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episode6 友人達が美人でお嬢様ばかり

大学で知り合った友人達は美人でお嬢様ばかりだった。お嬢様大学に在籍しているので当たり前ではある。
私のマンションはオートロック1kで家賃は8万代で安くはない。友人のマンションを訪れた時は驚愕した、メゾネットタイプのマンションで部屋に螺旋階段があって広々としていてチワワまで飼っていた。
比べてしまうのはお門違いだとは理解していても、お嬢様との差は歴然だ。

私はもうすぐ梅雨の季節になるので、今まではビニール傘を大切に使っていたが、周りに合わせる為に百貨店で高校時代のアルバイトの貯金でPinky&Dianneの傘を買った。頑張ったつもりだったが、周りはBURBERRYやDiorの傘がやはり多かった。
高校時代の貯金で、季節ごとにbagも替える。Samantha Thavasaで乗りきった。でも、やっぱりブランド物が欲しくなる。みんなが持ってるものが欲しくなるなんて脳内は幼稚過ぎた。

一大決心をした。土日の夜はキャバクラで働こう。そして自分でブランド物を買おう。
平日は近くのコンビニでバイトしていた。廃棄弁当貰えるとか利点があったので辞めずにいた。廃棄弁当食べてるお嬢様なんか友人の中にはいなかっただろう。誰にも言わなかった、聞かれないことをわざわざ話す必要もない。

フロム・エーで近場のキャバクラを探し電話をかけた。私の今の売りは若さだけだった。上手く話せる話術もなかったし、男の人も苦手、人見知り治療も兼ねて働くことにした。お店はすぐに決まった。源氏名は子供につけたかった名前。源氏名にしてしまったので勿論子供の名付けには使用はもうできない。とにかく周りに溶け込むのに必死だった。お金が欲しかった。

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