何かしらの創作をしていたら、最初からうまくはいかないものだし、失敗して当たり前。

と、自分のセリフに満足しながらわたしは試験の準備を始めた。

『そうそう忘れかけていたけどわたし、大学生だった。』より


通信制の大学は簡単ではないと思ったけれど、「とにかく飛び込んでみる」精神で挑戦するタケチさんの姿に、私もとりあえず飛び込んでみたくなった。飛び込んだって、死にはしない。

なんとかできるって、根拠のない自信がわいた。
初めの一歩は、それくらいのバカさが丁度いい。

学びや経験の使いかた、活かすタイミングは人それぞれ

学んだことをすぐに生かせないとき、罪悪感や焦りを感じてしまう。わたしはそうだった。でもだからってムダになることはない。何事にもタイミングはあるし、経験の生かし方だって十人十色。

JOBで学んだことは少しも生かされていないけれど、巡りめぐって新しい学びへと背中を押してくれた。

KUAでの学びもどこへ繋がるのかわからない。でもいいのだ。未来のことを考えて時間を無駄にはできない。大事なのは今。さあ課題に取りかかろうか。


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